第3のエコカーと売り出したダイハツのミライースを皮切りに、軽自動車では各社の燃費競走が激化しました。
最近では、軽自動車燃費戦争が一段落しましたが、少しでも燃費が良い車種を選びたいと思っている方が多いのではないでしょうか?
2020年7月現在の最新情報を元に軽自動車の燃費ランキングを紹介します。
現在のカタログ燃費の主流はWLTCモード
カタログ燃費には日本独自の測定基準の10・15モードとJCO8モードがありましたが、2018年10月1日より国際基準のWLTCモードに変わりました。
WLTCモードは国際基準に則った測定をするほか、次の4つの燃費表記を義務づけられています。
①WLTCモード … ②~④の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成
②市街地モード … 信号や渋滞を想定し、比較的低速な走行を想定
③郊外モード … 信号や渋滞の影響をあまり受けない走行を想定
④高速道路モード … 高速道路等の走行を想定
もっとも重要な比較材料になるのは①WLTCモードですが、車の使い方に応じて②~④のモード燃費を重視した比較をしてもよいでしょう。
WLTCモードの前に主流だったJCO8モードよりも、実際の走行に近い負荷をかけて走行するため、カタログ燃費より実燃費が大幅に低くなるリスクが軽減されています。
燃費は乗り方によって大きく変わってきますが、上手に乗ればWLTCモードのカタログ燃費に対して90~95%ほどの実燃費を叩き出すことが可能です。
WLTCモードの燃費を基準にランキング形式で比較していきます。
軽自動車総合(コンパクト軽自動車部門)
1位 スズキ ワゴンR HYBRIDシリーズFF(燃費25.2km)
① WLTCモード:25.2km
② 市街地モード:23.0km
③ 郊外モード:26.5km
④ 高速道路モード:25.4km
同車種のOEMモデルとしてマツダのフレアも同等のスペックとなっています。
なお、JCO8モードの時はスズキの中でアルト(JCO8モード37.0km)がカタログ燃費トップでしたが、アルトは発売時期の関係でWLTCモードの測定値を出していません。
マイルドハイブリッドを搭載した影響で、現在はワゴンRが軽自動車の中でクラストップの燃費性能を誇っています。
2位 ダイハツ ミライース2WD車(燃費25.0km)
⑤ WLTCモード:25.0km
⑥ 市街地モード:20.9km
⑦ 郊外モード:27.3km
⑧ 高速道路モード:26.6km
ダイハツ独自のイースシステムを造り出し、発売当社から爆発的なヒットを記録した車種です。
郊外モードと高速道路モードは1位ですので、市街地走行の少ない方は実燃費が一番良くなる可能性があります。
OEM提供しているトヨタのピクシスエポックとスバルのプレオプラスも同等のスペックです。
2位 スズキ ハスラー(HUSTLER) HYBRIDシリーズ(ノンターボ)FF(燃費25.0km)
①WLTCモード:25.0km
②市街地モード:22.9km
③郊外モード:26.4km
④高速道路モード:25.1km
ミライースと同率2位でハスラーがランクインしています。エンジンやシャーシはワゴンRと共通ですが、重量・ギア比の関係でワゴンRよりカタログ燃費が僅かに劣る内容です。
ワゴンRと比較すれば、カタログ燃費・実燃費の双方で気になる燃費の差になりません。高速道路ではギア比の関係で燃費が落ちやすいです。
軽自動車ワゴン(ハイト)部門
1位 スズキ ワゴンR HYBRIDシリーズFF(燃費25.2km)
① WLTCモード:25.2km
② 市街地モード:23.0km
③ 郊外モード:26.5km
④ 高速道路モード:25.4km
軽自動車総合1位ですので、ワゴン部門もワゴンRが1位になります。マイルドハイブリッドによる低燃費化で、ワゴン部門ではライバルメーカーを大きくリードしています。
2位 スズキ ハスラー(HUSTLER) HYBRIDシリーズ(ノンターボ)FF(燃費25.0km)
①WLTCモード:25.0km
②市街地モード:22.9km
③郊外モード:26.4km
④高速道路モード:25.1km
総合ランキングと同じ結果・理由です。
3位 スズキ ワゴンRスティングレー HYBRID T FF (23.4km)
① WLTCモード:23.4km
② 市街地モード:20.0km
③ 郊外モード:25.0km
④ 高速道路モード:24.2km
マイルドハイブリッドの利点を活かし、ターボエンジンを搭載したワゴンRスティングレーが3位にランクインしました。なお、現在はワゴンRシリーズでターボモデルを用意しているのはスティングレーのみです。
軽自動車トールワゴン(スーパーハイト)部門
1位 スズキ スペーシア(※WLTCモード非測定・JCO8モード30km)
WLTCモード非測定ですが、特例で軽トールワゴン1位として紹介いたします。ワゴンRと同様にマイルドハイブリッドを搭載していることと、JOC8モードが2位で紹介するN-BOX(JCO8モード29.0km)より優れていることが1位に選出した理由です。
2位 ホンダ N-BOX NAエンジンモデルFF車(燃費21.8km)
① WLTCモード:21.8km
② 市街地モード:19.2km
③ 郊外モード:23.3km
④ 高速道路モード:22.2km
ホンダはi-VTECエンジンとアイドリングストップによって、軽トールワゴン屈指の低燃費性能を誇っています。売れ行きは軽トールワゴン1位で、走行性能・燃費性能・デザインなどの総合力を高く評価されているロングセラー車種です。
3位 ダイハツ タント NAエンジンFF(燃費21.2km)
① WLTCモード:21.2km
② 市街地モード:18.4km
② 郊外モード:22.8km
③ 高速道路モード:21.6km
ホンダ・スズキに一歩遅れを取った形ですが、外観や内装のデザイン面や実用性・助手席側ピラーレスなどが人気を呼び、現在も小さいお子様や高齢者がいるファミリー層から根強い人気を誇っています。
タントはダイハツの力を入れている車種です。なお、スバルのシフォンにOEM供給をしていて、カタログ燃費は全く同じです。