中古車販売店は、大手チェーン店から小規模の個人経営店などがあり、お店選びが重要になってきます。
一般的な優良中古車業者の見極め方は「中古車を買う時のお店選びの重要ポイント」「悪徳中古車販売店に騙されない為のチェックポイント」のページで紹介しています。
ここでは、車の業界人目線ならではの、少しマニアックな優良中古車業者の見極め方を紹介します。
業者用オートオークションの会員取得状況を聞いてみる
「中古車の流通はオートオークションが主流」のページでも紹介している通り、中古車販売店ではほぼ必ず、何かしらの業者用オークションの会員を持っています。
オートオークションは会場ごとに傾向が違い、業者目線であれば取得している会員で見極める事が可能です。オークション会員には、現車会員とネット会員があり、現車会員であれば、入会審査と10万円の保証金を預ければ、年会費無料で会員を維持する事ができます。
長年中古車業界で活躍している中古車業者であれば、複数の現車会員をもっていますが、目先の利益ばかりを優先する悪質店では、10万円の保証金を出し渋ったり、状況によってオークション会場を使い分ける事を面倒くさがり、一部のオークション会員しか取得しない事もあります。
可能であれば、地域にもよりますが複数の業者用オークション会員を持っている業者ほど、優良業者の可能性が高いと言えます。
また、客から利用できるオートオークションを聞くと、仲の良い業者が持っているオークション会員も含めて回答する場合があります。要望を確認せずに、色々使えるけど、オークション代行なら、ここがオススメ・安い手数料でできる。などと説明がある場合も注意が必要です。
大手業者用オートオークションの種類と特徴
USS
国内最大手のオークションです。業界では「ユーエス」と略して呼ぶ事もあります。全国各地に大規模なオークション会場を持っていて、地域を問わず、優良店であれば会員になっている事が多いです。
会員審査は他のオークション会場に比べて厳しく、独立したネット会員に申し込まないと利便性が低い為、悪質業者や、小規模業者では取得していない事も多いです。
USS会員を持っているというだけで、ある程度信頼できる業者となっています。
アイオーク
アイオークとは、業者向けの業者用オークション代行サービスの事です。具体的には、業者はアイオークにさえ加入すれば、全国各地の業者用オークションからアイオークを仲介する事で落札する事が可能となります。取り扱いオークション会場は、USS以外のほとんど全てのオークション会場となっています。月額費1万円ほどで入会する事が可能で、入会審査はオークション会場に比べて緩くなっています。
オークション会場に行く事なく、さまざまなオークションに入札する事ができるメリットがありますが、通常の現車会員よりも手数料が高く、例え近くの会場であっても、アイオーク指定の陸送業者を利用する事が条件となります。取り扱い会場の落札相場情報や出品情報がネットで閲覧できるので、現車会員と合わせて、取得している業者も多いです。
アイオークだけしか持っていない業者は、中古車販売を主としない整備工場や個人の片手間で中古車売買をやっている人などが多いです。
アライオークション
会場は、小山(栃木県)、仙台、横浜、福岡の4ヶ所に会場を持っています。
有名なのは小山会場のバントラ開催で、トラックや商用車・中古建機やトラクター・フォークリフトなど、バントラに限定すれば全国最大級の規模を誇ります。
その他の会場は4輪(一部2輪)乗用車主流ですが、海外輸出を目的としたバイヤーも多く、商用車や事故車などが高値で売れやすいとされています。
関東・東北の業者であれば、アライオークションを持っていれば、幅広い車に強い業者だと判断できます。
その他のオークション
TAA(トヨ)やNAA(日産)、HAA(ホンダ)などのメーカーが主催しているオークション会場や、JUのオークション会場などが大手で、その他小規模のオークション会場や、入札会を行っている所は全国各地にあります。
それぞれ地域性も出てきますので、一概にどこを持っていれば良い。というのはありませんが、USSなども含めて、複数のオークション会員を持っていると信頼性が高いといえます。
ローンの取り扱いを確認する
中古車販売店はローンを扱っている事は一般的ですが、主に自社で融資をするのではなく、信販会社の取次店として、ローンサービスを行っています。優良業者を見極めるポイントとして、取り扱いがあるローンの信販会社で判断する事も可能です。
信販会社の取次店(代理店)になるには、維持費はかかりませんが、代理店になる為の審査が必要になってきます。ディーラーなどでは、複数の信販会社を扱っていますが、小規模の代理店では1社しか扱っていない事が多いです。
車のローンの審査は、1度落ちても審判会社を変えるだけでローンが通るケースもあります。中古車販売店として、なるべく複数の取り扱いがあった方が、中古車を販売するのに有利になっていますが、悪質店や小規模店・まだ若い企業などでは複数社扱いたくてもできない事情があります。
主な自動車ローンを扱う信販会社
オリコ
販売店が扱う自動車ローンの定番です。特に中古車販売店では、ほとんどの業者が取り扱い可能となっています。比較的取次店(代理店)になる審査が緩く、法人を持っているだけで簡単に取次店になる事ができます。
ジャックス
オリコと並んで、自動車ローンを扱う大手です。新車ディーラーでは取り扱える事が多く、評判も高い信販会社です。取次店(代理店)になるには、審査が厳しく、立ち上がったばかりの法人や小規模の販売店では審査に通らず、取り扱いができない事も多いです。取次店になるのが難しいと評判になっている事から、オリコだけを扱えるようになって、満足してしまう業者も多く、代理店になる事を申し込みする前から断念してしまう業者も多いです。
セディナ
自動車ローンを扱う信販会社としては、大手となり、元々はクオークという信販会社が自動車ローンを扱っていて、その後合併によりセディナとなりました。
クオーク時代では、審査が非常に緩いと評判でしたが、その後経営が悪化して、審査が厳しくなり、合併前後では、スタッフの入れ替わりが非常に激しかった経緯もあり、現在では人気自体はオリコ・ジャックスに劣っている傾向があります。
取次店(代理店)になる難しさは、オリコとジャックスの中間くらいと言われていますが、クオーク時代から扱っている販売店を除いて、新規で取次店になろうとする業者が少ないのも現状です。
信販会社から分かるまとめ
取り扱いがある自動車ローンで、中古車販売店を判断する時は、オリコだけではなく、ジャックスまで取り扱いがあれば、それなりに信頼できる業者といえます。
オリコ・ジャックスの取り扱いがなくても、2社以上の取り扱いがあれば、そこそこ信頼はできます。オリコだけの場合は、全ての業者が悪質という訳ではないですが、実績が少なかったり、小規模の業者の可能性が高いです。