最近大人気のハイブリッドカーは、最大の魅力は燃費を中心として維持費が安いという面です。

その他にもハイブリッドカーは環境に優しく、静寂性が高い。モーターアシストによってパワーにゆとりがある。などのメリットもありますが、最大の焦点はガソリン車よりも高い値段を出して買っても元を取れるか?という問題になってきます。

実際にガソリン車と比べてハイブリッドカーのコストはどれくらい変わってくるのかを紹介していきます。

古い情報に騙されないで!!進化しているハイブリッドカー

トヨタが量販車としては初めてのハイブリッドカー初代プリウスを発売したのは1997年の事です。

そこから、ガソリン車とのコストの比較は様々なメディアなどでも取り上げられてきましたが、当初は、実燃費での改善や、走行用バッテリー性能の劣化に伴う燃費悪化、走行用バッテリーの高額な交換費用などで、ハイブリッドカーはそれほど割安ではないと評価されていました。

しかし、3代目プリウスに搭載されたTHS-IIの登場により、環境は大きく変わっています。ハイブリッドカーは今現在も、著しく進化を続けています。古い情報を元にハイブリッドカーはあまり性能が良くないと判断してしまわないように、気をつけましょう。

ハイブリッドカーとガソリン車のガソリン代の比較

ハイブリッドカーの一番の魅力が低燃費によるガソリン代節約です。実際にどれくらいお得なのかを、カタログスペックではなく、現実的な内容の一例を挙げて紹介していきます。

ハイブリッドカーの新型車は走行用燃費の耐久性が高くなり、交換費用も大幅に安くなったと言われています。それでも、ガソリン車に比べて長年乗っていると、燃費の悪化や走行用バッテリーの交換リスクを伴いますので、そうした事情も含めて紹介していきます。

現在定番となったハイブリッドカーのプリウスと、同じトヨタでプリウスと同じ1.8Lのセダンのアリオン(A18)を比較してみます。

ハイブリッドカー(プリウス)のガソリン代を試算


現行の4代目プリウス(グレード「E」)の場合、カタログ燃費はWLTCモードでリッター32.1kmとなっていますが、実際のオーナーの声を聞いてみると、実燃費はリッター25km〜28km程度といった人が多いようです。これは走行用バッテリーが元気な状態ですので、ここでは長い目線で実燃費25kmだった場合で比較していきます。

1万km走るのに実燃費リッター25kmで400リットルのガソリンを消費します。仮にガソリン価格がレギュラーで1リッター130円だった場合、5万2千円のガソリン代が必要になります。単純計算で10万km走れば52万円必要となります。

最近のハイブリッドカーの走行用バッテリーは性能が高いので、よほど長い期間かけて10万km走らない限り、走行用バッテリーは交換しなくても10万km程度なら走れる可能性が高いと言えます。(初代モデルは5年〜7年で交換必須と言われています)

ガソリン車(アリオン)のガソリン代を試算


現行のアリオンは1.5L、1.8Lと2.0Lの3種類があります。ここでは1.8Lのアリオンで比較します。アリオン1.8lのカタログ燃費は、WLTCモードで15.0kmとなっています。実際のオーナーの声を聞いてみると、実燃費は11km〜14km程度の人が多いようです。ここでは平均を取ってリッター12kmだった場合で比較していきます。

1万km走るのに実燃費リッター12kmで833Lのガソリンを消費します。仮にガソリン価格がレギューラーで1リッター130円だった場合、おおよそ10万8千円のガソリン代を消費します。単純計算で10万km走れば108万円が必要となります。

走れば走る分だけハイブリッドカーはお得になる

プリウスとアリオンでは車種や装備も違うので単純な比較はできませんが、プリウスの車両本体価格は廉価版のEで約261万円。アリオンは同じく廉価版のA18で約212万円。価格差は約49万円ほどとなっています。

10万km走った場合の比較ではハイブリッドカーの方が約56万円もガソリン代が安くなる計算なので、車両価格が高くてもお得感が高いと評価できます。ただし、距離を乗らなければハイブリッドカーのコスト削減の恩恵は少なく、乗る機会が少ないと10万km走る前にバッテリーの交換が必要になることや、ブレーキを使わない高速道路中心だと、実燃費は20km前後まで落ちるケースもあります。

必ずハイブリッドカーの方がお得という訳ではなく、適度に距離も乗って、バッテリーを上手に活用しケアしながら乗る事でガソリン車よりもお得に乗る事ができます。状況によっては、安いガソリン車を買った方が長い目で見てお得という人もいるので、迷わずハイブリッドを選ぶのではなく、他のガソリン車なども比較して検討するとよいでしょう。

ハイブリッドカーの買取相場が堅調

低年式・過走行のハイブリッドカーが中古市場で増えてきました。以前はバッテリーの劣化・交換リスクによって、売却時の大幅な減点を懸念されていましたが、ガソリンエンジンモデルに比べても遜色のない買取査定額を獲得する口コミが目立ちます。

2020年7月現在、プリウス5年落ちの買取相場は80~100万円。平均購入価格は総額で300万円と想定した場合、5年経過で買値の30%・90万円の買取額で売却できれば優秀な水準です。アリオン(1.8L)5年落ちの買取相場は50~70万円。買値に対する値落ち率で見ればプリウスと大差ありません。

7年落ち・10万km以上のハイブリッドカーでも、THS-2搭載モデルであれば、ガソリンエンジンモデルと同等の買取相場を確保しているので、将来的な売却価格を懸念する必要はありません。購入価格とランニングコストを重視して選ぶとよいでしょう。