新車は数百万円の高い買い物です。買った瞬間に買取専門店に持って行っても買値の7割くらいになってしまうと言われていて、一度購入すると後戻りする事は難しくなってしまいます。

それほど新車を契約する事は大事な事です。「新車の契約書にサインする前に確認すること」のページの内容も確認して契約するようにしましょう。

しかし、中には契約後になって、どうしてもキャンセルをしたいという事情に陥ってしまう人もいると思います。契約書にサイン・捺印をしている時点で、立場的には弱くなりますが、100%キャンセルができない訳ではありません。最後まで諦めずにキャンセルできないか交渉をしてみるようにしましょう。

まずはダメ元で相談する

新車のキャンセルは状況によっては契約後でも受け付けてもらえる場合があります。しかし、販売店の都合だけではなく、メーカーやその他の業者が動き始めてしまうと、状況は不利になります。キャンセルした要望ができた場合は時間が遅くなればなる程不利になります。

まずは少しでも早く販売店の営業マンに事情を話して相談するようにしましょう。

実際に新車のキャンセルはよくある

新車ディーラーで働く人に話を聞くと、高額な商品の車は契約後になにかしらのトラブルが発生する事は珍しくなく、展開店舗が多い販売会社であれば、年に数件は実際にキャンセルを受け入れるケースもあるとの事です。

ここで大きなポイントとなってくるのが、新車はお客さんの名前で新規登録したかどうか(車が購入者の名義になったか)です。もし、まだ登録をかける前であれば、注文した車は販売店が在庫ストックする事で、新しい買い手が現れた時に新車として販売する事が可能になります。

しかし、登録をしてしまった場合は、例え車が未使用であってもそれは中古車扱いに変わってしまいます。一般的にはこれを新古車や登録済み未使用車と呼びますが、新車に比べて市場価値が落ちてしまうので、キャンセルは難しくなります。

実際に契約書に署名・捺印をした後にキャンセル申し込みをして、営業担当にキャンセルできないと言われても、販売会社の本社に交渉の連絡を入れたら、登録前という理由でキャンセルできたという事例もあります。

キャンセル受付は理由も大事

実際に契約後に新車をキャンセルした事例はありますが、これはやむを得ない事情のケースに限られます。家族の相談なしに車を買って、家族からキャンセルを強く求められたり、買った直後に急に海外赴任の辞令を出されてしまったなど、車の購入自体を取りやめないといけないような事情が必要です。

契約書は、客に簡単にキャンセルをさせない為の重要な書類です。例えば買った後に他のメーカーの車の方が欲しくなったり、他店で買えばもっと値引きしてくれるという情報を手に入れた。など購入時の検討が未熟だった事で起こるキャンセルの要望は、例え注文した車が生産待ちの状況だったり、手続き的にはキャンセルが間に合う環境でも、キャンセルを受け付けてもらえません。

それだけ契約書というのは大事なものです。
実際にキャンセルを受け付けてもらった事例を聞いて、気軽にキャンセルできるものだと思って軽い気持ちで契約してしまう事だけは絶対にやらないようにしましょう。

なかには契約しても8日以内にクーリングオフすれば良いと感違い人もいますが、客の意志で店頭に行って契約したものはクーリングオフの対象外で、8日以内でもキャンセルはできません。後悔のないように新車を契約する前には徹底的に確認をしましょう。