「値上げを繰り返す自賠責保険」のページでも紹介していますが、自賠責保険は平成23年と平成25年の2回に分けて値上げをされています。

死亡事故の件数自体は減少傾向にあるにも関わらず、自賠責保険が値上げを繰り返しているのは、傷害や後遺症の請求金額が増加傾向にあるからです

その大きな要因として社会問題にもなっているのが、接骨院の不正請求です。

交通事故の被害にあったら接骨院を利用できる

接骨院は主にマッサージのサービスを受ける事ができます。
許認可を取った接骨院では各種保険の適用を受ける事ができ、健康保険を始め、自賠責保険、任意保険の適用を受ける事ができます。

交通事故が理由で首や腰を痛めてしまった場合には、保険適用の接骨院にて治療を受ける事が可能です。

自動車保険の不正請求問題とは

交通事故の被害者側は、加害者や保険会社を相手にした時に非常に強い立場になります。加害者は被害者に対して、必要な賠償や慰謝料を支払う義務があります。しかし、こうした被害者の権利を悪用とした病院や接骨院が多いのです。

保険金を悪用した不正請求問題とは、実際には完治していたり、治療の必要性がない程の症状であっても、病院の医師や接骨院の有資格者が治療続行を認めて治療を行う事です。

腰痛やムチウチなどの症状は、レントゲンなどで症状の改善が把握できません。こういったことで不要に治療期間を長引かせて保険金を高額請求するのが不正請求問題です

悪質なケースでは、被害者が通院していないにも関わらず、通院した事にして保険金を請求していることもあります。

不正請求は接骨院が多い

保険金の不正請求は詐欺にあたる犯罪行為です。
実際にバレて処分を下された病院や接骨院は多数あります。

保険会社の調査や取締りなどにより、営業停止処分などを受けた時のリスクが大きい病院では、不当な請求や医師側から治療を長引かす事を提案するケースが減少傾向にあります。

それに対して保険治療を扱える接骨院では、近年接骨院の数自体が増加傾向にあり、競争が激化している事や、医師に比べて、接骨院はリスクを恐れない対応をする事などが理由で、不正請求を積極敵に行っているケースが多いです

接骨院のスタッフから、「交通事故であれば、治療期間を長引かせた方が無料でマッサージを受けられるし、慰謝料ももらえますよ」と被害者である患者に提案しているケースも多くあります。

こうした背景から、病院ではなく接骨院の不正請求が大きな問題として取り上げられています。

不正請求すると患者も捕まるの?

完治していない事や仮病などを理由にした不正請求は詐欺行為にあたります。
被害者である患者が、本当は痛くない所を、痛いと意図的に言い続けて治療期間を長引かせる事も、当然詐欺行為にあたり、最悪のケースは刑事責任を問われる事もあります。

ここでポイントとなってくるのが、医師や接骨院の有資格者がどのような判断や対応をするかです。

医師などが「もう完治しているでしょ?これ以上続けると保険会社に目を付けられますよ」などと警告しているにも関わらず、患者側が「まだ痛い」と言い張って治療を続けた場合は、病院や接骨院ではなく、患者側に不正請求の刑事責任が問われる事が多いです

それに対して、医師や接骨院の有資格者が、「痛くなくても事故にあったなら治療を受けた方が良い」と勧誘したり、完治の確認をせずに、治療を続行し続けたり、患者に提案をし続けた場合は、患者が不正請求を目的だと把握していても、正しい管理や指導、適切な対応を取らなかった病院や接骨院側に責任が追求され、営業停止処分などが下る場合があります。

病院や接骨院に責任がある場合は、患者側は罪に問われないケースが多いです。