自動車保険は補償内容を手厚いままにしても、被保険車両を運転するドライバーを限定する事で安くする事ができます。
3種類の運転者限定
運転者限定は各保険会社共通して、次の3種類用意されています。
- 制限なし
- 家族限定
- 本人・配偶者限定
保険会社によっては、本人限定と範囲を更に狭くする内容や、子供特約で特定の年齢条件にのみ制限をかける事が可能となります。
運転者制限なしとは
運転者に限定をかけなければ、運転免許を所有している人であれば誰が乗っても事故の際には被保険車両にかけられている任意保険で補償がされます。
友人や知人に対しても気軽に車を貸したり運転を交代してもらう事ができますが、運転者限定に対しての割引は一切受けられません。
被保険者以外が運転して事故を起こした場合
第三者が運転をしている時に事故を起こした場合は、運転者に制限がかかっていなければ保険を使用して各種補償を受けることができます。
ただし、保険を利用した場合は運転者に関係なく記名被保険者の等級が更新時に3等級ダウンします。
翌年の保険料が変わるだけでなく、事故を起こして等級が下がったことによる保険料の負担は車を手放して自動車保険を解約するか、上限の20等級まで続くので、保険料負担をどう補填してもらうかが課題となります。
車の運転を任せられる人は親しい友人・知人のケースが多く翌年の保険料の差額のみを払ってもらい、それ以降は車を貸した被保険者負担とする方法で話をまとめることが多いのが現状です。
被保険車両の任意保険を利用しない方法
友人知人に車を貸して事故を起こした際に保険を利用しないで解決すれば、車にかけられている保険の等級は下がりません。
保険を利用しない時の一般的な選択肢は次の3つです。
- 車を借りて運転した人の保険を使用する(他車運転危険補償特約)
- 車を借りて運転した人のドライバー保険を利用する。
- 実費で負担する
他車運転危険補償特約を他の車で自動車保険に加入していれば、原則自動付帯される特約で貸した車で事故を起こされても、借りて運転をしていた方の自動車保険で補償を受けることが可能となります。
ドライバー保険は車でなくて運転者にかける保険で車を借りて運転する人が保険に加入している必要があります。
このように他の方の保険を利用する場合は、車を借りて運転する人が自力で保険を利用できる環境にある必要があります。車を借りて運転した人が保険を利用できない環境であれば、貸した人が加入している被保険車両の保険を利用するか実費で負担する方法になります。
実費で負担する場合でも、自動車保険に運転者の制限がなければ示談交渉までは無料で行ってくれます。ただし、限定がかかっている車両だった場合は、第三者が事故を起こした際は一切示談交渉も行ってもらえないのが原則です。
家族限定とは
家族限定とは、主に被保険車両を運転する人を、本人・同居の親族・別居の未婚の子に限定します。
同居の親族では一般的に6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族のことを差し、従兄弟や叔父・叔母なども同居している場合は家族に含まれます。
家族限定は年齢制限に要注意
家族制限をかける際は年齢条件に注意しましょう。同居している家族のドライバーのうち、一番若い運転者の年齢で制限をかける必要があります。
ただし、別居の未婚の子に関しては自動車保険の中で難しく勘違いされている方が多い部分になりますが、家族限定は適応され、年齢制限は適応されません。
例えば、同居している親族で一番若い運転者が40歳で別居の未婚の子が20歳の場合は家族限定で年齢制限を35歳以上で別居の未婚の子が運転しても保険の補償範囲内となります。
本人・配偶者限定とは
その名の通り、運転者の制限を記名被保険者の本人と配偶者に限定します。
家族限定より更に安くなりますが親や子供・従兄弟などを含めて本人と配偶者以外の家族が運転すると保険では補償されません。
運転者限定はすぐに変更できる
被保険者本人や配偶者・同居の親族や別居の未婚の子など、運転者制限の範囲に入らない人が運転することが原則ないが、いざという時の為に限定をかけるのが不安で、制限なしにしている人がいます。
定期的に第三者が車を運転したり借りるケースであれば制限無しにする必要がありますが、数年に一回程度しか、本来限定をかけられる範囲以外の人車を運転しないのであれば、通常時は最低限の保証範囲に限定して保険料を安くすることをおすすめします。
万が一第三者が運転しそうな時があれば、電話一本ですぐに運転者限定は解除が可能となります。