新車は1台でどのくらい儲かるのか?という話は、多くの人が気になるポイントだと思います。新車営業マンが暴露した新車の利幅について紹介します。
車自体の利幅は8%〜16%程度
同じメーカーの車でも車種によって利幅は変わってきます。一般的な普通乗用車であれば、13%前後の利幅になっている事が多いです。ミニバンなどは若干高めで15%前後、スポーツカーやクーペなど販売台数が少ない車種は10%を切る車もあります。軽自動車に関しては、8%前後となっています。
車両本体価格が200万円の車を値引きした場合は、車体だけで見れば赤字となってしまいます。
メーカーからの値引き補助がある
業界用語ではメーカー対策と言い、メーカーからの値引き補助が、車種ごとに設定されます。登録月がベースとなり、決算月では対策金が増える場合もあります。
メーカー対策には、いくつかの種類があり、新車は下取りがある場合や、同じメーカーで代替えした方が値引きが多いと言われているのは、メーカー対策の影響があるからです。
一般的な、メーカー対策(メーカーからの値引き補助)の種類を紹介します。
複数に該当する場合は重複して、対策金が出る仕組みになっています。
自銘柄下取り対策
同じメーカーの車を下取りしてくれた場合に対策金が支払われます。具体的な金額は多いのが5万円で、多いときで10万円ほどの対策金が出る場合があります。
他銘柄下取り対策
自社銘柄以外の車を下取りしてくれた場合に対策金が支払われます。金額は自銘柄下取り有りと同等水準です。車種や時期によって、自銘柄よりも対策金が多い場合や少ない場合があります。
自他銘柄下取り対策
銘柄を問わず下取り車がある場合に支払われます。金額の相場は上記で紹介している自銘柄・他銘柄下取り有りと同等です。
新規対策
下取り車が無い場合でも、対策金が支払われます。単独で対策が出る事は少なく、自他銘柄下取り対策と、並行して対策が出る事が多いです。相場は、下取り対策と同等か、それよりも少ない金額に設定されている事が多いです。下限は3万円からとなっていて、下取り有りよりも優遇される事はほとんどありません。
オプション対策(ナビ対策)
メーカーとして、大々的なキャンペーンをやっている時に出される対策です。今ならナビプレゼントキャンペーンやオプションプレゼントキャンペーンなどになります。基本的には、こうしたキャンペーンは、メーカーと販売会社が折半で負担する仕組みとなっています。
ナビプレゼントキャンペーンなら、ナビの半値の対策金。10万円オプションプレゼントであれば、5万円の対策金が出るのが一般的で、たまに7割ほどの対策金が出る事もあります。
ディーラーオプションの利幅
目安として、一律23%程が利幅になっている事が多いです。ナビなどを付けてディーラーオプション総額が30万円付けた場合、目安として6万9千円ほどの利益が出る計算となります。メンテナンスパックや、延長保証は表面上新車販売分としては利益が出ない仕組みとなっています。
下取り車
初期査定の金額としては、業者用オートオークション相場よりも20万円〜30万円ほど安い金額で提示する事が多いです。
交渉次第で、下取り査定額を上げる事も可能です。最近は買取業者に対抗して下取り査定でも高値を付ける事がよくあります。
その他の利益
新車販売では、その他にも利益が出る項目があります。その一例を紹介します
各種手続き代行手数呂
主に登録検査代行手数料・納車費用・車庫証明申請代行手数料・下取り車登録手数料・査定料などがあります。総額で5万円〜8万円ほどの手数料利益が出ます
ローン手数料
ローンを組んで買ってもらった場合に、信販会社からもらう手数料です。業界用語ではキックバックと言われています。金利やローンの内容によって大きく変わってきます。2.9%ほどの低金利まで下げると、数千円しかキックバックは出ません。6.9%など高いローン金利で5年フルローンなどを組むと、30万円以上の高額なキックバックが出る場合もあります。
自動車保険
新車を販売して、同時に任意保険に加入してもらうと、保険の手数料がもらえます。保険手数料は販売会社の顧客の規模や契約内容によって変わってくる仕組みですが、中規模の販売会社で新規の場合の保険手数料は14%ほどとなっています。
メーカーからの奨励金
1台あたりの単価になおすのは難しいですし、営業マンには具体的な情報が中々入ってきませんが、販売会社全体で、月や四半期ベースで○○台以上の場合は1台あたり、数万円の奨励金が出る仕組みになっています。
新車1台を売って出る利益
平均的な値引きで抑えられた場合、200万円クラスの乗用車を売って、20万円〜30万円ほどの利益が出ます。車種や値引き次第では、ほとんど利益が残らないケースもありますし、新型車など値引きが少なければ40万円以上の利益が出る場合もあります。
1台あたりの利益と、人件費や営業マンの人数で割った店舗維持費などを計算すると、新車の販売単独では赤字になる事も多く、メーカーからの奨励金や、整備による利益で新車ディーラーは成り立っています。