ぶつけた車を板金業者や塗装業者に依頼する場合、業者によって値段が大きく違ってきます。

一例を紹介するとバンパーを一本塗るだけでも安い業者では1万5千円〜2万円程度でやってくれますが、高い業者では4万円〜5万円ほどの料金を取られます。バンパーではなく、大掛かりな修理になると、同じ内容でも数万円〜数十万円という単位で業者によって価格差が発生します。

これは高い業者がボッタクリという訳ではなく、塗装業者は板金職人の技術料で値段が大きく変わってきてくるからです。
当然安い業者でも腕の良い職人はいますし、高い値段を取っている業者でも、見習いの若手が精度の低い塗装で仕上げてしまっている場合があります。

自分が乗っていた車をぶつけてしまった時は、値段と信頼性などで業者を選ぶ事は大切ですが、中古車を選ぶ時は、安くて腕の悪い業者で修理した車は避けるようにしましょう。

状態の悪い塗装の見分け方

板金修理は修理した直後は、修理したのが分からないくらい良い仕上がりでも、時間の経過とともに、未補修の部分と色の違いなどが出てきてしまいます。

これは腕の良い業者でも少なからず、同様に違いは発生し、長い期間で見ても完璧な修理をする事は、新車で購入直後の修理などを除いて理論的に不可能です。しかし安い業者の塗装と腕の良い業者の塗装では、時間が経つほど、その差は顕著に現れてきます。

こうした事情から、修理した塗装の状態が悪くなるには、腕の良い業者で長時間経過したケースと、腕の悪い業者で一定期間経過した場合の2種類ある事を覚えておくとよいでしょう。

晴れた日の日中に見る事が重要

塗装の色の違いが一番分かりやすいのは、晴れた日に直射日光が当たった時の反射です。

夜に工場の証明などで明るくした状態で確認していていも、晴れた日の屋外で見ると、全く違う印象になってしまう事もあります。
悪い塗装は光の反射が一番重要ですので、なるべく晴れた日の日中。可能であれば日が当たる場所で確認するようにしましょう。

遠くから他のパネルと比べて見る

塗装の状態を見る時は近くから見ても分かりづらいです。必ず一定の距離を取り、車全体を見ながら、他のパネルと色が違う事はないか?一つのパネルで右側と左側で色が違ったりしていないか?などを重視してみるようにします。

正面から見るよりも、少し角度を付けて見た方が、光の反射の仕方に差が出て分かりやすくなります。それぞれのパネルをさまざまな角度から確認するようにしましょう。

曲線部分と、パネルの中央部分を重点的に見る

塗装の悪い状態が現れやすいのが曲線部です。平な所よりも均等に塗料を吹きかけるのが難しい場所で、腕が悪い業者が塗った場合は塗装の荒らさや光の反射の仕方が変わってきます。

もう一点ポイントを挙げると、バンパーやドアなど大きいパネルの場合は中央付近の平坦な部分です。

中央で平坦な部分は塗装自体はやりやすい場所ですが、部分塗装している場合は、パネルの真ん中付近でボカしをかけている事が多いです。部分塗装は、傷が付いた所の回りだけボカしていると感違いしている人も多いですが、部分塗装のボカシはなるべく平で広い部分で行うのがセオリーです。

例えばバンパーの角だけをぶつけた場合、最低でもバンパーの真ん中から半分は全て塗装をし直しています。こうした塗装の特性を理解して、塗装状態をチェックするようにしましょう。

安い業者は見えない所で粗さが

安い業者でも仕上がりの段階で、あからさまに状態が悪ければクレームとなり商売になりません。パっと見て分からない程度には仕上げられるのが、安い塗装業者の最低水準の腕です。しかし安い業者では、目が付きにくい細かい部分に仕事の粗さが出ます。

例えばドアをやった場合はドアを開けた時の内側の淵の部分だったり、サイドステップやバンパーのやフェンダーの場合は下端など、下からしゃがみこんで見ないと分からないような、部分は仕事の粗さが残っている場合があります。

それぞれの部品の端っこや内側など、目の付きにくい所ほど、細かくチェックするようにしましょう。