車をぶつけたり、事故にあった時は、保険修理か実費修理で迷う人も多いと思います。
そうした際には、あらかじめ損傷状態に応じて概算の部位別修理費用の目安を把握しておく事が重要です。

ここでは、ぶつかった方向から「後面」の事故の場合の修理費用の目安を紹介します。

後面からの事故の傾向

車の後面を損傷させる事故は最も多いと言われています。特に、車庫入れなどのバック時における自損事故と、後方からの車に追突される、相手側にすべての過失がある事故の被害者になった場合が多いです

後方の損傷はその衝撃によって大きく変わってきます。バック時の自損事故の場合は、そこまでスピードが出ていないので軽い内容が多いですが、後続の車に追突された場合は、フロアのパネルが押されてしまうなど、大規模な修復が必要になる場合があります。

部位別修理費用の目安

リアバンパー

バンパーは、リア側の下側(ナンバープレート付近の高さ)にある、FRP(強化プラスチック素材)の外装パーツです。バンパーは、簡単な傷程度であれば、修理できますが、損傷が大きすぎると、新品に交換するほか修理の使用がなくなります。

修理方法にはいくつかの方法がありますが、一般的な国産乗用車の修理代金の目安は次のようになります。

●バンパー簡易補修  費用の目安:1〜3万円

簡易補修を扱っている専門業者に依頼する事が条件。主にディーラーなどで取り扱いがある事が多いです。傷、ヘコみの免責に応じて5×5cm以内であれば1万円程度で修理する事も可能。主に実費修理の場合に利用する修理法。

●バンパー部分板金修理  費用の目安:2.5万円〜4万円

主に自損事故などで、バンパーの端っこなどを広い免責で、擦ってしまった場合に、損傷した部分側の主にバンパー中央から区切った半分を塗る方法。後に紹介する一本塗よりも5千円〜1万円程安く、実費修理の場合に利用する修理法

●バンパー一本塗り  費用の目安:3万円〜5万円

バンパーの損傷状態に関わらず、まるごと一本塗装するというもの。塗装し直した所と、していない所のつなぎ目がないので、仕上がりの精度が高く、修理後長い期間経過しても、バンパーの部分別の塗装状態の違いが出る事はないです。実費修理から保険修理まで幅広く使われている修理法

●バンパー交換  費用の目安:4万円〜9万円

バンパーが完全に二つの折れてしまったり、損傷状態がひどい場合は交換修理となります。料金は車種によって変わってきて、同じ車種でもメーカーの塗装済みバンパーの在庫品の有無によっても変わってきます。軽い傷でも保険修理の場合は交換修理となる事もあります。

フロントバンパーに比べて、反射板など埋め込み部品が多かったり、ナンバーの取り付け穴が入っていると、陸運局でナンバーの再封印手続きが必要になるなど、コストが高くなる傾向もあります。

灯火類

修理費用:1万円〜5万円

後面側の灯火類とはブレーキランプ、バックランプやウインカーなどの部品を指します。事故による修理はほとんどがレンズ割れとなり、部品交換が必要です。

部品代は、車種によって異なり、LEDブレーキランプを使用している車程、修理代金は高額になる傾向があります。最近では、ブレーキ、ウインカー、バックランプの一体型が多く、小さい傷でも交換費用が交換となる事が多いです。

リアゲート・リアトランク

修理費用:2万円〜15万円

車によって、後面の形状が大きく変わってきます。最近ではセダンタイプよりも、ハッチバックと呼ばれる、大型のドアとなっているワゴン車などが多くなっています。

ハッチバックなどの大型リアゲートの場合は、平らな形状という事もあり、実費修理の場合は交換よりも板金修理の比率が高くなっています。

リアエンドパネル

修理費用:3万円〜10万円

後面からの事故で最も重要なのが、リアエンドパネルです。車の室内側のパネルになり、多くの車はトランクスペースの床板あたりが、エンドパネルとなっている事が多いです。

低速でのバック時の自損事故では、エンドパネルまで損傷する事は少ないですが、後ろから追突されたり、アクセルを勢いよく踏んでバックでぶつかった場合は、リアエンドパネルが押されてしまう事があります。

この場合は、板金修理として、推されたエンドパネルを引っ張って戻し、形状を整える作業が入ってきます。リアエンドパネルの損傷は完璧に治る事は少なく、リアドアが締まりにくいなど、完璧に直らない事も多いです。

作業する板金職人や、修理工場・板金工場の設備によって、修理のクオリティも変わってきますし、業者ごとの値段の差もかわってきます。リアエンドパネルが押されて変形する場合は、リアゲート、リアバンパーも大きな衝撃で強く損傷している事が多く、実際の修理代金は、複数の修理作業をまとめて、値引き提示をされる事が多いです。