交通事故による損害は、自賠責保険や任意保険から賠償補償が行われます。

この保険金は示談や裁判の判決があると自動的に支払われるものではなく、加害者か被害者のいずれかが保険会社に対して請求手続きをする事で保険金が支払われます。

保険金の支払いの流れ

保険金の支払いの流れは、本来加害者が示談成立もしくは裁判の判決後に、被害者に対して直接賠償金を支払い、払った賠償金を加害者が保険会社に請求するのが原則です。

しかし実際には、被害者が直接加害者の保険会社(自賠責保険・任意保険)に対して保険金を請求して、保険会社から直接保険金を受領するケースが多いです

保険金の請求は加害者請求が基本ですが、被害者側からの請求も認められています。保険金請求の窓口は、賠償請求の場合は加害者側の保険会社の請求受付窓口です。

交通事故で請求できる保険

交通事故で請求できる保険は主に次のものがあります。

  • 加害者の自賠責保険
  • 加害者の任意保険(対人賠償・対物賠償)
  • 自分自身の加入している任意保険(傷害、車両保険など)
  • 政府補償事業制度(人身事故の加害者が自賠責保険未加入だった場合)

それぞれ、保険会社の請求受付窓口に問い合わせをして、指示された書類を提出します。

政府補償事業制度の請求は損保会社各社が国から委託されて請求受付業務を行っています。
次に、保険請求に必要な書類を紹介します。

自賠責保険の請求書類一覧
自賠責保険の請求書類 用途
仮渡金支払請求書 被害者が仮渡金の請求をする際に必要
保険金支払請求書 加害者側が保険金請求する場合の書類
損害賠償額支払請求書 被害者側が保険金を請求する場合の書類
交通事故証明書 人身事故の場合は提出必須。都道府県の自動車安全運転センターで交付してます
医師の診断書 傷害事故の場合に必要
死体検案書または死亡診断書 死亡事故の場合に必要
住民票または戸籍謄本 被害者が未成年で親権者が被害者請求する場合のみ必要
委任状および印鑑証明 被害者、加害者の事故の当事者が第三者に委任して請求する場合に必要
領収書、レシート等 被害者や加害者がタクシー代や移動交通費など料金を立て替えた時の領収書
戸籍謄本(全部事項証明書) 死亡事故(仮払含)の場合に必要
印鑑証明 原則、いかなる場合でも必要
診療費明細書 仮払の際は扶養
休業損害証明書または所得証明書 休業補償や逸失利益算出のために必要。被害者が仕事に一切影響出ない軽傷の場合は不要になる場合もあります
その他、損害額を立証する資料 クレジットカードの利用明細や、電車やバスで移動して通院した場合は、自宅から病院までの公共交通機関のルート案内など
示談書 示談成立の場合のみ提出

自賠責保険の種類や補償範囲、請求方法については、次のページでも解説しています。
(参考:自賠責保険の種類と請求)

任意保険の請求書類一覧
任意保険の請求書類 用途
保険金支払請求書 加害者側が保険金請求する場合の書類
損害賠償額支払請求書 被害者側が保険金を請求する場合の書類
交通事故証明書 人身事故の場合は提出必須。都道府県の自動車安全運転センターで交付してます
示談書 対人・対物の賠償補償の場合
修理費見積書 対物賠償、車両保険による物的賠償補償の場合。事故車両、契約車両の写真提出も必要ですが、主に修理見積をした業者が直接保険会社に提出してくれます
交通事故証明書 人身事故の場合は提出必須。都道府県の自動車安全運転センターで交付してます
医師の診断書 傷害事故の場合に必要
死体検案書または死亡診断書 死亡事故の場合に必要
除籍謄本 死亡事故の場合
診療報酬明細書 治療費を被害者もしくは加害者が立替払いした場合
休業損害証明書または所得証明書 休業補償や逸失利益算出のために必要。被害者が仕事に一切影響出ない軽傷の場合は不要になる場合もあります

任意保険は保険会社によって、請求書類の提出基準や各種書類のフォーマットが違う場合があります。必ず請求先の保険会社に問い合わせをして、指示に従って請求書類を揃えていきましょう。

任意保険に加入していれば、請求手続きを全て代行してくれる

交通事故による保険金請求で、事故の当事者自ら保険金支払請求書や損害賠償額支払請求書をはじめ、保険金請求に必要な書類を自ら取り寄せて自賠責保険や加害者の任意保険に個別に請求している方はごく一部です。

なぜなら、自分自身が任意保険に加入していた場合、事故担当スタッフが自賠責保険や加害者の任意保険の請求も含めて、手続きを代行・サポート・立替払いしてくれるからです

任意保険に加入している場合は、被害者、加害者の立場を問わず、加入している任意保険の事故担当スタッフに相談して、指示に従って必要書類を揃えて保険金請求しましょう。