新車を買う時には、まずはその車のカテゴリーを決める事が必要です(車のカテゴリーについては「新車選びの第一歩。まずは車のカテゴリーを絞り込もう」でも紹介しています)。
カテゴリーさえ絞りこめれば、あとはメーカーと希望条件に合う車種を決めればいいだけですので、それほど難しくはありません。
車種選びをする中で、早い段階でこのメーカーのこの車種が良いと、希望車種が決まるケースも多いですが、新車をよりお買い得で後悔しないように買う為には、各メーカーのディーラーを回って、見積書をもらう事が大切です。
例えばコンパクトカーで、ホンダのフィットが欲しいと思った場合は、トヨタのアクアやヴィッツ・日産ノート・マツダデミオなどをディーラーに見にいって、見積書をもらっておくと、新車の商談が有利になる場合があります。
見積りをもらっていると、新車営業マンが本気になる
例え希望する車種のメーカー以外に興味がなくても、一度ディーラーに行って見積書をもらっておく事で、希望車種を販売するディーラーの営業マンと商談する時に有利になる点が多いです。
新車ディーラーには、本気で車を買う気がないのに、試乗したり見積を取る人がたくさんいます。今買う気がないお客に対しては営業マンは値引きも抑えた内容で見積を作り、本腰を入れた接客をしない事が多いです。
しかし、各メーカーの競合車種の見積書をもらってきたという実績があるだけで、本気で車を買おうと動いているお客だという事が伝わり、他のディーラーとのやり取りを経験している事から、接客でも他社に負けないように本気を出してくれます。
初期見積の段階でも、他社メーカーの見積書をもらっている時点で、あまり渋った値引きで提示するとお客が逃げてしまう可能性があるので、それなりの値引き提示をしてくれます。
よりスムーズに限界値引きに向けた交渉をする為にも、他社メーカーの見積書というのは有効なツールになるのです。
新車を買う知識が詳しくなる
色々なメーカーに行き、実際に車を見て、見積書をもらっていくと新車選びのポイントが分かってくるメリットがあります。
ひとつのメーカーしか行かないと、この車種はこんなに便利な装備が付いていると思っていても、実際にはどこのメーカーでも標準装備になっている装備だという事を知ったり、他社メーカーには付いている装備が希望車種には付いていない事を知って、本命メーカーの車種のデメリットとなる部分が見えてく事もあります。
見積書も、当初は販売店側が強く勧めて勝手に見積に計上されるオプションや手数料などが、1社の見積だけだと、それが普通だと思ってしまいますが、複数社の見積書を取る事で実際には必ず必要なオプションや手数料ではない事に気づく場合もあります。
新車の購入経験がない人ほど、まずはなるべく多くのメーカーのディーラーを回って見積書をもらう事から始めるようにするとよいでしょう。
新車値引きは車種ごとによって変わる
例えば日産のノートで20万円の値引きが入った見積書を出してもらったとします。その後マツダデミオで最初に見たノートと同様の車両本体価格と装備を付けた見積書をもらいに行った時に10万円しか値引き提示されなかったとします。
この場合はノートの見積を事例に出して値引き交渉する事は有効ですが、どれだけ頑張っても20万円の値引きをしてもらえないケースがあります。
他社メーカーの値引きが一番高い所が、そのクラスの車の限界値引きだと思ってしまう人や、日産よりもマツダの方がたくさん値引きをしてくれるだろう。とメーカー単位で値引きの大小を決め付ける人がいますが、実際には限界値引きは車種ごとによって変わってきます。
例で挙げたノートとデミオの場合は、デミオの方が最近フルモデルチェンジをして、カーオブザイヤーの受賞などで高く評価されている車種なのに対してい、ノートの場合はモデルチェンジをしてからデミオ以上に時間が経過しています。
こういった人気車種や最新車種の場合は、値引き価格が低くなってしまう傾向がある事を理解しましょう。
その他にも新車の限界値引きは車種ごとにメーカーが設定している販売店への値引き補助(業界用語でメーカー対策)が影響したり、発売して間もない頃のプリウスやアクアのように、メーカーから各販売会社に値引きは一律5万円。とルールを作って価格破壊を防止しているケースがあります。
こうしたメーカー側の思惑によって、販売会社であるディーラーができる値引き額は変わってくるので、ライバル車であっても、時期によって、値引きが大きい車種と少ない車種が出てくる事を理解しておきましょう。
参考:
元営業マンが教える新車値引き交渉②:値引き額を大きくする営業マンとの付き合い方
元営業マンが教える新車値引き交渉③:車を決めた後の最終交渉