新古車とは、主に登録済み未使用車など、中身はほぼ新車で販売店の名義で一度登録をした車の事を言います。詳しくは「新車と中古車の違い・中古車の定義」でも紹介しています。
通常の新車よりも安くお買い得に買える事から、新古車を狙っている人も多く、近年では増加傾向になっています。新古車を買う場所は、主に新車ディーラーが多いですが、それ以外の方法で業者用オートオークションで購入する事も可能です。
業者用オートオークションについては「中古車の流通はオートオークションが主流」や「カーオークションに参加する方法」のページでも詳しく紹介していますが、個人が単独で利用する事は難しく、代行業者を利用する事が一般的となっています。
オートオークションに新古車が出品される理由
新古車の中でも、登録済み未使用車は主に新車ディーラーが、メーカーからのノルマ達成による奨励金獲得の為に、一度販売会社名義で登録されます。通常はその後、新車ディーラーである販売会社が自社で販売するのが一般的ですが、店頭販売をせずに、オークションに出品される事がよくあります。
その理由は、一度登録をした新古車は在庫リスクが大きいからです。新車と比較される事が多い新古車は、1ヶ月売れなかっただけで数万円単位で中古車としての価値が下がると言われています。また、新古車を買いに来る客は更に値引き交渉をしようとしてくる客も多く、商談に時間がかかると言われています。
こうしたリスクを背負って店頭販売するよりも、確実にそれなりの値段で売れる業者用オークションに販売会社が出品する事はよくあります。
営業マンやディーラーの店長が個人的に購入した登録済み未使用車はオークションに出品される
新古車は、販売会社がメーカーからの奨励金目当てで登録される車だけではなく、販売店の店長や、営業マンが自ら新車を社員価格で購入して、台数稼ぎをする事もあります。
営業マンや店長も、販売店と同様にノルマに追われていて、店舗目標や個人目標を達成する事で、奨励金をもらえる事もあります。その他にも、あまりにも売れない営業マンが会社をクビにならないように点数稼ぎで買う場合もあります。
こうして、購入・登録をされた新車は、会社としてではなく、個人として買った車ですので店頭販売をする事ができません。そこで、登録をしたらすぐにオークションへ出品される事があります。
ディーラーで購入する場合と、オークションで購入する場合の違い
総額は、内容次第で変わってくる
新古車を買う時、ディーラーとオークションではどちらが安いのかが大きな焦点となります。業者用オークションはディーラーの店頭販売価格よりも安く落札できる事が多いです。
しかし、オークション代行手数料や陸送費用・名義変更費用などで、結果的にディーラーで購入するより高くなるケースもあります。陸送や名義変更を自分で行ったり、オプションパーツを安く購入するなどの手間がかけられる人はオークションで買った方が総額が安くなる傾向があります。
新古車は法定点検を受ける事で、保証継承をする
新古車は新車と同様にメーカー保証が付いてきますが、保証継承を利用するにはディーラーに行って法定点検を受ける事が条件となります。中身が新車ですので、点検しても悪い所は出てきません。それでもルールとして、ミドルクラスで1万5千円前後の法定点検を受けないと保証継承ができない仕組みになっています。
ディーラーで購入した場合でも、法定点検の手数料は計上されるのが一般的ですが、納車時には既に保証継承された状態で納車されます。オークションで買った場合は、代行業者に依頼しない限り、自分でディーラーに行って法定点検と保証継承を受ける事が必要になります。
オークションで買えば、事故車や展示車を見極められる
新古車は全てが、奨励金目当てで登録された未使用車ではありません。中には新車の輸送中などで事故を起こして売れなくなってしまった車種や、数ヶ月に渡って展示車として使用されていたケースもあります。
ディーラーで買う場合は、新古車になった経緯を説明してもらえないケースや、都合の良い嘘を付かれる事もあります。オークションであれば、プロの検査員が、新古車の中でも「S」、「6」、「5」くらいまで状態に応じて評価点をつけ、板金跡なども出品表に記載されるので、信頼度の高い新古車を買う事ができます。
オークションの評価点については「中古車の評価点って?主に業者用オークションで使われている評価点の見方とは」のページでも詳しく紹介しています。