中古車は1台1台に状態の違いがあり、全く同じ中古車は存在しません。しかし相場は存在していて、同等の条件であれば、どこの販売店でも相場に沿った価格設定をしています。中古車を選ぶ時は大体の相場を理解して検討する必要があります。
中古車の相場を決める要素
中古車の相場は需要と供給で決まります。人気がある車種や条件が揃っていれば買いたい人が多くいるので、高値で流通しますし、買いたいと思う人が少なければ相場は下落していきます。
人気の条件は多数ありますが、相場に大きな影響を与える項目としては「車種」「グレード」「年式」「走行距離」の4つで決めます。
ネットの中古車検索サイトを利用して、上記の4点で絞込みを行えばおおよその相場を調べる事ができます。それぞれの項目ごとにポイントを紹介いたします。
車種・グレード
人気車種であれば、必ずしも相場が高いとは限りません。中古車相場を決める要素でもう一つ重要なポイントとなってくるのが「タマ数」です。新車販売で大ヒットした車種でも、3年や5年経過して、売る人が多ければタマ数が多く供給も多くなる事で中古車相場は安くなる事もあります。
限定車や受注生産車など、希少性が高い車種やグレードは、新車時に売れた台数が少なくても欲しがる人が多ければ中古車相場は高騰します。
車種の他グレードも重要で、中古車の場合は必ずしも上級グレードが高くなるとは限りません。特に排気量が違うグレードの場合は燃費も維持費も安い、低排気量のグレードが、新車価格が高い大排気量のグレードよりも中古車相場が高くなる場合もあります。これを逆転現象と言います。
この他、例を挙げるとオデッセイのアブソルートやセレナのハイウェイスターなど、上級グレードが下位グレードよりも中古車で圧倒的人気を誇るケースもあります。中古車相場は新車時の値段ではなくて、需要と供給のバランスで変わる事を理解しておきましょう。
年式
高年式であればあるほど、中古車相場は高くなります。単純に何年落ちという項目だけではなく、車種に連動してモデルの型によっても変わってくる場合や、現行車種の有無で変わってくる場合もあります。
3〜4年経過していても、現行モデルであれば、相場落ちは少なくなりますし、1〜2年でもフルモデルチェンジを行い現行車が新型に変わった場合は型落ちとなる中古車の相場落ちは多くなります。
最新モデルであれば高いという訳ではなく、一部の車種では生産終了して同等のスペックの車が発売されなくなった場合では、プレミア価値が発生して、年式が古くなっても中古車相場が下落しないケースもあります。
例を紹介すると、マツダのRX-7の場合はロータリーエンジンのターボ車が新車で買えなくなった事もあり、新車販売が終了した後も中古車相場は高騰を続け、その後発売した新型のRX-8よりも相場落ちが少ない状況が長く続きました。
中古車を選ぶ時は年式は新しい方がオススメですが、一部車種では必ず年式と中古車相場が連動しているとは限らない事を理解しておきましょう。
走行距離
中古車相場を決める項目の中でも、一番ブレる要素が少ないのが走行距離です。走行距離は当然少ない方が良く、低走行の中古車は相場も高いです。
中古車相場に与える影響としては、走行距離よりも年式の方がウエイトは重くなっていますが、それぞれの年式の中古車の中では走行距離が少ない方が相場は高くなります。
走行距離はおおよそ、「1万km未満」「1万km〜3万km」「3万km〜5万km」「5万km〜8万km」「8万km〜10万km」「10万km以上」などで相場が変わってくる傾向があります。
中古車は10万kmを超えると相場が大きく落ちると言われていますが、節目の10万kmが現実味を帯びてくる8万kmくらいから下落幅は拡大していきます。
一部車種などで、海外輸出に人気が高い車種。例を挙げるとトヨタのランドクルーザーやハイエースなどは、走行距離が多くても高値で流通している場合もあります。
その他の要素
上記以外にも中古車の価格を相場を決める項目は多数あります。
一例を紹介していきます。
・車検残
車検が長く残っている車種は諸費用が安くなるので、相場は高くなります。
・ボディーカラー
白や黒などの無難な色ほど相場は高くなる傾向があり、赤や青など好き嫌いが分かれる色は安くなる傾向があります。
一部、イメージカラーが強い車種(例:インプレッサWRXの場合は青・フェラーリの場合は赤など)では特定のボディーカラーが高く、
その他の色が安くなる場合があります。
・カーナビ
高年式の中古車ほど、カーナビの有無や型番で価格は変わり、年式が低くなるとカーナビがあっても、なくても価格差は少なくなります。
・外装・内装の状態
それぞれの状態の程度によって、中古車の価格は変動します。相場よりも安い中古車は状態が悪い可能性が高くなります。
・修復歴
ここまで紹介している内容は全て修復歴がなし。という事を前提にしています。修復歴ありですと、他の項目で好条件が整っていても、
中古車相場は大きく下落します。