中古車を買う時に、最も避けておきたいのが事故車や修復車を買ってしまう事です。ディーラーや大手チェーン店など、信頼度が高いと言われている販売店でも、修復歴の見落としがある中で売りにでているケースは実際によくある事です。
大手であれば、購入後にクレームを言えば対応してもらえる事もありますが、諸費用などを含めて全額返金してもらえるとは限りませんし、返品したら交通手段がなくなってしまうなど、デメリットも非常に多いです。まずは中古車を検討する時に、自分自身の目で最低限の確認をしておくようにしましょう。
事故車や修復車の違いや定義は
中古車でよく聞く事故車や修復車の違いはしっかり把握しておきましょう。一番世間に浸透している呼び方は「事故車」ですが、事故車とはそもそも明確な定義がなく、事故を理由とした難アリ車全般で使われている事が多いです。
厳密には事故車とは主に事故現状車と修復車に分かれます。その他水没車や水害車といった本来は修復車に分類されない車も事故車というカテゴリーとして世間に浸透している傾向があります。それぞれの主な内容や世間での認識のされ方を紹介します。
事故車
厳密にはその名の通り、事故を起こした車になります。事故の度合いは大小にかかわらず、全損の状態でも、バンパーをこすっただけでも呼び方は事故車が適切です。
事故現状車
事故を起こして修理をしていない車です。一般的には修理をしても修復歴になってしまうような大きな事故を起こして、そのままの状態の車を事故現状車と呼ぶことが多いです。
修復車
修復を必要とする大きな事故を修正修理などして、直した中古車です。見た目は綺麗に直っていても、主要なフレーム関係の部品が変形し、それを修復した車は全て修復車となり、フレーム剛性や走行性能に不安を残している状態となります。
廃車・解体車・使用済み自動車・部品取り車
呼び方はいくつかありますが、再び中古車として再販する事が難しい車です。廃車など商品車として価値がなくなってしまう理由には、事故を伴う場合や、故障、走行には問題ないが外装がボロボロ。年式や走行距離の都合で市場価値がなくなった車などさまざまなパターンがあります。
水没車・水害車
主にエンジンよりも高い位置まで冠水してしまった車です。厳密には事故車とは区別されていますが、同じカテゴリーとして扱われる事も多いです。
違法改造車
車検を通せない違法改造をしている車。人気がなかったり個性が強すぎるカスタムは価値が低いですが、人気カスタムをしている車は、そのまま車検に通せない状態であっても、高値で取引される事もあります。
中古車を選ぶ時は修復車と水没車を見極める事が重要
中古車を選ぶ時には事故現状車や違法改造車は一目みて分かりますが、修復車は上手に直してあると、業者の査定スタッフが見ても見落とす事があるくらい難しく重要なポイントになります。少しでもリスクを緩和させる為にも、ある程度は自分で修復車の典型事例くらいは把握しておくようにしましょう。
修復歴を見極める3つのポイント
修復車かのチェックのやり方については、「中古車のチェックポイント」にて項目別に詳しく紹介しています。修復歴がないかの確認は厳密に行えば、かなり多くの項目があり、検討する中古車1台ずつ全てをチェックしていくのは難しいです。修復歴を伴う事故は、大きく分けて3つのパターンに分かれています。
最低限、主要な3箇所の状態だけでも確認できていれば、修復車を買ってしまうリスクは大幅に軽減されます。
ボンネットまわり
前面からの事故を起こしたら、必ずボンネット廻りに影響がでます。
目に見えるフレームの歪みや主要ボルトを確認しておきましょう。
Bピラー
後部座席用のドアがある車(4ドア車のセダンや5ドア車のハッチバックワゴン等)には、全席と後席のドアの間にBピラーと呼ばれる柱のようなものがあります。側面の事故で修復歴を伴う大掛かりな内容であれば、Bピラー周辺に影響が出ている事が多いです。
サイドドアそれぞれの開閉のスムーズさや、Bピラーの状態、後席のドアの取り付けボルトの状態などを確認しておきましょう。
リアゲートとエンドパネルの接合部
エンドパネルとは、車内最高部のトランクスペースなどのスペースの土台となっているフレームです。
後方からの事故で衝撃が強いとエンドパネルは潰れてしまい、それを引き伸ばす作業をした場合は、最後部のリアゲートなどとの接合部付近に修復歴の形跡が残っている事が多いです。
トランクスペース付近のフロアマットや内張りを剥がしてみて、板金跡がないかを確認しておきましょう。