車の査定額と走行距離は密接な関係にあります。

原則は走行距離が多ければ多いほど査定額は下がっていきますが、車種や環境に応じて、走行距離と査定金額の関係は変化していきます。

高年式であれば、走行距離が多くても評価される

高年式の車は走行距離が多くても査定額が落ちにくいと言われています。これは高年式過走行の中古車を狙っている買い手が多い事が要因となっているのです。

どのような人がこういった高年式の車を狙っているのでしょうか。
ここでは走行距離が多い高年式の車を買う方々の行動を解説していきます。

新型車が安く乗れる

見栄っ張りの人であれば、予算内でよりブランド力が高い中古車を求めます。
この場合に一番妥協しやすいのが走行距離になります。

「走行距離が少ない型落ち車よりも走行距離が多い新型車に乗りたい」「走行距離が多くても良いので、上級車種や上級グレードの車に乗りたい」という需要があることから、高年式の走行距離が多い車種は査定額の減点が少なくなります。

走行距離が多くても車の痛み方が少ない

「高年式で走行距離が多い車の場合は高速走行が多い」「田舎など信号待ちが少ない環境での使用が多い」などの使用用途が考えられます。

走行距離は同じ距離でも乗り方によって、エンジンをはじめとした各部品の摩耗状況は変わってきます。走行距離に対して車の負担が少ない乗り方をしていた事が想定できる高年式過走行車は高く評価される傾向があります。

輸出される中古車は走行距離は関係ない

国内で販売される中古車は走行距離に応じて大きく市場価値が変動しますが、海外に送られる中古車に走行距離はほとんど影響しません
仮に5万km走っている車と15万km走っている車でも、車種と年式・グレードが変わらなければ海外での評価額はあまり変わらないのです。

年式を問わず言える事ですが、5年以内など高年式の車は海外輸出の規制を受けにくいという利点からオークション相場が高くなり査定額も高くなります。

低年式ほど走行距離が多い車は査定額が下がる

中古車は、走行距離が多くても高年式であれば長く乗れると評価されるのと同様に、低年式であっても走行距離が少なければ長く乗れると評価されます。

しかし低年式かつ走行距離が多い中古車は、長く乗れる見込みが少なく、査定額が付かない不人気条件となります。

排気量が大きいほど走行距離の影響を受けにくい

タイヤをはじめとした駆動系については、走行距離の影響を大きく受けますが、車で最も重要な部品でもあるエンジンは、走行距離ではなく、エンジンの回転数の影響を大きく受けます。

そのため、排気量が小さい車と大きい車では、同じ走行距離でもエンジンの痛み方が変わってくるのです。

軽自動車などのエンジンを回して走るような低排気量の車は、7万kmあたりを超えた時点で査定額は大きく下がっていき、タイミングチェーン装着車であっても15mkほど走るとエンジンの寿命が来る事が多く中古車としての価値はほとんどなくなります。

それに対して大排気量の高級セダンなどであれば、メンテナンスさえしっかりしていれば、20万km、30mk平気で走ってしまいます。10万km程度ではまだまだ乗れる車と評価されて高値で取引される事が多いので、査定額も下がりにくくなります。