自動車保険の細かいプランを決める際に免責設定は非常に重要な項目です。免責の付け方にはセオリーもありますので、等級や補償内容に応じた免責設定をする事が大事になります。

免責設定は一般的には対物賠償と車両保険に対してのみ設定するのが一般的で、保険会社によっては対物保険に免責設定を行っていないケースもあります。

保険会社によっては、社内携行品など細かい特約にも免責設定があるケースもあります。

免責設定は原則2段階

対物保険や車両保険の免責金額の設定は一般的に2段階に設定ができます。
保険利用回数に関係なく均一免責にする事もできますが、保険料とのバランスと実用性を考えると2段階の設定を利用するのがおすすめです。

2段階の免責設定とは、保険契約期間(1年間)の中で1回目の保険利用の時の免責金額と2回目以降の免責金額を分けて設定する事をいいます。

よくある人気の免責設定

  • 1回目の免責0万円ー2回目以降の免責10万円(0ー10万円)
  • 1回めの免責5万円ー2回目以降の免責10万円(5ー10万円)

こうした免責金額設定は()内の記述のように、左側の数字が1回目の免責金額、右の数字が2回目以降の免責金額となっていて、各保険会社共通の表現をしています。

通販型ダイレクト保険では免責ゼロの設定が無い

自動車保険の特徴として代理店型は免責0(ゼロ)の設定がありますが、通販型ダイレクト保険では車両保険に対しては免責設定が必須となっているケースがあります。

自損事故や飛び石によるガラス破損などの限定Aには免責設定が必須で、車対車の事故にのみ免責ゼロ特約の設定を用意しているケースが最近の通販型では多くなっています。

免責設定のセオリー

免責設定の付けるポイントしては、等級が高い場合は可能であれば免責を1回目利用限定で構いませんので0(ゼロ)設定にする事をおすすめします。

それとは対象的に等級が低いケースでは免責設定をつけて保険料を安くするのがセオリーとなります。

保険等級の割引・割増率の傾向

免責設定のセオリーで紹介した理由には自動車保険の等級による割引・割増率の傾向が関係します。

1~20ある自動車保険の等級では、高い等級ほど1等級あたりに変わる割引率が少なくなり、低い等級になればなるほど、1等級あたりの割引・割増率の差が大きくなります。

例えば19等級で保険を利用した場合に翌年の保険料は3等級ダウンの16等級になります。

この場合某大手損保会社の等級割引率を基準に紹介すると割引率は61%(19等級)から55%(16等級)と割引率の差は僅か6%しか発生しません。

それに対して新規等級になる6等級で保険を使用すると、3等級ダウンして翌年は3等級になります。この場合は17%割引(6等級)から10%割増(3等級)に変わり、その差は実質27%となります。さらに2等級と1等級では1割増率が26%増える料率となっています。

こういった保険等級の料率の変化の傾向から、等級が高い場合は3等級ダウンして保険を利用した時の影響が少なくなり保険を気軽に使える環境にありますが、等級が低いと対象的に影響が大きくなり対物や車両保険では気軽に保険を使いにくい環境ですので、軽微な修理代金などは実費で修理すると割り切って免責金額を付けて保険料を安くする方法がおすすめです。

免責設定による保険料の増減

免責設定は高く設定すれば保険料は安くなり、0(ゼロ)設定にすると高くなります。

等級が高いほど免責設定によってあがる保険料も等級による割引の影響で負担が軽くなります。このように自動車保険では等級が高いほどリスクが少なくなりコストパフォーマンスが良くなり、等級が低いほど、リスクは増え補償内容を充実させる為の負担が大きくなります。

ノーカウント事故で必要性が薄れた免責0(ゼロ)

免責を0(ゼロ)にするメリットとして飛び石などのノーカウント事故を気軽に行える環境を作る。という部分でもありました。

車のガラス交換の場合、車種にもよりますが純正品で10万円~15万円前後・汎用品で5万円~10万円前後で交換できます。

この場合、免責がゼロでしたら、迷わずに保険利用で純正ガラスに交換できますが、免責設定が5万円や10万円あると保険を利用せずに汎用品対応した方がお金がかからない。という事もよくありました。

こういったノーカウント事故が実質各保険会社廃止となり1等級ダウン事故へと変わった事で、免責を0(ゼロ)にするメリットが薄れた部分もあります。