中古車の査定には新型モデル車やライバル車の登場により、大きな影響を受ける事があります。

車というのは、日進月歩で常に進化を遂げています。今乗っている車のモデルよりも優秀な新型車が登場すれば、中古車としての価値が大きく下がってしまう事もあるのです。

一番大きな影響を受けるのはエクステリア

同じ車種やライバル車のモデルチェンジなどで最も影響を受けるのはエクステリア(外観)です。
新型者の登場により、それまで乗っていた車の古っぽさがどれだけ出るかがポイントとなります。

メルセデスベンツ Eクラスの例を見て、モデルチェンジ(特にエクステリア)と中古車相場の関係を見てみましょう。

メルセデスベンツ Eクラスの例

現行のベンツEクラスは4代目になり、これまで7年周期でモデルチェンジをしてきました。

2代目(W210)から3代目(W211)にモデルチェンジをした時は、エンジンやブレーキなど大幅な改良が行われましたが、2代目のシンボルでもあった丸目片側2灯のヘッドライトの形は引き継がれました。従来の形のイメージを維持した事で、2代目の中古車は大きな相場の下落がありませんでした

しかし、3代目発売の翌年にライバルのBMWの5シリーズがフルモデルチェンジを行い、従来までのタレ目風でドシっとした感じのエクステリアから、鋭い目つきのヘッドライトをはじめとしたシャープなデザインに一新しました。

ライバル車が当時の流行の流れに乗った外観の新型車を出した事で、それまで値落ちがなかった2代目Eクラスは一気に古い型という印象が出て、中古車の相場の下落が大きくなりました。

その後、Eクラスは現行の4代目(W212)にフルモデルチェンジを行い、2代目から受け継がれていた丸目のヘッドライトを菱形ひ変更して、大きなエクステリアの変貌を遂げました。これにより新型車の登場により1代型落ちになる3代目の中古車相場の下落幅は大きめになりました。

以上のように、新型車やライバル車のモデルチェンジが行われる時はどれだけ、今乗っている型の車と外観のイメージが変わるかを見極める事が重要になります。

近年は運動性能よりも燃費性能重視


従来、新型車が出たときにポイントとなってくるのは、エンジンの馬力やサスペンションの仕組みなど、運動性能に関係する部分が重要視されてきました。

しかし近年は、ガソリン価格の高騰、そして新型車の著しい燃費改善が要因となり、燃費性能がスペックで一番重要視されるようになっています。

新型車の燃費がそれまで乗っていた車よりも大幅に良くなると、中古車としての価値が下がり、燃費性能さえ変わらなければ、例え他のスペックが向上していても値落ち幅は少なくなります。

また、最近流行のハイブリッド車などでは、ハイブリッドシステムの型式が変わった場合に型落ち車に大きな影響を与える傾向があります。ハイブリッドシステムは新型が出ると、燃費が良くなるだけではなく、小型化や放電制御の発達などで走行用バッテリーの寿命や交換価格が大きく変わってくる事もあります。

新型車の情報に敏感になる

周りの車の影響により車の査定価格が値落ちする事を防ぐには、新型車除法に敏感になっておく事が大切です。雑誌やネットでは新型車の開発段階やモーターショーへの出品時点から、モデルチェンジの時期やスペックの予想をしています。

発売時期3ヶ月前くらいになると、より詳しいスペックや外観の写真が公開されるようになります。こうした情報に敏感でいる事で車を高く売るタイミングを逃すリスクを軽減します。

モデルチェンジ周期を考える

車を購入する時点で、次に新型車がいつ出るかを予測しておく事が大切です。

従来は多くの車種で6年ごとにフルモデルチェンジを行い、真ん中の3年でマイナーチェンジを行う事が多かったですが、近年では、人気が高いカテゴリーではモデルチェンジサイクルが狭く、人気が少ない車種ではモデルチェンジサイクルが長くなってきました。

それまでの代替えサイクル情報を見るだけではなく、情報誌やネット等で「次はいつごろ新型車が出るのか」「新しい技術の開発が行われていないか」などを調べて、なるべく自分の代替えサイクルに対してモデルチェンジサイクルがタイミング悪くならないように考慮する事が大切になってきます。