ハイブリッドカーやクリーンディーゼル・EV車など様々なエコカーが登場していますが、ガソリン車もまだまだ負けてなく、進化も進んでいます。最新のガソリンエンジン車として注目されているのが、エンジンの小型化です。

エンジンの排気量を小さくすると、パワー不足となってしまう事から、現在ではコンパクトカーであれば1.3L〜1.5Lが主流。Mサイズミニバンであれば2.0Lが主流といったように、車体が大きくなる程、排気量も大きくなる傾向があります。排気量が大きくなるとパワーは補えますが、燃費が悪くなり自動車税も高くなるというデメリットもあります。

しかし最近では、「車体が大きい・パワーがある = 排気量が大きい」というパワーバランスが崩れてきています。その要因がターボエンジンやスーパーチャージャーなどの過給器を搭載したエンジンの普及です。

過給器付きのエンジンとは

ターボやスーパーチャージャーなどの過給器付きエンジンとは、通常ガソリンをエンジンの中で燃焼と爆発を繰り返す課程で吸気と排気を繰り返す構造となっています。ガソリンが燃焼するには、空気が必要で空気が多い程、強い爆発力を生み出します。

通常のガソリンエンジンは、NAと呼ばれる自然吸気で、1度エンジン内の燃焼が終わったら吸気口が開き自然現象で吸気を注入して次の爆発を起こします。それに対して、過給器付きのエンジンは吸気の際に強引にエンジンの燃焼室に空気を送りこむ事で同じ排気量でも強い爆発を起こし、パワーを増幅させています。

ターボとスーパーチャージャーの違いは、過給器を回す動力源がターボチャージャーは排気ガスの力を利用していて、スーパーチャージャーはエンジンの力の一部を利用している違いになります。特性としてターボは馬力を高める事に優れていて、スーパーチャージャーはトルクを高める事に優れていると言われています。

エコカーとしてのターボ車・スーパーチャージャー車

本来過給器付きのエンジンはスポーツカーなどに採用される事が多く、パワーが上がるが燃費が悪くなり、エンジンの負担が大きいという欠点がありました。しかし最近では、過給器付きのエンジンの技術の進歩が進み、低燃費・エンジンの長寿命を実現してきています。

車の最新技術を競う場となっている、モータースポーツの最高峰、F1では2014年よりレギュレーションが従来の2.4LのNAエンジンから、1.6Lのターボエンジンに変更されています。これは近年のエコカーブームから小排気量でよりパワーのある車の技術の進歩が必要という背景もあったレギュレーション変更と言われています。

今後、エコカーとしてのターボ車やスーパーチャージャー車は、広く浸透していく可能性があります。

現在の過給器付きエンジンの代表車種

●日産 ノート

2012年のフルモデルチェンジより、先代モデルの1.5Lと1.6Lのエンジンから1.2LエンジンのNAとエコスーパーチャージャーへと大きなダウンサイジングが行われました。

エコカーとしての過給器付きのエンジンとしては初の試みでしたが、現在の所、燃費も走りも高い評価を得ています。

●ホンダ ステップワゴン

2015年の新型車で大きな注目を集めているのがステップワゴンです。ライバル車ではセレナやNOAH・VOXYなどがある激戦区のミニバン市場で、これまでは2.0Lのエンジンがこのカテゴリーの定番でしたが、2015年4月末に発売されたステップワゴンでは1.5Lのターボエンジンを搭載されています。

これによりステップワゴンの車体がありながら、自動車税はフィットと同等クラスになる事で、業界に大きな革新が与える1台になる事が期待されています。

現在ステップワゴンの弟分であるフリードは1.0Lターボエンジン搭載車の開発が進められ、ミニバンとコンパクトカーが同じ排気量という時代は近い将来実現しそうです。