交通事故で怪我を負った場合、どこで治療を受ければいいかご存知ですか?
はじめて交通事故で負傷した場合、通院先選びから迷う方も多いでしょう。

交通事故の通院先について詳しく解説します。

交通事故による負傷の通院先

交通事故で重症を負った場合は、事故現場で救急車が呼ばれ、総合病院など救急外来を扱っている病院に搬送されます。軽傷の場合は、事故現場で警察の現場検証やレッカーなどの事故処理を終えてから、被害者自身で通院先を探すことになります。

交通事故では、事故現場ではアドレナリンが出て痛みを感じない場合や、事故から一定期間が経過してから、症状が出たり後遺症を発症する場合があります。

事故で身体に衝撃を感じたら、まずは一度病院にいって検査するようにして下さい。
通院先は次のように選ぶとよいでしょう。

●整形外科
:ムチウチ、捻挫、打撲、切り傷、骨折(疑い含む)などの外傷

●脳神経外科
:脳震盪など頭に衝撃があった場合

●眼科や耳鼻科
:眼や耳を負傷、もしくは事故によって調子が悪くなった場合

●皮膚科
:火傷、皮膚の損傷など

このほか、整骨院や接骨院で治療を受ける事もできますが、まずはしっかりとした医療機関で検査を受ける事からはじめます。
診療科が間違っていても、病院やクリニックの医療機関であれば大きな問題はありません。

交通事故のほとんどは整形外科

交通事故による負傷は、身体の外側からの衝撃が原因になります。そのため、脳震盪など頭を負傷した場合を除いて、ほとんどのケースが整形外科での治療になります。どの診療科に行けばいいか分からない場合は、整形外科で検査を受けるとよいでしょう。

外傷による痛みの実感がなくても、レントゲンなどの検査や医師の診断を受けておく事が大切です。被害者の立場であれば、検査の結果無傷であっても、初回の受診料や検査費用は加害者の自賠責保険から補償されます。

まずは通院しやすい医療機関を利用する

交通事故による負傷の治療費は、加害者側の自賠責保険や任意保険によって支払われる場合があります。通院先の病院の指定はなく、医師が診察する医療機関であれば、どこに通院しても治療費は補償されます。

交通事故の賠償は治療費だけではなく、交通費も支給対象になるのですが、遠方への通院の交通費が認められるのは、担当医が指示した場合のみです。

そのため、遠方で評判の良い医者がいる病院に行きたいと思っても、交通費請求の事を考えれば自宅や勤務先・通学先などの、通院しやすい病院でまずは受診して、そこで対応できない場合は紹介状を書いてもらうなど、医師の指示のもとで通院先を遠方に変更するようにしましょう。

どこに通院していいか分からない場合は、保険会社に相談する

通院先でどこの病院やクリニックを利用すればいいか分からない場合は、保険会社に症状や身体で不安を感じている事を伝えれば、通いやすいエリア内で交通事故診療の実績がある病院やクリニックを紹介してもらえます。

できれば、加害者側の保険会社ではなく、自分自身が加入している保険会社に相談するとよいでしょう。加害者側の保険会社に通院先を手配してもらうと、保険会社と医療機関の間で、なるべく治療期間を短くするよう交渉が行われる可能性があります。

その他、交通事故の相談機関を利用する方法もあります。
(参考:交通事故の相談機関)

整骨院、接骨院を利用する場合

ムチウチなどの症状では、整形外科などの医療機関だけではなく、整骨院や接骨院で治療を受ける事もできます。しかし保険適用となるには、国家資格保有者による施術や、柔道整復師保有者の院長に診察を行っている、交通事故の保険適用の治療院を利用しなければいけません

整骨院や整骨院を利用するには、原則担当医が認めている事が必要です。しっかりした紹介状の発行はなくても構いませんが、整形外科など病院へ通院した際に、整骨院や接骨院も利用したい旨を伝えて、口頭でもいいので医師の許可や意見を得ておくようにしましょう。

後から加害者の保険会社から、整骨院、接骨院の利用の妥当性を問われた時に、医師に確認したなど、言い訳を用意しておく事が大切です。

また、整骨院や接骨院をはじめて利用する場合は、交通事故による負傷で保険適用を希望している旨を伝え、しっかりと相談しておくようにしましょう

保険会社は整骨院や接骨院の利用に対してシビア

交通事故の賠償金や保険金の支払いをめぐって、保険会社は整骨院や接骨院の利用に対して非常にシビアです。特に被害事故によって自賠責保険基準から賠償金が算定される場合は、治療期間だけではなく、通院などの実治療日数も慰謝料の算定に大きな影響を与えます。

交通事故の被害者の一部では、実際にはほとんど痛みが消えて完治しているのに、慰謝料請求を目的に保険金を多く騙し取ろうとして、不当に整骨院や接骨院への通院を繰り返す方がいます。

こうした背景があり、整骨院や接骨院の通院が長引くと、保険会社から治療の打ち切りを打診される場合があるので注意しましょう。