ホンダ Nワゴンは、プラットフォームやエンジン、足回りのメカニズムはNシリーズと共通。ワゴンRやムーブなどと同じ軽ワゴンのカテゴリーに分類されます。ベースになったのはライフで、定番の軽としてブランド力を持っていましたが、ライバルに押されていた背景もあり、NーWGNとして新しいNシリーズのブランド力で勝負をしています。
新制御の電動パワステやダンパーなどNボックスに比べてフットワークが軽い走りを実現していて、ライバル車に対しても最大の売りは走りの良さがポジティブポイントです。燃費はクラストップレベルでターボモデルと4WDモデルも優秀な数値を残しています。静寂性も高く、試乗した際の乗り心地を決め手に選ぶ人も多いです。ただ、Nシリーズ第1弾で大ヒットしたNボックスに比べると、勢いがなく販売台数はワゴンRやムーブ、デイズに劣っています。
2019年にフルモデルチェンジをしたにも関わらず販売台数が伸び悩んでいる理由は、N-BOX(Nボックス)のブランド力が高まっていることも関係しています。ホンダの軽を買うならN-BOXを買おうと考える方が多く、ワゴンRやムーブを検討している方でもホンダの比較車種としてN-WGNではなくN-BOXを挙げる方が多いようです。
Nワゴンのエンジンや構造はN-BOXと共通で、低重心・軽量ボディの分だけN-BOXよりも走行性能が優れています。車としての完成度は非常に高いので、軽の標準的なワゴンタイプを検討している方は是非Nワゴンも候補に入れてみてください。
ホンダ Nワゴン(N-WGN)の特徴
車種名 | ホンダ Nワゴン(N-WGN) |
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排気量 | 658cc |
グレード/新車価格
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G・Honda SENSING 1,298,000円~ |
L・Honda SENSING 1,364,000円~ | |
L・ターボ Honda SENSING 1,529,000円~ | |
Custom G・Honda SENSING 1,540,000円~ | |
Custom L・Honda SENSING 1,617,000円~ | |
Custom L・ターボ Honda SENSING 1,694,000円~ | |
駆動方式 | FF/4WD |
燃費 | WLTCモード20.0km〜23.2km |
乗車定員 | 4名 |
最高出力 | NA43kW(58PS) / ターボ47kW(64PS) |
最大トルク | NA65Nm(6.6kgm) / ターボ104Nm(10.6kgm) |
値引き額 | 10万円〜15万円 |
中古車購入相場 | 狙い目年式 2015年式 60万円〜80万円 |
中古車査定(買取)相場
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3年落ち 60万円〜90万円 |
5年落ち 30万円〜50万円 |
2019年にフルモデルチェンジ
2019年8月に初のフルモデルチェンジを行って2代目へ変わりました。主な変更点は次の通りです。
- 丸目を貴重にしたフロントライトなど親しみやすいデザインへ進化
- 軽初のパーキングセンサーシステム標準装備(超音波で後ろの障害物接近を知らせる)
- テレスコピック&チルトステアリング機構を標準装備
- Honda SENSINGを全車標準装備
- 荷室をはじめインテリアの改良
フルモデルチェンジにも関わらず、エンジン・シャーシの基本構造に大きな変更はありません。
実用性を高める装備を追加・アップデートすることで総合力を高めています。
ホンダ Nワゴン(N-WGN)のオススメポイント
Nワゴンのオススメポイントはクラストップのハイパワーを誇るNAエンジンと荷室の広さです。
NAエンジンは58馬力を誇るため、ターボエンジンモデルを選ばなくてもライバル車種より軽快に走れます。
室内空間の広さはクラストップレベルで、2段に分かれたトランクスペースが使いやすいと評判です。
エンジン性能と室内空間に強みがある点はN-BOXと共通。走行性能については軽量で低重心になる分だけN-BOXより優れています。
このほか、フルモデルチェンジによって運転のしやすさと安全性能が向上しています。
荷物をたくさん載せる人をはじめ、通勤用など走行距離が多い方にもオススメです。
こんな人にはオススメできない苦手なポイント
Nワゴンはフルモデルチェンジをしてから販売台数が低下しました。性能面では明らかに進化しているため、人気を下げた要因は先進性を追求したデザインでしょう。
スタイリングは好みが分かれますが、メーカーがシェア拡大を狙っていた女性や法人からの評判は今ひとつ。先代に比べて男性からの需要も減少しています。
このほか、通常モデル(カスタム以外)はアイボリーのシートに対して「汚れが目立ちそう」とファミリー層から敬遠される口コミが見られました。
また、Honda SENSINGとパーキングセンサーシステムを全車標準装備したことで車両価格が割高になった点もネックです。
N-BOXを買う方は価格よりも装備を重視する傾向が強いですが、Nワゴンを買う人は手頃で最低限のグレードを選ぶ需要が高いです。
N-BOXよりランクが下の車種というイメージが根付いたため、見積を出して当初の予算を上回るならN-BOXにしようと考える方が多いのでしょう。
このようにNワゴンの苦手なポイントはデザイン性と価格面のみで、性能や実用性に大きな弱点はありません。
ホンダ Nワゴン(N-WGN)の購入価格・値引きに関して
車両値引きの目安は10~15万円。他メーカーのライバル車種に比べて値引き枠は若干大きいですが、車両価格自体が若干高めになっているので注意しましょう。
最安グレードのGを選んだ場合でも乗り出し価格の目安は140~150万円です。ただし安全装置やパーキングセンサーが標準装備になるため、価格に対する割安感が高いです。
上位グレードにカーナビなどのオプションを付けると180万円を超えることもありますが、購入する方の大半は140~160万円ほどの乗り出し価格にまとめています。
ホンダ Nワゴン(N-WGN)の中古車価格や査定額
型落ちモデルの中古車価格は新型投入後も安定して推移しています。
エンジン・シャーシに変更がなかったことや、旧モデルのデザイン性を高く評価していることが関係しているのでしょう。今後も型落ちモデルが大きく値崩れすることはなさそうです。
新型については、新車の販売台数が落ち込んでいるため型落ちモデルより中古車価格相場が安くなるかもしれません。代替サイクルが短い方は、少し予算を上げてNーBOXを買うことも検討してみてください。
Nワゴンのエンジン性能や実用性自体は高く評価できるので、極端に割安な価格まで落ちる可能性は低いです。
安い中古を買いたい方でも、無理して現行モデルのタマ数が増えるまで待つ選択はおすすめできません。ワゴンRやムーブなど他メーカーのライバル車種と同等の中古車価格・査定額を想定しておくとよいでしょう。