中古車は、傷やヘコミがある事が多くあります。
どこからを傷と判断するかという個人差もありますが、ほぼ無傷の中古車は一部の新古車などを除いてほとんどなく、中古車は大小の違いはあっても、何かしらの傷やヘコミがあるものだと思っておきましょう。

中古車を購入する場合の傷やヘコミの考え方について説明していきます。

傷やヘコミを理由に値引きはしてもらえない

中古車は傷やヘコミを修理せずにそのまま店頭販売している事が多くあります。あまりにも醜い状態であれば、車両本体価格に修理費用が含まれている事もあり、通常の車両本体価格+諸費用で大きい傷が直してもらう条件で購入する事ができます。

傷やヘコミがあった場合の修理代金は、最初の段階で必ず販売店に確認をしておくようにしましょう。

もし、傷の修理代が含まれてなく現状販売が追加費用での修理が必要になる場合に、傷があるから安くしてもらおうと交渉する人がいます。値引き交渉はダメ元でもチャレンジする価値はあるので悪いことではないですが、こういった外装の状態を理由に、中古車の価格を値切るのは難しいのが現状です。

板金修理は自社工場を持っている販売店でも対応できない

ディーラーなど新車も併売しているような所や、大型店で車検などのアフターフォローに力を入れている自社整備工場を持っている販売店でも板金修理だけは、自社でできない事がほとんどです。板金修理は通常の車のメンテナンスとは別の専門的な技術が必要です。

また、塗装を吹き付ける板金修理は他の車に害を与えないようなブースも持っている事が必要で、看板に大きく板金修理などと書いてある販売店を除いて、ほとんどが板金修理は外注委託をしています。

外注に出すと、販売店側のサービスでは中々できない事情があり、値引き交渉をするなら他の事で交渉した方がよいです。

傷やヘコミを考慮した価格設定になっている。

店頭展示している中古車の傷やヘコミは当然販売店側も認識しています。修理をしていない外装の傷に関しては、車に詳しくない素人の人でも簡単に分かってしまう事です。あわよくば誤魔化して、交渉してきた客にだけ価格を下げるような行為は通用せず、傷やヘコミがあるのに、高い価格のまま販売していたら、誰からも見向きもされなくなってしまいます。

こうした背景もあり、傷・ヘコミに関しては修理価格が車両本体価格に含まれていない場合でも、必ず考慮された価格設定となっていて値引きの余地がない事が多いです。

追加修理をするのであれば、安く対応してもらえる可能性も

自社で板金修理を行えない販売店でも、追加費用を払って修理をしたい場合は価格交渉の余地があります。
通常ディーラーや中古車販売店・車検センターなどの、板金を外注している業者は、委託している板金屋に業者価格で修理をしてもらって、そこから利益を上乗せして客に金額提示をしています。

しかし中古車を買うという事が条件になれば、交渉次第では販売店側のマージンをなくした業者価格で対応してもらえるケースもあります。こうした対応をしてもらえれば、買った後に自分で安い板金屋を探すよりも安くて腕の良い業者に修理してもらう事ができます。

傷やヘコミの見方

キズやヘコミがある中古車の購入を検討する時は、それぞれの傷にどれだけ直す価値があるのか?や、後から直そうと思った時にどれだけの修理代がかかるのかを把握しておく事が必要です。

中古車選びの時の傷やヘコミの見方のポイントを紹介していきます。

バンパーの傷は放置しても問題ない

車で一番傷が付きやすいパーツと言われているのがバンパーです。ちょっとしたスリ傷や凹みなどが付きやすいですが、バンパーは他の外装部品と違い金属ではなくFRPを使用しているので、塗装が剥がれている状態で放置していてもその後錆が出てくる心配性がありません。
傷自体が気にならなく、走行に支障が出ない程度のバンパー傷はそのまま気にせずに乗って構いません。

塗装が剥がれて下地がむき出しになっているのは要対応

ぶつけた傷やヘコミが塗装が剥がれてむき出しの状態で放置されてしまうと、時間の経過とともに錆が出てきてしまいます。
更に放置すると、錆は傷の廻りの塗装が残っている部分の内側まで侵食してしまうので、何かしらの対処が必要です。
板金修理をする予算がない場合でも、タッチペンなどで簡易補修をしてもらえないか交渉するようにしましょう。

傷、ヘコミは損傷の大きさではなくてパネルの数が重要

傷、ヘコミによる修理代や評価損は損傷の大きさよりも、何枚のパネルが損傷しているかが重要です。
例えばドア一枚がボコボコになっている状態と、10円傷程度の細くヘコミを伴わない傷が2枚のドアとピラーにまたがってついてしまいっている傷では、圧倒的に後者の方が修理代は高く付きます。

飛び石傷が多い場合

高速走行が多い車はフロントバンパーやボンネットなどに飛び石による無数の小さい傷が付いている場合があります。
傷の数が多いと、一つ一つの傷は小さくても修理する場合は、バンパーやボンネット全体を塗り直す必要性が出てきます。

飛び石による傷が多いのは、悪い事ばかりではありません。綺麗に直そうとすればお金はかかりますが、使用用途が高速走行が多かった事が想定できます。街乗り中心の車よりも高速走行が多い車の方が、走行距離に対するエンジンや足廻りの痛みが少なく、走行機関の程度が良い可能性が高いです。