近年、車業界で急速に普及率が上昇しているのが「ドライブレコーダー」です。
社外品が主流でしたが、最近ではメーカーから純正オプションも用意されるようになりました。

また、警視庁も自動車所有者に対して、ドライブレコーダーの装着を推奨しています。

ドライブレコーダーを装着する車が増えてきている

ドライブレコーダーとは、車の運行状況を記録する機械です。車の進行方向を移すカメラを搭載し、運転手が見ている車前方の景色を映像で記録します。

交通事故が起こった際には、貴重な証拠資料になるのはもちろん、ドライブ後に運転風景の観賞用として楽しむ活用方法もあります。また、運転者自身がドライブレコーダーの記録を見ることで、安全運転意識を高める活用事例もあります。

近年では、運送業や旅客業をはじめ、従業員に車での外回りをさせる業種などは、社用車全てにドライブレコーダー設置を義務付けている企業が増えてきました。

また、個人が交通事故のトラブル回避のためにドライブレコーダーを装着する方も急増しています。最近では、自動車部品量販店、ホームセンター、ネット通販などの小売業界で、ドライブレコーダーが売れ筋商品になっています。

ドライブレコーダーの主な機能

ドライブレコーダーは、豊富な商品ラインナップがあり、廉価版やエンドモデルなどのハイスペック版など様々な商品があります。
商品によって搭載機能は違いますが、ドライブレコーダーに付いている主な機能と特徴を紹介します。

録画機能

ドライブレコーダーの基礎的機能で、車の進行方向の風景を動画として録画して保存します。
急ブレーキや急ハンドル、衝撃があった前後のみをピンポイントで録画するものと、電源が入っているときは常に録画している商品があります。

また、商品のグレードや価格帯に応じて、画素数や振動防止機能の性能に差があり、動画の画質が商品によって差が出ます。

運転者録画機能

主に運送業界などへの法人向けに用意されたドライブレコーダーに付いている機能です。

通常のドライブレコーダーは進行方向の車外の風景を録画しますが、運転者録画機能が付いていると、ドライブレコーダーの両面に2つのカメラが付いていて、進行方向の外の風景と運転席側の室内の風景の両方を録画します。

ドライバーが居眠り運転やよそ見、運転中の携帯電話の操作など危険な運転をしていないか確認できるメリットがあります。

録音機能

ドライブレコーダーは録音機能も標準装備と勘違いされがちですが、安いエントリーモデルは録音機能が付いていない場合があります。

録音機能が付いていると警笛音を鳴らしたタイミングや、衝撃の大きさなどの証拠になります。

速度・GPSデータ記録機能

GPSを搭載して、速度や走行ルートなどの記録を同時に行います。
事故当時の速度の立証や、日常的な安全運転の管理などに役立ちます。

ほかにも、速度、GPS機能を活かして運転傾向の分析や、従業員が指示ルート以外の道路を通っていないかの管理など、多彩な活用方法があります。

法人向けモデルや個人向けのハイグレードモデルに付いている機能です。

G(加速度)センサー記録機能

G(加速度)センサーが付くことで、衝撃が加わったときの前後の映像を自動的に専用フォルダーに記録できるようになります。

事故前後の記録だけが欲しい場合はもちろん、常時録画するタイプもフォルダ分けされることで、事故発生時の必要データの抽出が容易になります。

また、G(加速度)センサーを活用して、普段から急加速、急ブレーキが多くないか管理できる商品もあります。

静止画撮影、保存機能

ドライブレコーダーのカメラをデジカメのような形で活用できる機能です。
ドライブで風景を撮影したい場合や、嫌がらせ運転や、ひき逃げ、当て逃げをした犯人の車のナンバーを記録したい時に便利です。

ドライブレコーダー専用モニター

ドライブレコーダー専用のモニターが搭載されていて、録画している風景をリアルタイムで写したり、録画後にその場で映像を確認する事ができます。

個人向け商品のハイグレードモデルの多い機能です。

安全運転アシスト機能

映像をデジタル解析して、前の車が発進した時や、車線の真ん中を走っていない場合にブザーなどで警告して安全運転を促します。

個人向け商品の最新ハイエンドモデルの一部に付いている最先端の技術です。

ドライブレコーダーを付けていると、過失割合の認定に有利

ドライブレコーダーを付ける最大のメリットは、交通事故を起こした時の証拠資料になる事です。車同士の事故や、車対人および自転車など、相手がいる事故では、それぞれの過失割合に応じて損害賠償額の算定や減額がされます。

過失割合は過去の判例によって基準が用意されていて、お互いの車が交差点に進入したときの信号の色や、相手の車の速度超過の状況によって過失が決まります。

通常、過失割合の認定は、双方の供述や警察の現場検証や実況見分によって判断されます。しかし、過失割合の協議では双方の言い分が食い違うことがよくあり、なかには自分の過失を少なくしようと、赤信号で交差点に進入したのに黄色信号だったと嘘の主張をする方もいます。

お互いの主張が食い違ったときは、目撃者の証言などがあれば正当な主張を立証できますが、証拠が用意できないと交渉が難航して訴訟に発展したり、妥協した過失割合を受け入れざる得ない状況になる場合もあります。

そんな時にドライブレコーダーの映像が証拠として残っていれば、事故当時の明確な状況を証拠として提出できるので、妥当な過失割合の認定に向けてスムーズに話が進みます

訴訟になった時の証拠資料としてはもちろん、示談交渉の段階でもドライブレコーダーの証拠を提示できれば相手側も譲歩してくれる可能性が高いです。

手軽に購入できるドライブレコーダー

ドライブレコーダーは高価なものだと思っている方はいませんか?

たしかにハイエンドモデルでは、5万円〜10万円の価格帯で流通している商品もありますが、近年はドライブレコーダーの普及率上昇によって手軽に購入できる商品も増えてきました。安い商品では3千円〜5千円程度で購入でいます。

また、取り付け工事不要で12Vのシガーソケットから電源を取り、吸盤などでフロントガラスやダッシュボードに固定して使用できる商品もあります。ドライブレコーダーは脱着も容易で車を代替したときも、簡単に付け変える事ができるので長く使用できます。

当然、安い廉価版よりもハイグレード商品の方が画質も鮮明で便利な機能がたくさん付いてきますが、ドライブレコーダーを付けておくと交通事故後のトラブルリスクが大幅に改善します。

高い商品を買う余裕がない人や抵抗を感じる場合は、廉価版でもいいので、何かしらのドライブレコーダーを装着しておくとよいでしょう。