今売れている軽自動車の特徴やメリット・デメリットを比較紹介していきます。
まずは2019年度(2019年4月〜2020年3月)の軽自動車販売ランキングを確認してみましょう。
(一般財団法人・全国軽自動車協会連合会の発表資料)
1位 ホンダ N-BOX
2位 ダイハツ タント
3位 スズキ スペーシア
4位 日産 デイズ
5位 ダイハツ ムーブ
6位 ダイハツ ミラ
7位 スズキ ワゴンR
8位 スズキ アルト
9位 スズキ ハスラー
10位 三菱 eK
圧倒的人気を誇るN-BOX
現在最も売れているN-BOXは、2015年より5年連続で1位を獲得しています。これだけ人気が出ている要因は、現在人気が高いトールワゴンという事(詳しくは「最近の流行りは軽トールワゴン」のページでも紹介しています)。その中でも人気がズバ抜けている最大の理由はスタイリングです。
既にN-BOXは多くの方が憧れる車種といったブランドが確立されていて、ライバル車種が新型を投入しても1位の座を堅守した実績を持ちます。軽トールワゴンを買う需要が高い若いファミリー層から支持されているほか、男性からの人気が高いです。燃費性能や居住空間はライバルと大きな差はなく、既に軽トールワゴンのカテゴリーは成熟しています。
走行性能や燃費性能・安全装置に大きな欠点がないため、ブランド力の差が販売台数の差に繋がっている印象を受けます。
ダウンサイジングの需要が増加中
ランキングトップ3を軽トールワゴンが独占しているのは、コンパクトカーやミニバンから代替する方が多い証拠です。車両価格が高くても実用性の高さを重視して軽自動車選びをすることがトレンドになっています。
以前は事故を起こした時の安全面を懸念して軽自動車を避ける方が多かったですが、昨今は自動ブレーキなどの先進装備で安全性を高めています。またシャーシも改良を重ねていて、以前に比べて軽自動車がペチャンコになるような事故事例が少なくなりました。
乗用車からシェアを奪う流れは当面続く見込みで、軽自動車売れ筋ランキングにトールワゴンが連ねる状況は今後も続いていくでしょう。
根強い人気を維持するデイズ・eK
2013年に日産と三菱が共同開発した日産デイズ・三菱eKがともに10位以内にランクインしました。デイズはダイハツムーブ・スズキワゴンRを抑えて軽ワゴンのカテゴリーで1位を獲得。三菱eKも10位に入っている実績を見ると、日産の販売力だけではなく車種そのものの魅力が高く評価されているのでしょう。
燃費性能などスペック面に特別な特徴はありませんが、スタイリングと内装の質感に魅力を感じて選ぶ方が多いです。なお、デイズとeKは2019年3月に7年ぶりのフルモデルチェンジをしたことが販売台数の増えた要因です。2020年は前年比で販売台数が減少する見込ですが、2020年1~5月の月次ランキングは前年と同等の順位を維持しています。
定番の1台「スズキ ワゴンR」が一歩後退
古くから軽自動車の定番として人気が高いのがワゴンRです。初代からヒットを続けていて、街中でもワゴンRは多く走っています。ワゴンRは軽自動車初のマイルドハイブリッドを採用し、燃費性能でライバルを大きくリードして好調な販売台数を続けてきました。
しかし、昨今はカタログ燃費を重視する需要が以前よりも低下し、スタイリングの古さが目立つ時期だった影響でランキング7位に後退しました。2020年1月にマイナーチェンジを行い、外観の変更と安全装備の強化を行っています。巻き返しを期待したい所ですが、2020年の月次ランキングを見ても2月は10位で、その後も5~10位付近に停滞しています。
スタイリングを重視して軽自動車を選ぶ需要が高まり、ワゴンRは姉妹車種のハスラーと人気を分け合っていることもランクダウンした要因になっています。