ダイハツ タントはかつて軽自動車の年間販売台数1位を記録(2014年)したこともあるダイハツの主力車種です。その後はN-BOXに販売台数で抜かれてしまいましたが、2019年も軽自動車販売台数ランキングで2位を獲得しています。

タント最大の特徴は助手席側のミラクルオープンドア。助手席と後部座席のスライドドアの間のピラーがなく圧倒的な開放口を演出します。ドア内部にピラー構造を持たせている事で、充分な剛性も確保しています。助手席のスライドを前ギリギリまで動かす事で後部座席では驚く程の居住スペースを作る事ができます。助手席のシートレールはフロアに埋め込んでいるので、前にスライドさせても後部座席のフロアはフラットです。

後部座席にお子様と母親が乗って、そのままベビーカーも助手席を前にスライドさせたスペースに収める事が可能です。インパネ回りはセンターメーターを採用する事で小物の収納スペースも豊富。軽のキングオブファミリーカーと言える1台です。

ダイハツ タントの特徴

車種名 ダイハツ タント(Tanto)
排気量 658cc
グレード/新車価格
L 1,243,000円~
X “スペシャル” 1,408,000円~
X 1,490,500円~
X ターボ 1,589,500円~
カスタムL 1,578,500円~
カスタムX 1,699,500円~
カスタムRS 1,782,000円~
駆動方式 FF/4WD
燃費 WLTCモード18.8km〜21.2km
乗車定員 4名
最高出力 NA38kW(52PS) / ターボ47kW(64PS)
最大トルク NA60Nm(6.1kgm) / ターボ100Nm(10.2kgm)
値引き額 10万円〜15万円
中古車購入相場 狙い目年式 2015年式 75万円〜100万円
中古車査定(買取)相場
3年落ち  65万円〜90万円
5年落ち  40万円〜70万円

2019年にフルモデルチェンジ

2019年7月に4代目へ変わるフルモデルチェンジを行いました。先代からの主な変更点は次の通りです。

  • 安全装置をスマアシから次世代スマアシへアップデート(レーンキープ・自動追従などを追加)
  • 軽量化・高剛性化をした新プラットフォーム「DNGA-Aプラットフォームを採用」
  • 先代の同じ型式のエンジンをアップデートして燃費性能を向上
  • ミッションをD-CVTへアップデート(ベルト+ギア駆動のCVT)

ダイハツ タントのオススメポイント

広い室内空間と多彩なシートアレンジが最大のオススメポイントです。2列目を潰して荷室にすれば大きな荷物で積む事も可能ですが、こうした用途であればN-BOXが一枚上手です。2列目を活かした中での助手席のロングスライドによるシートアレンジなど使い勝手が良い車です。
また、フルモデルチェンジでは運転席のシートスライドを拡大し、ドライバーが足を伸ばして休憩できる環境を用意しました。

このほか、新型シャーシとサスペンションの改良によって軽トールワゴンならではの不安定な弱点を大幅に改善しています。
ぜひ一度ディーラーへ足を運んで試乗してみてください。ライバルのホンダ・N-BOXの場合は、走行中の衝撃を吸収するシートクッションによって乗り心地を改善している仕組みです。
コーナーで横Gをかけた走りをすると、他メーカーの軽トールワゴンに比べた安定性の高さを確認しやすいですよ。

このように幅広いメリットがありますが、メインターゲットは後部座席に小さいお子さんや足腰が弱いお年寄りを乗せる機会が多い人です。ダイハツの中で一番売れている車だけあって、燃費・走行性能・デザイン性・実用性の全てを高く評価できます。オーナーになれば後席の広さとミラクルオープンドアの使い勝手にきっと満足しますよ!

こんな人にはオススメできない苦手なポイント

軽トールワゴンのライバルと比較すれば一長一短が出てくるものですが、主要な比較ポイントはどれも中途半端な印象を受けます。

  • 室内の広さはN-BOXに劣る
  • 燃費性能はスペーシアに劣る
  • タントカスタムのスタイリングは評価が低め
  • エンジン出力は平均的な水準

やはり、選ぶ決め手になるのはミラクルオープンドアによる利便性です。
なお、ミラクルオープンドアはセンターピラーがない影響から、電動スライドドアを付けないとドアの開閉が重たく、助手席側のシートベルトがヘッドレストの横から出てくるデメリットがあります。
後席やミラクルオープンドアの開閉を上手に活用できない方には向いていない車種です。助手席側の電動スライドドアを設定するにはX以上のグレードが必要になってしまうグレード・装備の設定に注意してください。

ダイハツ タントの購入価格・値引きに関して

もっとも車両価格の安いLは124.3万円~ですが、スマアシと電動スライドドアを付ける目的でX以上のグレードを選ぶ方が多いです。
最低購入価格は150~160万円ほどを見ておくとよいでしょう。他の軽トールワゴンと同様にターボエンジンモデルやカーナビ等のオプションを付けた場合、乗り出し価格で200万円を超えることも珍しくありません。

値引きに関してはフルモデルチェンジから1年以上経過して、先代の末期に近い条件が出ています。交渉すれば車両値引きだけで15万円以上が可能。オプション値引きを含めた総値引きは25万円を超えることもあるようです。
値引きしやすい点もタントのメリットですので、購入予算に限りのある方は一度見積を取ってみてください。

ダイハツ タントの中古車価格や査定額

軽トールワゴンはメーカーやモデルを問わず中古市場で高い人気を確保しています。
こうした傾向は従来からありましたが、ここ数年は消費税増税や新車価格の値上げの影響から、従来以上に中古車価格が高騰しています。
3年落ち程度の型落ちモデルに割安感はないので、高年式・低走行の中古を探している方は新車か現行モデルの新古車を候補に入れてみてください。

売る時の査定額も中古車相場と連動して高くなっています。流通価格が高いだけではなく中古販売店での在庫回転率が高い車種です。仕入れを強化している販売店が多いため、売却する際は複数の業者から査定を取るようにしましょう。