中古車の相場で最も影響を与えると言われているのが業者用オートオークションです。
全国に多数の業者専用の中古車オークション会場があり、各会場週1回ほどのペースで開催されています。

主要会場では常時数千台規模の中古車が売買されていて、国内最大のUSSオークション東京会場では毎週1万台以上の中古車が出品されています。
中古車を販売や買取を行っている業者はほとんど、業者用オートオークションの会員を持っていて、オークション相場をもとに、査定価格や販売価格を決めています。

業者からしてみれば、オートオークションを利用するのは、手軽な流通手段

中古車を店頭販売で売ったり、下取りや買取で仕入れをするのは、広告費などのコストがかかり、商談をする手間もあります。
エンドユーザーと車の売買を行うのは時間とお金が必要で労力もかかりますし、クレームリスクも大きくなります。
それに対してオートオークションを利用すれば、手軽に中古車を売買する事が可能で手軽な流通手段となっています。

業者は必ずオークション相場よりも安く仕入れて、高く売る

中古車販売店の業者から見れば、同じ値段であれば、エンドユーザーに直接売るよりも業者用オークションで売った方が楽ですし、在庫回転率をあげる事もできます。

査定についても、オークション相場と同じ値段を付けるのであれば、エンドユーザーから仕入れるよりも、厳しい検査を受けたオークションの出品車両を落札した方が信頼性も高いですし、売りやすい車を選んで仕入れる事ができます。

こうした背景から、車業者は店頭販売で中古車を売る場合の価格設定は必ずオークション相場よりも高く設定をし、下取りや買取の査定価格はオークション相場よりも安く設定をするようにしています。

販売価格や査定価格と業者用オークションの関係

業者が仕入れをした中古車を売る場合、業者用オークションに出品すれば適性相場ですぐに買い手が付きますが、店頭販売をした場合、いつ売れるのか確証がありません。長期在庫になってしまえば、その期間の間相場落ちをしてしまいますし、展示場所などや店頭販売用の商談スペースなどのコストもかかります。

こうしたコストやリスクを踏まえて、実際に店頭販売で売れた時に見合う利益を確保できる価格設定にしていいるのです。

ディーラー系の中古車や大手チェーン店など多くの販売業者は車種や中古車の価格帯にもよりますが、オークション相場よりも平均で15万円〜25万円ほど高く設定している事が多いです。中には5万円程度しか乗せていない場合や30万円〜50万円乗せている場合もあります。

下取りや買取で査定を付ける場合は、オークション会場の手数料や、輸送コスト。店頭販売を一定期間おこなってからオークションに出品しても相場落ちでマイナスにならないように、10万円〜20万円ほど安く仕入れをするようにしている事が多いです。

査定価格の場合は、低年式など安い中古車ほど、時間の経過による相場落ちは少なくなり、高年式などの高い車ほど、在庫期間が長いと相場落ちの幅が大きくなってしまうので、オークション相場よりも低めで査定価格を付けるようにしています。

車を売買する時に、今なら条件を良くする。新しい車の納車前に車を引き上げられれば査定価格を高くする。などと業者側が提示してくるのは、商談をしている時点でのオークション相場からの時間による相場落ちリスクを懸念しているという理由が大きいです。