自動車保険は事故などが原因で保険を使用した際には、補償内容に基づいて保険金が支払われます。
この支払われる保険金については保険会社ごとに内容や保険請求できる承認額が異なります。
保険会社の財務状態と保険金支払い能力は連動しない
保険金支払い能力という表現を使うと、保険会社の財務健全性やソルベンシー・マージン比率を思いうかべるかもしれませんが、実際に保険会社が支払う保険金と財務体質はあまり関係がありません。
人への補償に対しては、どの保険会社も安定している
自動車事故で相手方を怪我させてしまった時の対人賠償や、被保険者料に同乗している方が怪我などをしたときに人身傷害については、医師の診断書などが揃っていればどこの保険会社でもしっかり保険金が支払われます。
完治するまでの慰謝料については、保険会社によって若干異なり、ムチウチなどの経度な症状で完治までの時間が極端に長いケースは、1日単位の慰謝料を減らす保険会社もあります。
保険会社によって違う車の修理代金保障額
保険金の支払いで保険会社ごとで支払われる車の修理代金は大きく変わる事があります。
自動車事故による修理は多くのケースが外装の板金修理が必要となります。
板金修理は部品交換などの修理とは違い、技術料が必要となり安い修理を行うと修理の精度が悪くなる事もあり、板金職人の腕によって修理工程が変わる事もあります。
板金工場は安い業者から、料金は高いが仕事が丁寧な業者まで幅広くあり、実費での修理であれば価格も重要な項目になりますが、保険金で修理する場合はしっかりした業者に出したいものです。
板金業者も同じ修理内容でも、低価格なプランから高価格高品質のプランを用意している事も多く保険を使用して修理をする時には、品質重視の修理方法を選択します。
こうした背景があり、通常の格安修理でしたら数万円程度でできる損傷状態でも保険金対応の修理になると30万円~50万円ほどの高額な見積もりが出てくる事もよくあります。
こういった中で保険会社によっては、板金工場の出した高額な見積もりをすぐに承認する事もあれば、保険金を出し渋る事もあります。
保険会社のスタッフが現車確認する事も
通常は保険会社と板金工場や依頼を外注するディーラーなどが写真で保険会社と見積もり金額について交渉します。
損傷状態から見てあまりにも高額な見積もりが出た場合は保険会社のスタッフが車が入庫されている板金工場まで足を運び、本当にそれだけの修理が必要なのか?の現車確認をしにくる事があります。
こうした現車確認は拠点数が多い大手損保会社の方がすぐに実行に移す事が多く、中小規模や外資系・通販系などの場合は、なるべく電話やメールだけのやり取りですまそうとする傾向があります。
修理代金の過剰請求は犯罪
自動車保険を利用して行う板金修理は通常の修理代金よりも高い金額になる事が多いです。
この場合、被保険者も板金工場の人も保険会社から過剰に請求できた修理代金を現金で被保険者にキャシュバックしたり、事故で損傷していない所の修理や社外品パーツの購入をサービスしてしまう事をしたり考えますが、これは立派な詐欺行為になり犯罪になります。
こうした過剰請求がばれると刑事責任を問われる事もあります。保険修理は1事故につき、その事故で損傷した部分だけを直すのがルールです。
保険会社は提携工場を強く進める
保険会社相手ですと、高い修理代金を提示する板金業者が多いので各保険会社は提携工場への入庫を強く勧めます。
提携工場とは保険会社が顧客を紹介するかわりに、保険を利用しない一般顧客と同じ料金相場で修理を行う契約となっている所が多いです。