自動車保険の会社選びで、最初の比較対象となる代理店型と通販型。保険料は通販型が安くて、サービスの質は代理店型が良いというのは認知されている方も多いですが、契約プランも代理店型の方が有利な内容のものがあります。
その代表的存在なのが「長期分割契約」です。主に代理店型自動車保険のみ扱いがあり、通販型やダイレクト系・共済系は現状取り扱いはありません。
自動車保険の長期分割とは
長期分割とは通常1年単位の保険の契約期間を2年~3年に伸ばす長期契約です。一般的には長期分割を利用するほとんどの方が3年の期間設定を利用しています。
契約期間中に保険を利用したり、保険会社の契約内容に法改正があっても長期分割契約をしていれば3年間の保険料は原則固定されます。
例えば、6等級で契約をした場合での比較
・1年ごとの通常契約と3年長期分割に関わらず無事故だった場合
1年目 ー 6等級 無事故
2年目 ー 7等級 無事故
3年目 ー 8等級 無事故
4年目 ー 9等級
となります。途中で保険料改定があった場合は保険料に差額は出ますが、事故を起こさなければ当然等級は契約期間に関わらず1年に1つずつあがっていきます。
・1年ごとの通常契約で1年目に事故を起こした場合
・1年目 ー 6等級 1事故
・2年目 ー 3等級 無事故(前年の事故により3等級ダウン)
・3年目 ー 4等級 無事故
・4年目 ー 5等級
・3年長期分割で1年目に事故を起こした場合
・1年目 ー 6等級 1事故
・2年目 ー 7等級 無事故
・3年目 ー 8等級 無事故
・4年目 ー 5等級 (3年間の期間内で1事故だったので、契約満了後に3等級ダウン)
このように事故を起こした場合で通常の1年契約と3年長期分割では2年目と3年目の保険等級が違い保険料も大きく変わります。
長期分割契約満了後の4年目の等級は必ず1年ごとの契約と料金が同じというのが特徴です。
・1年ごとの通常契約と3年長期分割に関わらず3年目に事故を起こした場合
・1年目 ー 6等級 無事故
・2年目 ー 7等級 無事故
・3年目 ー 8等級 1事故
・4年目 ー 5等級
このように事故を起こしたタイミングが契約満了年になると1年契約でも3年長期分割でも等級は変わりありません。
その他の長期分割のメリット
保険会社の改定に影響を受けない
保険会社は各社頻繁に改定を行い補償内容の変更や保険料率の変更を行います。全体的に見れば値上げ傾向が強い改定が最近では多いようです。
最近で有名な改定は2012年10月~2014年4月に各社足並みを揃えて行った、車両保険の等級据え置き事故の廃止です。
これは被保険者から見ればデメリットが非常に多い改定ですが、3年長期分割前に契約した人は、契約満了までは飛び石などを等級据え置きで修理する事ができます。
月払い手数料が安くなる
自動車保険は各社内容は若干違いますが、一般的に年払いでは割引が適用され月払いでは若干割増感が出ます。
長期分割にした場合は、年払いと月払いの差額が狭くなるという利点があります。
3年一括払いにすれば、通常の年払いよりも割引率は大きくなりますが、月払いにしても負担が少なくなるという利点があります。
保険会社によって、月払い・年払いの割引率や長期分割時の対応は違いますので必ず確認を取るようにしましょう。
更新の手間が楽
長年自動車保険を契約している人であれば、保険内容の見直しは大きな改定があった時くらいで、毎年手間をかけて、去年と同じ内容で更新手続きしている人も多いです。3年長期分割にしてしまえば、年に1回案内ハガキが来るだけで更新手続きをする手間がなくなります。
途中解約してもお得
長期分割で多くの方が懸念するのが、契約期間を長くすると車を手放した時や他の保険会社に乗り換えたい時にリスクが大きいとリスクを感じます。
ですが長期契約では途中で解約してもメリットがあります。
例えば通常の1年契約で半年経過時点で車を手放して保険を解約した場合、年間保険料の半分戻ってくる事はなく概算で3割前後しか戻ってきません。
それに対して3年長期分割ではどのタイミングで解約しても月単位で精算できるというメリットがあります。半年で解約した場合は年間保険料の50%に近い料金の還付があり、保険満了月以外で解約した場合は原則長期分割契約の方が還付が大きくなります。
当然、解約理由に制限はなく他社に保険を入れ替える為の解約でも同じです。
長期分割については通販系では取り扱いがなく、取り扱いがある保険会社でも内容が違うケースもあるので、必ず代理店の募集人に詳しい説明や内容の確認を求めるようにしましょう。