ネット通販の大手アマゾンが2014年6月より中古車販売を始めて話題を呼びました。アマゾン自体は既に多くの人の生活にすっかり定着していて、実際に利用した事があるという人も多いでしょう。
しかし、車を実際に見ずに通販で買う事が浸透するのか?というのは難しい面もあります。まだサービス開始から間もないアマゾンの中古車販売について、現状の評価や特徴を紹介いたします。
Amazon中古車販売の現場
中古車販売を行っているのは現状1社のみ
アマゾンは販売資格をもった通販業者が多数参入しているサービスで、アマゾンとはシステム管理を行っているだけに過ぎません。中古車販売については、ネクステージという会社の1社のみとなっていて、2015年3月現在では、その後の新規参入はありません。
サービスエリアは全国になっていますが、送料無料となっているのは、関東、中部、関西エリアまでとなっています。その他の地域は2万5千円〜10万円のの配送料が発生しますので、現状では該当地域の人のみがメリットがあるサービスとなっています。
特徴はコミコミ価格表示、8項目の消耗品交換、1年保証付き
アマゾンの中古車販売は、価格が全て総額の乗り出し価格表示となっています。通常の中古車販売のように車両本体価格から、実際に買う時は諸費用を含めた金額に変わるのとは違い、実際に購入にはいくら必要なのかが明確になっています。
更に購入後は当面の間安心して乗ってもらう事を可能にする為、8項目の消耗品を必ず新品に交換するという条件になっています。該当項目は次のようなものです。
- タイヤ・バッテリー
- エンジンオイル
- オイルエレメント
- ブレーキパット
- エアフィルター
- ファンベルト
- ワイパーブレード
タイヤやバッテリー・ブレーキパットなどの高価な消耗品まで全て新品交換になっている事も含めたコミコミ価格となっている事で、割安感を高めています。
こうした充実の整備を行っている事で1年保証も標準装備。通常の中古車販売店では3ヶ月保証が一般的で1年保証を付けるには、別途オプションの延長保証に加入しなければいけない事を考えるとメリットは大きいです。
古い車を中心に販売
オープンから現時点までの、販売車両を見ると、ほとんどが10年以上経過している車となっています。仕入れ価格が10万円未満の中古車を中心にする事で、タイヤなどの消耗品や、諸費用込みでの価格で割安感もある価格設定を可能としているのです。
市場価値が高い高年式の車などを同等のサービスで提供しようとすると、一般的な相場よりも高くなってしまう事情も考慮して、古い車を充実のサービスで提供しているというのがアマゾンの中古車販売の特徴です。
アマゾンの中古車販売は本当にお得なのか?
アマゾンの中古車販売の多くは33万円〜55万円の価格設定となっています。高い車と安い車の違いは車の価値だけでなく、車検を取り直して販売するか?車検残がある車か?というのが大きなポイントにもなっています。
10年以上経過している安い中古車でも、ディーラー中古車で買うと、安くても車両本体価格が20万円〜30万円。乗り出し価格で30万円〜50万円ほどとなってしまいます。それに比べればアマゾンでは、1年保証や8項目の消耗品交換が付いてきますので、お得感も高い内容となってきます。
しかし、本来の中古車選びは安い中古車の中でも、タイヤの溝が残っている事や、その他の機関や消耗品の状態を見極めて、割安な中古車を選んでいく事でよりお得に買う事も可能です。
こうした一連の逃れを面倒くさいと感じる人や、中古車の状態を見極める事に不安が多い人などにはメリットが多い内容となっていて、ある程度お店を回る時間や、中古車の目利きが少しでもできる人であれば、割高感もある価格設定だと言える内容です。
サービス浸透にはもう少し時間がかかるか?
アマゾンでの中古車販売がスタートした2014年6月〜2015年2月時点でネクステージに入った評価の数は50件弱程。実際には買って評価入力をしていないケースもあるので、実質の販売台数は不明ですが、多くの在庫を抱えて店頭販売している中古車販売店であれば、月に20台以上売っている所も多くある事や、アマゾンのブランド力。広範囲のネット通販という事を考えると、まだまだ中古車をネット通販で買う事は世間に浸透していない印象です。
現時点でのサービス内容だと、古い車をミッチリ整備した状態で買いたいという、特定のユーザーにしかメリットがない状態ですので、今後躍進するには、店頭販売と比べて更なるメリットがあるサービスなどにも期待をしたい内容となっています。