新車の値引き交渉をする時に営業マンから「今なら安くできます」という話が出る事は多いです。こういった事を言われても、どうせ営業トークだろうと流してしまう人もいますが、まんざら嘘ではない事が多いです。

メーカーからの値引き補助(メーカー対策)と奨励金が関係している

新車の値引きは、月単位で設定されるメーカー対策と呼ばれる値引き補助や、販売会社がメーカーからのノルマ達成でもらえる奨励金が大きな影響を与えています。

「今なら安くなる」という言葉は、こうしたメーカーと販売会社(ディーラー)とのやり取りの関係から出てくる言葉となっている事が多いです。ディーラーが新車を売る時の実質の仕入れ価格は毎月変動しているのです。

タイミングが良いと新古車なみの価格まで限界値引きしてもらえる事も

販売会社は、メーカーからの奨励金が大きな収入源となっています。月や四半期単位(3ヶ月ごと)で、○○台以上登録すると1台に付き数万円の奨励金をもらう事ができます。あと少しでノルマや奨励金の金額が変わる台数に達成する時は、販売会社は自社の名義で新車を登録して台数稼ぎをしてまで、奨励金を獲得しようとします。

最近人気の新古車(登録済み未使用車)が出回るのは、こうした事情からです。

わざわざ諸費用など無駄なお金を払ってまで、新古車を作るのであれば、そのタイミングで商談をしている客に新古車並の価格になる限界値引きをしてでも、叩き売りした方が販売会社からしてみても、メリットが大きいです。

もちろん営業マンは売る為に都合良く「今なら安くなる」と口にする事もありますが、本当にタイミングが良い時なら破格の条件提示を受けられる事もありますし、その時に購入を見送れば同じ条件をもらう事ができないタイミングもあります。

翌月になったら、本当に新車値引きは少なくなるの?

メーカーからの値引き補助(メーカー対策)と奨励金ですが、翌月になるとゼロになってしまうのかと言われれば、そうでない場合もあります。実際には、翌月になった方が、新しいキャンペーンが始まり、値引き補助(対策金)が増える場合もよくあります。

これは新車営業マンでも、ギリギリにならないと翌月の値引き情報は分からない事が多いです。早い段階でこうした情報を営業マンに伝えてしまうと、今月売るよりも翌月売った方が都合が良いと思われてしまう事情があり、あえてギリギリまで通達しないように管理されています。

3月や9月の決算期などに出る対策であれば、他の月よりも優遇される事が多く、他にもモデルチェンジ前に条件がよくなる事も頻繁にあります。

仮に、メーカーからの値引き補助や奨励金の割合が減らされてしまうと、本当にどれだけ交渉しても、翌月末に値引き額がなくなってしまう事もあり、営業マンの話を信じて、急いで新車を契約するのと、翌月まで待ってみる事は、ギャンブル的な要素もあり、時間が経過してみないと正解が分かりません。

時期や話・営業マンの話や値引き条件をよく確認して、本当に通常時ではできない値引き条件なのかを見極める事が重要になります。

高年式車の下取り査定は、本当に月単位で相場が変わる

「今なら下取り車を高く買い取れる」という話になった時は、高年式の車ほど、信ぴょう性が高い話になります。中古車の査定相場は月単位で変わらないだろうと思う人もいますが、実際には1〜2ヶ月経過しただけで大きく査定の基準価格が落ちるケースもよくあります。

時間の経過により、価値が下がりやすいのは、高年式の車です。年式が新しい程、月単位など短い期間でも相場が下がっていくリスクが高くなります。

その他、車検が残っている車も車検残月が少なくなるほど、査定価格は下がります。ただし車検満了日まで6ヶ月を切っている場合は、それほど評価は変わらず、車検残が1年や半年など節目の期間をまたぐタイミングや、車検残が多い車ほど評価落ちは大きくなると言われています。

下取車の査定価格の都合で、早く契約するように言われている場合は、自分の車の年式や車検残を考えて状況によっては本気で早く契約する事を考えないと、損してしまう事もあります。