解体業者は、廃車で引き取った車を必ずしも解体処理しているとは限りません。
中には、廃車として引き受けた車を、転売してしまっている事もあります。
車の名義変更は原則車検証と旧所有者の印鑑証明・委任状さえあれば可能です。
これらの書類は解体依頼の時には必ず預けているので、解体屋は買い手が付けば転売してしまう事が可能なのです。
廃車を転売されるケース
主な買い手は外人バイヤー
解体屋から車を最もよく買うのは外人バイヤーです。
全国どこの解体屋でも、必ず頻繁に外人バイヤーが買い付けにきています。
通常は解体してバラした部品を販売しているのですが、気に入った車が入庫していた場合は交渉を行い、条件が合えば解体で預かった車をそのまま買っています。
ディーラーからの入庫車については手を出さない事も
解体屋の仕入先のメインルートは、ディーラーからの依頼車が多い傾向があります。
ディーラーの場合は、永久抹消や解体届出の処理をディーラー側で行い、戻り税などはきっちり元のオーナーに返還している所が多いです。
ディーラー入庫車の場合は、後に転売した事が原因でクレームになると大きな仕入れ先を失うリスクがあるので、解体屋も仕入れ先に応じて転売するかを判断している事があります。
事故車は板金屋に転売する事があり
事故車は板金修理の費用を考えると、廃車を選ぶ人も多いです。
こういった車は、材料費だけであれば自社で修理できる板金工場などに、解体屋から営業をかけている事もあります。仕事が途切れている解体工場は綺麗に直せば、転売にしたり工場の代車にする事ができるので、喜んで買っている場合もあります。
数が多い車種では、他の解体車のドアやボンネットなどを併せて提供している事もあり、俗に言うニコイチ車両(2つの車で1台の車を作る)を前提に転売していたりもします。
もしも解体に出した車が転売されている事に気付いたら
「解体依頼に出した車が転売されて他で乗られている」ことは、車業界ではよくある事です。もし解体に出した自分の車が転売されている事に気づいた場合は、解体を依頼した業者に交渉をしてみると良いでしょう。
仮に転売されていたとしても、その車に査定価格を付けてもらう事は難しいのが現状です。ポイントとなるのは「解体を依頼する際に費用が請求されたか」です。解体費用として手数料を支払った場合でしたら、手数料や、リサイクル預託金相当額も返金交渉を行う事ができます。
解体されたか自分で確認する
解体依頼に出した車はネット上でも進行状態を確認する事ができます。
(自動車リサイクルシステム ホームページ http://www.jars.gr.jp/)
このサイトから、自動車ユーザー向けのページに行き、廃車に出した車の処理状況を確認します。
遅い場合は解体に出してから1ヶ月ほど時間がかかる事もありますので、ある程度の猶予期間を持ち、一向に処理される気配がなければ問い合わせをしてみましょう。依頼した解体業者で解体処理が行われていない場合は、リサイクル預託金等の返金交渉ができる場合があります。
廃車に出す場合は、車検証とリサイクル券のコピーを取っておくと良いでしょう。また可能であれば、契約書や解体依頼書などの書面を交わしてくれる業者を選ぶと安心だと言えます。