新車の値引きは購入時によって変わります。その要因には、購入月に関わらず車種ごとの時期やキャンペーンなどもあり「新車の値引き額は購入時期で変わる」のページでも紹介しています。

その中で、販売店やメーカー側の都合で、安く売る時期もあります。それが1月〜3月と9月と言われていて、その理由はメーカーの決算となっているからです。

年度末の本決算の方が力を入れられている事が多く、決算月前の2月や1月後半から決算セールを打ち出す販売店も多くなります
9月は上半期の決算ですので、本決算に比べれば規模は小さいですが、それでも他の月よりも値引きが大きくなります。

決算月が安いと言われる本当の理由

まず、感違いしている人が多いのですが、3月を決算月にしているのはメーカーのみで、販売会社は別の月を決算月にしている事がほとんどです。多いのは1月や8月など、比較的暇だと言える月に設定している事が多いです。

これは、販売会社の決算は3月などのたくさん売れる時期にやってしまうと売掛金が多くなり、処理が複雑になる点や、棚卸などを繁忙期にやっていられない事情。また、客は決算という言葉に弱いので、メーカーと違う時期に設定する事で年に2回決算という売り文句を使える時期ができる利点などがあります。

販売会社は3月と9月にはメーカーに便乗して決算だと騒いでいますが、実は販売会社自体は決算とは無縁というの時期になっている事が多いのです。

メーカー側からしてみれば、生産済みの在庫をなるべく決算月に処分してしまいたい事情や、その年の売上を最後のひと踏ん張りで伸ばしたいという意向があり、販売会社に値引き補助や高額な奨励金を打ち出す事が多くなっています。

こうしたメーカーの頑張りによって決算月は安くなりますが、実はメーカー側も、不良在庫がある車種などを除いては、それほど決算月にどうしても在庫処分をしなければいけないという事情はないのです。

決算月が安くなる最大の要因としては、お客側がメーカーや販売会社以上に決算を意識しているからです。結果的に3月に車を買おうと思う人が多く、過去に3月に車を購入して車検月となっている人も多い事から、3月や9月が特需月となっています

こうした客側が過剰反応をした決算ブームにメーカーや販売会社は便乗して、決算のキャンペーンを相次いで売り出しています。

決算月が特需月になってくる事は各メーカーや販売会社も当然理解していますので、少しでも他社の顧客を獲得しようと、サービス競争も激化して、結果的に他の月に比べて、不良在庫がないような人気車種まで幅広い車種で大きな値引きが期待できる時期となっています。

3月末や9月末に車を買いに行っても安くならない!?

決算月は月末ほど、狙い目だと感違いしている人もいますが、決算月の大幅な値引き対象になるのは、決算月の月末までに新車の登録(車検証とナンバーの発行)まで行われるものです。そうしないと車検月の販売分にはなりません。

決算までの期限が近づいてくるほど、販売会社や各営業マンは追い込みがかけられ、必死になります。一番必死になるのは、月末登録できるかギリギリの3月中旬となりますが、この時期に車を買おうとすると、メーカーや販売会社に在庫がある車両に限定して安くできるという話になってきます。

希望の色や車種・グレードやメーカーオプションなど条件が決まっている場合は、3月中旬に行っても、在庫がなくメーカーの生産待ちで決算月登録ができなければ、大きな値引きが期待できなくなってしまいます。

こうした事情から、決算月を狙って安く買いたいのであれば、時間に余裕を持った2月末や8月末など1ヶ月前くらいに決められる計画を立てて、更に前から見積をもらうなど情報収集を開始しておくと良いでしょう