車は一般的にコンパクトカーと呼ばれる車種でも、人や荷物を乗せた総重量は1トンを超えます。
車のエンジンは非常にパワフルで、重さ1トンを超える鉄の固まりを時速100km以上で走ったり、急勾配の上り坂を駆け上がる事ができます。
それだけの重量とエンジンのパワーがある物が衝突する交通事故は、予想以上に大きな衝撃が発生します。
交通事故を起こした際に、見た目の外傷がない事や本人に傷みや怪我の自覚がなくても、一度病院に行って検査を受けるとよいでしょう。
交通事故当時は興奮して痛みを感じない事がある
交通事故を起こすと、加害者・被害者の立場を問わず、パニックや動揺によって興奮してアドレナリンが出ます。
そのため、身体を痛めていても興奮した事によって痛みを感じない事があります。
事故が落ち着いて家に帰ったり、一晩寝て翌朝目覚めると、首のムチウチ症状などを後から自覚する場合があります。
頭を打ったり、クラクラするなどの症状が出ている場合は、重度の後遺症に発展する場合もあるので、早めに病院へ行って検査を受けるようにしましょう。
怪我による補償を受けられるのは人身事故扱いのみ
怪我や後遺症による損害賠償は、自賠責保険から支払われます。
交通事故は人身事故扱いと、物損事故扱いがありますが、自賠責保険が支払われるのは人身事故のみです。
事故現場での実況見分では警察から、人身事故扱いにするか聞かれる場合があります。
怪我の自覚がなくても、人身事故扱いにしてもらって、一度通院して検査を受けたい旨を伝えましょう。
その際に、痛みを感じていなければ嘘は付かず、衝撃を強く感じて不安があるので、念の為人身事故扱いにしてほしいと伝えましょう。
物損事故扱いで処理されてしまうと、後から痛みが出た場合に、自賠責保険の補償を受けられない場合があります。
物損事故扱いにして、後から痛みが出て病院に行った場合
事故現場の実況見分で物損事故扱いにした場合でも、後から痛みが出て病院に行った場合、速やかに適切な対応をすれば人身事故扱いに変更してもらえます。
物損事故扱いから人身事故扱いに変更する方法は次のとおりです。
- 診察で異常があれば、意思から警察へ提出するための診断書を書いてもらう
- 事故発生場所の管轄の警察署へ診断書を提出する
事故を起こしてから変更手続きをするまでの期間が短いほど、警察に人身事故扱いの変更が認められやすくなります。
人身事故扱いへの変更ができなかった場合でも、交通事故証明書(物損)と人身事故証明書入手不能証明書を、保険会社に一緒に提出すると認められる場合もあります。
後から痛みが出た場合は、早めに警察と保険会社の担当者に相談するようにしましょう。
通院にかかった費用は全てレシート・領収書を保管しておく
交通事故の怪我によって発生した通院費用は必ずレシート・領収書を保管しておきましょう。
ほかにも薬の処方箋費用や、通院するまでのタクシー代など付随する費用も念のため、レシート・領収書をもらって保管しておくようにします。
治療費や慰謝料の請求には、通院を証明するレシートや領収書の提出を求められます。受け取らなかった場合や紛失した場合は、保険金を受けられない場合があるので注意しましょう。
事前に保険会社に連絡しておくと、通院時の費用が無料になる事も
交通事故による治療費は、被害者の場合、自賠責保険や先方の任意保険の対人賠償から、全額治療費を補償されます。
本来であれば、一度診察費用などを立て替えて、後日保険会社に請求をかけますが、通院前に保険会社に通院したい旨を伝え、通院先の病院の詳細を伝えておくと、保険会社から病院へ連絡がいきます。
保険による治療費の負担が認められる場合では、事前に病院と保険会社が連絡を取り合っている事を条件に、治療費を全て病院から保険会社に請求をかけ、一切お金を払わずに診察や治療を受けられる場合があります。
診断書やレントゲン写真は示談交渉にも必要
交通事故によって怪我を負った場合は、治療費のほかに慰謝料や休業補償を受け取れる場合があります。
主に慰謝料をはじめ治療費以外の賠償金は、示談交渉によって金額が決定します。示談交渉の際にも、診断書やレントゲン写真など怪我を証明する書類が必要です。
傷害に関係する書類は大切に保管して、保険会社から提出を求められたら速やかに応じられるように管理しておきましょう。
まとめ
交通事故の当事者になったら、事故現場で痛みや負傷の自覚症状がなくても念の為病院で検査を受けるようにしましょう。
怪我などの傷害の賠償は自賠責保険から支払われます。自賠責保険は人身事故扱いになっていないと保険金が出ないので注意してください。
なるべく事故の実況見分の時には人身事故扱いにするように希望し、物損事故扱いで後から痛くなったら速やかに病院へ行って人身事故扱いに変更する適切な対応を取るようにしましょう。
病院へ行く際は、保険会社に事前に相談しておくとサポートを受けることができ、診察料を払わなくてもいいように手配してくれます。分からない事があれば警察や保険会社、医師に相談して、早めに通院などの行動を起こす事が大切です。