「廃車をするには、お金がかかる」と認識している人も多いでしょう。

実際、廃車依頼すると、お金を支払わなくてはいけない業者も多く存在しています。
しかし廃車することで、お金に還元する事ができます。

手数料を要求している業者は、実際のところはボロ儲けをしていることもあるそうです。
廃車を優良業者に売却すると数万円の値段を付けてくれる事もあるのは、廃車がお金になるカラクリがあるのです。

回収された廃車は解体屋へ

車の解体は、解体業の免許を持っている廃車専門の解体屋でしか作業を行えません。
解体業を営むには、工業地帯や山奥などの場合がほとんどです。

通常買取業者や販売店がある住宅街や商業地域で行う事ができないのに加えて、近年解体免許の新規取得が厳しくなったので、買取から解体まで自社でやっている業者はほとんどありません。

販売店や買取業者が引き取った廃車は解体屋さんに引き渡されて、解体屋が廃車を買取お金を払う事で業者側が儲かる流れになっています。

解体屋は何故利益ができるの?

解体屋が廃車を処分して儲かるのには、次のようにいくつかのパターンがあります。

  • リサイクル券の預託分の徴収
  • スクラップ業者に鉄として引き渡す
  • 部品として販売する

リサイクル券の預託分の徴収

解体業者が必ず利益とする部分です。
自動車リサイクル法の施工により、車は購入時には必ず解体時の費用にあたるリサイクル費用を先払いで預託しなければいけません。

解体作業を行う業者は作業を行い申請する事で、預託相当額のお金を受け取る事ができます。
エアバックやエアコンなどの車ごとの装備によって預託金は変わってきます。

スクラップ業者に鉄として引き渡す

解体された車は、その後スクラップ業者に引き取られます。
鉄としての資源価値があるので、プレスされるなど原型をとどめていない車でも鉄の重さによってお金に変わります。廃車がお金になる最大の要因は、この「鉄としての資源価値」です。

車体が大きく、重量が重い車ほど高値が付きます。鉄の価格は常に変動していて、スクラップ屋で最終処理された鉄などは海外へ送られる事も多いです。
そのため、鉄の値段は為替の影響も大きく受け、廃車につく査定価格も鉄の値段によって大きく変わってきます。

また大規模な解体屋では、自社で産業廃棄物の最終処理まで行っている事もあります。

部品として販売する

解体業者はリサイクル券で預託されているエアバックやエアコン、そして解体業として最低限定められているガソリンタンクの取り外しや、タイヤ及びホイールの取り外し等の簡単な作業で、処理を完了する事もできます。

しかしほとんどの業者が、エンジンはもちろんオルタネーターやエアコンのコンプレッサー等細かく分解する作業をしています。これを中古部品として販売する事で利益を得ています。

リビルト部品(リサイクル部品)の加工業者が買ったり、自社でネット販売をするなどさまざまな方法がありますが、最も多いのは外人バイヤーへの売却です。海外輸出用の部品として、日本全国で外人バイヤーは解体屋に営業をかけていて、部品ごとに数百円~数千円で買い取っているのです。

解体屋によっては自社でコンテナヤードを併設して、自ら中古車部品を海外輸出して売っている事もあります。ドアやボンネットなどの大掛かりな部品から、廃タイヤなどの幅広い物が海外では高い需要があります。