車をぶつけたり、事故にあった時は、保険修理か実費修理で迷う人も多いと思います。
そうした際には、あらかじめ損傷状態に応じて概算の部位別修理費用の目安を把握しておく事が重要です。

ここでは、前面・側面・後面などの衝突以外で保険修理が発生するその他のケースについて紹介いたします。

その他の事故の傾向

自動車保険を使用して保険修理する時の大半は、自損や車相手などの事故によるものです。事故の場合は必ず車の外装に損傷を負いますが、こうした、外装をぶつけるといった事情以外でも、保険修理をするケースがあります

よくある事例と修理費用の目安について紹介していきます。

水没

車両保険の一般タイプに加入している場合は保険修理が可能となります。水没は全般的に多い事例で水害や、転落等で車が水没してしまう事です。近年は異常気象も多く、台風や局地的な豪雨で災害による被害も増えている傾向があります。

水没になった車は高額な修理代金がかかります。その理由は、車は多数の電装系装備を使っているからです。多数の各種配線を利用している車は、通常の雨で濡れないような部分が、水没で水を含んでしまうと、配線がショートしてすぐに故障してしまいます。

また、水没直後は車が調子良くても配線の接合部などが水没の影響で濡れてしまうと、徐々に錆が発生して、若干のタイムラグがあって故障してしまう事もあります。水没被害の場合は、冠水した配線をほぼ全て新品に交換しなければいけません。部品代自体は大した事ないのですが、車を片っ端からバラしていく手間がかかるので、工賃が高くついてしまいます。

水没では、ひとつの目安とし、シートの高さよりも高く冠水してしまうとより重症となります。古い車の場合は、車両保険の設定金額を超えて全損扱いになりますが、高年式の車の場合、全損扱いにはならず、修理を求められるケースが多いです。

●シート下までの冠水 修理費用:25万円〜40万円

シート下までの場合、生きている配線も比較的多いので、致命的となるダメージにはならないケースもあります。それでも安くて25万円前後の修理費用がかかってします。

●シート上までの冠水 修理費用:50万円〜70万円

ガッツリ冠水してしまった車は、ダメージを受ける部分や交換が必要になる配線も多くなり、多額の修理代がかかります。安くても50万円ほどかかってしまい、全損扱いとなるケースも多いです。このような重度の冠水はしっかり直しても、後にトラブルが発生するリスクが残ってしまいます。

タイヤのバースト

修理費用:1万円〜15万円

車両保険の一般タイプ(フルカバータイプ)に加入していれば、パンクに伴う、タイヤ代なども補償されます。ただし、タイヤ1本でしたら、費用もあまり高くない為ほとんどの人が保険を利用せずに実費でタイヤを交換しています。

タイヤの交換費用は車種やホイールのサイズ、タイヤのグレードなどによって大きく変わってきます。保険修理を利用するケースで多いのがタイヤのバーストです。突発的にタイヤが破裂して、空気が全て抜けてしまうバーストはホイールにダメージを受けるケースも多いです。

タイヤとホイールの交換が必要になった場合は、保険修理をした方がお得な場合も増えてきます。ホイールに関しては、1本単位で購入すると割高なケースもあり、社外品よりもメーカーの純正品の方がホイールの単価が高い傾向があります。タイヤやアルミホイールなどの交換が必要なバーストの場合は、各1本ずつの交換でも10万円を大きく超える事が多いです。

ルーフ(天井)の汚れ・ヘコみ

修理費用:3万円〜30万円以上

車のルーフは運転中にはよほどの事が無ければ傷つく事もあります。車で事故をおこした場合、よほどの衝撃がなければルーフは無傷となっている事が多く、衝撃や横転などで天井までボロボロとなった車は大半が廃車扱いになります。

しかしルーフの場合は、運転中ではないタイミングで傷付いたり汚れが出る事が多いです。代表事例は、駐車していたら近所で建築工事している業者が塗料を車の上から垂らしてしまったり、駐車中に近隣建物からの落下物などによる被害です。

ルーフに関しては、一部のオープンカーを除いてメインフレームの一部に含まれている事や、作業しにくい場所になり、部品単体での取り外しもできない為、とても厄介です。ちょっとしたヘコみの修理でも、普通のドア修理などより高く、セダンなどの車高の低い車よりもミニバンなどの車高が高い車の方が高額となる傾向があります。

また、車を売却する時はちょっとした傷などの補修であっても、修理をすると事故修復車扱いになり、中古車としての価値を大幅に失ってしまう可能性もあります。軽微なヘコみ程度で、売却予定時期が近い場合は、修理をしないほうが高く売れるケースもあります。

10円傷などによる、イタズラ

修理費用:20万円〜100万円

車の修理費用は、へこみの大きさよりも、傷付いた部位の範囲が重要です。10円傷のようなひっかき傷でも、複数のパネルをまたいだ傷では、とても高い高額の修理代金がかかります。

イタズラなどで、10円傷を車を1周するくらい付けられてしまうと、驚くような高額な修理代がかかり、ひどいケースでは100万円を超える修理代がかかる場合もあります。