新車の値引き交渉術で、様々なディーラーで競合させる事は非常に重要です。
競合店舗が多いほど、値引き額が大きくなる可能性は高くなると言ってもよいでしょう。
まずは異なるメーカーのライバル車種で競合させるのも重要で、「各メーカーのディーラーで見積書をもらう」のページでも紹介していますが、ここでは、より上級編のテクニックとして、同じメーカーのディーラーで競合させる方法を紹介していきます。
同じメーカーでも販売会社は多数ある
「ディラーに行く時のチェックポイント」のページでも触れていますが、同じメーカーの同じ車種であっても、異なる販売会社で売られています。トヨタなどではNOAH/VOXY/エスクァイアなどといった姉妹車種として扱っているケースもあります。
同じ車種やグレード・オプションを付けて、値引きなしでの金額が全く同じ内容であっても、販売会社ごとで、値引き額が違ってくるので、競合させる価値は高いです。
地域の販売会社を調べる
同じメーカーの車種を複数店舗で競合させる時は、必ず違う販売会社で競合させる事が必要です。同じ販売会社の違う店舗で競合させた場合は、各店舗の営業マン同士で連絡を取り合ったり、最寄り店舗のお店で商談するように案内される事もあります。
新車の販売会社は地域性も強いので、家から最寄り店舗のお店と2番目・3番目に近いお店が同じ販売会社という事はよくあります。インターネットで販売店検索をする際は、販売会社の情報まで調べて、違う販売会社で競合させるお店をピックアップしていきましょう。
姉妹車種では、値引き枠が変わってくる事も
同じ車種でしたら、値引き枠はどの販売会社でも大差はありませんが、姉妹車種になると状況が少し変わってきます。例えば、トヨタのミニバンでNOAH・VOXY・エスクァイアの場合、後から発売されて廉価版のグレードが設定されていないエスクァイアに関しては値引き枠が少ない傾向があり、NOAHとVOXYを比べても、全般的にNOAHの方が値引きが多いというデータも出ています。
姉妹車種の場合、スペックは同じでも売却する時は車種によって中古車の相場が変わってくるケースもあるので、単純に一番安い車種を選べば良いという事ではありません。可能であれば、姉妹車種がある場合でも、同じ車種ごとで、複数の販売会社で競合させると良いでしょう。
販売会社ごとによって、値引き枠が違う理由
なぜ販売会社によって値引きの強い・弱いという関係性が出てくるかというと、メーカーとの契約内容が違うからです。
大手販売会社と、1、2店舗しか運営していない小規模の販売会社では、仕入れ値自体が違う事もありますし、新車の販売会社は、メーカーから○○台登録すると、奨励金をもらえる制度があります。奨励金は販売会社ごとの登録台数が多いほど、大きい金額の奨励金となりますので、大手の方が実質的に安く新車を仕入れる事が可能となるルールとなります。
ここまでの説明ですと、販売会社は多くの店舗を運営している大手の方が有利だと思う人が多いと思います。この考えは間違ってはいませんが、例外もあります。新車の販売会社は老舗が多い傾向があり、特にオーナー経営の小規模ディーラーは古くから店舗を構えている場合が多いです。こうした老舗の小規模販売会社は、店舗を賃貸ではなく、自社の土地になっていて、減価償却も終わっている事が多いです。
その他、販売会社の運営方針次第で販促コストも変わってきますので、小規模の販売会社の方が、運営コストが安い事によって、大手に勝る値引きが可能になるケースもあります。
また、新車というのは値引きをしてしまうとお客が思っている程儲かりません。中には赤字を切ってでも値引きをして販売するケースがあります。この理由としては新車ディーラーはその後のアフターメンテナンスの方が儲かると言われているからです。
新車を売る時は利益がなかったり、赤字でも、保険やローンで付随した契約をしてくれたり、その後点検や車検で入庫してもらえればそれでよいと思っている販売会社もあります。メインが整備工場や、中古車販売店であるサブディーラーなどでは、下取り車の査定に強みを持っていたり、新車販売がメインではないからこそ薄利販売が可能になるケースもあります。
こうした営業方針により、販売会社ごとの値引き額は変わってくるので、会社の規模だけで選ぶのではなく、実際に足を運べるお店は、偏見を持たずに何社か回って競合させていく事が重要になります。