新車の値引き交渉をする時に、営業マンは1台売ると、どのくらいの歩合給をもらっているか気になる人も多いでしょう。

値引き交渉の中では、「ガソリン満タンサービスを交渉する」のページでも紹介している通り、自腹対応をしてくれるケースもよくあります。

ここでは、20代で年収1千万円を達成したという新車営業マンが暴露した、歩合給の仕組みについて紹介します。

給料の仕組みは販売会社ごとで変わる

新車の営業マンといっても、販売会社によって対応が変わってきます。どれだけ売っても、営業マンのバックが少ない会社もあれば、高額なインセンティブ(歩合給)で還元されるケースもあります。

新車営業マンは、給与の不満から販売会社を移籍(転職)する事もよくあり、貪欲な営業マンは、歩合給の割合が良い販売会社に移籍する事もよくあり、適度に力を抜いて仕事をしたがる人は、あえて歩合給が安くても緩い会社へ移籍する事も多いです。

主に新車営業マンの移籍(転職)は違うメーカーに行く事が多く、同じメーカーの違う販売会社に転職するには、退職後1年以上期間を空ける事が必要など、ルールがある場合もあります。ここではあくまでもその中で、平均的な給与形態になっている販売会社の一例と、一部、その他の販売会社の事例を紹介します。

基本給

平均的に20代で入社した場合で最初の基本給は20万円〜25万円程。安い所では20万円を切るケースもあります。新車営業マンとして入社した場合は、3ヶ月ほどの勤務を目処に、営業用の車を実費購入しなければいけないので、額面以上に初任給は低いと言えます。

ちなみに整備スタッフの場合は入社したら、工具を50万円〜100万円ほど出して買わされる事が多いです。その他、年齢給も存在して、若干ではありますが年功序列で基本給は高くなります。その他、営業手当が1万円付き、みなし残業として、5万円〜10万円が付く仕組みとなっています。

基本的に新車営業マンは毎日残業していますので、入社直後から、総額30万円以上の給料をもらえるケースもあります。その後、半年ごとの成績の応じて業績給が1万円〜8万円でつきます。売れている営業マンは、常に安定して上限の8万円の業績給が付き、平均的な成績の営業マンは4万円〜6万円ほどの業績給が付きます。売れない営業マンでも1〜2万円ほどの業績給が付く事が多いです。

新車販売マージン

ここが一番販売会社によって変わってくる所です。最も一般的なのは、月に5台ほどのノルマがあり、ノルマを達成すると一気に歩合給の割合が多くなります。新車営業マンは1台売るだけで、高額な歩合給をもらっているイメージもありますが、月に1台や2台売るだけでは、1台単価1〜2万円程度の歩合給しかつかず、5台以上売ると、1台に対して3万円〜5万円ほどの販売マージンが付きます。

また、車種によってポイント制になっている事も多く、通常の乗用車であれば1.0ポイント。高級車両やメーカーが力を入れている新型車などは1.5〜2.0ポイントのボーナスポイントが付いたり、軽自動車や中古車を併売している場合は、0.5〜0.8ポイントなど低い扱いの車もあります。

その他、月単位や3ヶ月単位などで、車を売った利益に応じて、ミニボーナスが付く事もあります。値引きをせずに1台あたりの利益が多ければ、対して売らなくても利益ボーナスが付く事もありますし、たくさん売っても、値引きが多く、利益がでなければ、利益ボーナスが付かない事もあります。利益ボーナスの相場は1万円〜5万円ほどとなっています。

このほかには、販売会社が定期的に社内の販売コンテストを開催していて、期間中の受注・登録台数が上位に入ると5万円〜10万円の奨励金が出る場合もあります。

ボーナス

最近ではボーナスには歩合給が付かず、基本給の1倍〜2倍程度の固定したボーナスを支給している所が多いです。

少し前まではボーナスも歩合制になっていて、売れる営業マンは100万円以上のボーナスが可能で、売れないとほとんどボーナスをもらえない事もよくありました。ボーナスまで歩合制にしてしまうと、求人の反応が悪くなる傾向もあり、固定支給としている販売会社が多くなっています。

その他の手当

新車営業マンは、非常に細かく業績に応じて手当が支払われています。その一例を紹介します。

●車検手当

既存顧客が車検入庫した際に支払われます。1台あたり1,000円〜1,500円ほどとなっています。

●点検手当

既存顧客が12ヶ月法定点検に入庫した場合に支払われます。1台あたり500円前後で、6ヶ月の簡易点検は対象外となります。

●ローン手当

高い金利でローンを組んで販売した場合などに支払われます。内容によっては、1台で10万円前後のローン手当が支払われる場合もあります。

●保険手当

新車ディーラーは必ず任意保険の代理店にもなっています。新車営業マンの歩合給ではこの保険収入は大きなウエイトを占める事があり、新車の販売マージンが低い販売会社では、販売マージンよりも保険のインセンティブの方が高額になる場合もよくあります。営業マンがもらえる相場は新規で6%前後、継続で4%前後となっています。

営業マンの給与総額の目安

ここまでの、各種項目ごとの手当を見て考えてもらえれば分かると思いますが、1年以上勤務している人であれば、業績給も多少は付き、車検や点検・保険の手当も入ってくるので、月収30万円〜40万円ほどの給料をもらう事は難しくありません。

ただし、営業用の車を用意する事や状況によっては自腹対応する事も多い事、勤務時間などを考えれば決して高い給料ではありません。

売れる営業マンであれば、月に10台売って30万円〜50万円ほどの販売マージンや、その他販売コンテストの賞金などを獲得していくと月収100万円以上も可能となっています。