近年では取締りが厳しくなったり、各企業の飲酒運転検挙者の処分を重くした事などが要因となり、一昔前に比べて飲酒運転をする人は大幅に少なくなったと言えます。しかしそれでも、まだ飲酒運転をして事故を起こしてしまうケースも実際に多数起こっているのが現状です。
飲酒運転した場合の自動車保険の自賠責保険の対応を紹介します。
飲酒運転でも自賠責保険は支払われる
結論が先になってしまいますが、飲酒運転での事故の場合でも自賠責保険は使えます。
自賠責保険は根本的に、被害者を救済する為の制度です。加害者側が飲酒をしていようが、薬物を使用していようが、交通事故の被害者である事には変わりはありません。対人賠償は死亡や重度後遺症で数千万円〜数億円の賠償問題に発展します。
保険会社としては、被害者への賠償金に対して、大多数の人が実費では賠償金を負担できない中、加害者側に落ち度があった事を理由に、保険会社が支払い拒否をする事ができない仕組みになっています。
これは自賠責保険だけでなく、任意保険の対人賠償・対物賠償にも同じ事が当てはまり、被害者への賠償は例え飲酒運転でも支払われると認識しておきましょう。
任意保険の車両保険や人身傷害は保険は飲酒運転では使えない
自動車保険は、飲酒運転した場合、免責事項に該当して保険が使えないという話を聞く事があると思います。これは、車両保険や人身障害など、飲酒運転をして事故を起こした当事者側に支払われるべき保険は、運転者の過失により保険の免責事項に該当して、保険金が支払われないルールとなっています。
飲酒運転など、重要な落ち度があった場合、被害者側から見れば、加害者が飲酒をしていようがしていまいが、被害にあった事実は変わりません。しかし当事者となる加害者側については、飲酒運転は悪意のある危険運転となりますので、それが原因で自分自身が怪我や死亡・後遺症を残してしまったり、自分の車を破損させてしまっても、保険会社は負担しなくても良いという免責事項を設定しています。
ポイントになるのは、飲酒運転の当事者の利益・損失につながる事は、例え保険料を払っていても、免責事項に該当する飲酒運転は補償対象外となるという点です。
飲酒運転の車に同乗していた人が、事故が原因で傷害を負った場合、運転者が飲酒運転をしているという事実を知っていたら、これも補償されない可能性が高いので注意しましょう。
飲酒運転は根本的にやらない
このページの話ですと、飲酒運転でも自賠責保険は利用できるという内容になりますが、飲酒運転のリスクは、保険を利用できるかどうかだけではありません。
まずもって飲酒運転の事故は大きくなりがちですし、被害者に取り返しのつかない被害を与えてしまうことになります。
また、飲酒運転は厳罰化されていて、最も重い酒酔い運転で免許の点数35点減点(一発免許取り消し/欠格3年)懲役5年以下、100万円以下の罰金が科せられます。また、それが原因で勤務先をクビになるケースも最近は多く、例え事故の被害者への賠償金を保険でカバーできたとしても、社会人として絶対にやってはいけない行動という事を理解しておきましょう。