ここでは、車の「下取り」と「買取」の違いについてご説明いたします。
一般的には「新車ディーラーに車を売る=下取り」、「買取業者に車を売る=買取」と考えますが、実はそれぞれの定義に売却先は一切関係ありません。
新車ディーラーでも買取は行っていますし、買取専門店の看板を出している業者でも下取りという形で車を代替えする事もできます。
それぞれの定義は次のようなものです。
●下取り = 車の代替え時に購入する販売店に車を売却する事
●買取 = 車を買わずに売却のみを行う事
販売店があまり「買取」を行わない理由
ディーラーや中古車販売店でも当然、買取を行っています。
相談すれば話はしてくれますが、販売を伴わない「買取」には消極的な店舗が多いのが現状です。
販売がメインという経営方針
販売店は仮にスタッフが安値で買取を行い利益を出したとしても、評価されない事が多いです。
経営方針自体が買取に消極的であれば、オークション出品や店頭販売のノウハウはあっても査定額は低くなります。
ブランドイメージを崩さない為
特に新車ディーラーでは、上質な場所、敷居が高い場所というブランドイメージを重要視しています。
看板に大きく「高価買取」「どんな車でも買取ります」などと書いてしまうと、町のモーター屋さんみたいな敷居が低すぎるイメージが付いてしまうのを販売店は嫌っています。
最近ではトヨタ系であれば「T-UP」、大手中古車チェーン店であればTAXグループの「COWCOW」など販売と買取で看板を使い分けている業者も増えてきています。
買取専門店があまり下取りを行わない理由
下取りは原則代替えする車を購入する事で成り立つので、店頭販売をあまり行わない買取専門店では下取りというシュチュエーション自体が生まれにくいです。
なぜ中古車を多く取り扱っているのに、販売を行わないかというと、経費の節約や、在庫回転率を高くする狙いがあります。
買取専門店はローコストで運営している
店頭販売を行うには展示場を確保して、常時来店客を接客するスタッフを用意しておかなければいけません。
販売に伴う商談は、買取査定の商談に比べて時間がかかる事が多く、成約率も低いです。
こうした売れなければ人件費や家賃等で赤字を抱えるリスクを取らず、買取に専念して台数を稼ごうとしているのが買取専門店です。
小規模なお店にアポなしで行くと、営業時間中でも査定ができるスタッフが全員外出しているなんて事も多いです。
買取専門店にすれば、出店するハードルが低くなり、個人の独立開業や大手のチェーン展開に適しているので、近年買取専門店が急速に増えてきています。
在庫回転期間を短くする
買取した車をオークション出品や系列店や提携店に流す買取専門店では、在庫回転率が高くなります。
当然、車を置くスペースが短くなる、キャッシュフローが良くなるなどのコスト面による利点もありますが、最大のメリットは「在庫期間がない、相場落ちしにくい」という特徴です。
通常の販売店等の下取りは、店頭販売による在庫期間後にオークション出品しても赤字にならないような余裕を持った査定を行いますが、買取専門店は査定後に成約すればすぐにオークション出品できるので、より相場データに近い値段で買取を行う事ができます。
買取専門店のスタッフは忙しい
最近では無料出張査定が普及して当たり前のサービスとなりました。
来店型の大型店舗であれば常時店番のスタッフがいる事もありますが、中小規模の買取専門店では、常時外回りをしているスタッフも多いです。
多い日で数十件という査定をこなす事もある買取専門店のスタッフは、売れるか分からない販売の商談をする時間があったら、査定の件数をこなしていきたい。と考えている事が多いです。
こういった事情から買取専門店に購入の相談をすると、すぐに販売店の紹介をして済ませようする事が多いです。