任意保険に加入している人であれば、自賠責保険も同じ会社にしておいた方が良いと思う人が多いです。しかし自賠責と任意を同一保険会社にするメリットはほとんどありません。
「自賠責保険会社の比較」のページでも説明していますが、自賠責保険は自賠法の中で決められたルールにより保険料・補償内容が同一内容となっているからです。
JA共済など一部の共済のみメリットがある
「自賠責保険のメリット」のページで触れていますが、JA共済では同じJAで自賠責共済に加入すると、任意保険にあたる自動車共済の料金が自賠共済セット割引が適用されます。
割引率は項目にもよりますが、約7%となっていますので、同一共済で加入するメリットがあります。
現状では、こうした自賠セット割引を行っているのは大手ではJA共済のみで、損保会社では一切同様のサービスは行っていません。
同一保険会社にした事により事故時の対応は変わる?
自賠責保険と任意保険をセットにしても保険料は変わりません。
それでも「事故が起こった時に同一保険会社にしていた方がメリットがあるのでは?」と考える人も多いです。しかし実際には、自賠責保険と任意保険が違う会社であっても事故時の対応は全く変わりません。
「事故をおこした時の自賠責保険の使い方」のページでも紹介していますが、自賠責保険には事故対応のサポートや、示談交渉サービスは付いてきません。状況によっては被害者側が直接請求する事もでき、自賠責保険は被害者の傷害の内容によって、法律で決められた基準から保険金を支払うだけの事務的機関になります。
例え、同一保険会社であった場合でも、自賠責保険と任意保険は部署が違いますので、密な連携は行いません。根本的に自賠責保険は請求に対して、内容を精査して保険金を支払うだけですので、例え同一保険会社でも任意保険の担当者が自賠責保険で請求する金額をまとめて資料を送るだけです。
この流れは、自賠責保険会社と任意保険会社が違う場合でもほぼ同じ流れです。
メリットで言えば、書類のやり取りで郵送の手間がなくなる程度(同じ会社でも、FAXやメールでのやり取りが主流)となりますので、メリットは皆無といって良いでしょう。
結論を言えば、自賠責保険の会社は、一部の自賠セット割がある共済以外は保険会社を気にすることなく、販売店や車検を通す整備工場の扱っている保険会社で、特に任意保険に加入している保険会社の事は気にせず加入してしまえば問題ありません。
パンフレットに自賠と任意を同一保険会社にした方が良いと書いてあったケース
①自賠責保険と任意保険を同一の保険会社にした方が事故時の連絡が一ヶ所で済みます。
②自賠責保険と任意保険の保険金を一括で支払う事ができるので、便利です。
このように、パンフレットに自賠も任意保険と同じ会社で入るように勧める記載がある場合があります。こういった記載はほとんどが、代理店が独自で作った販促用のチラシのケースが多いです。
この2点のメリットについて、自賠法や損保業界を含めた回答をすると
①任意保険に加入していれば、事故が起こった時には任意保険の事故対応窓口にのみ連絡すれば問題なく、自賠責保険会社に連絡する必要はありません。詳しくは「事故をおこした時の自賠責保険の使い方」で紹介しています。
②被害者に支払う保険金については、自賠責保険と任意保険が違う会社であっても、任意保険会社が窓口となり一括支払いできるように自賠法で定められています。