子供が車の免許を取得して、自分の車を買った場合、親が持っている自動車保険の等級を子供に引き継がせる事によって、家族全体の保険料を大幅に安くする事が可能です。
等級が高い契約を子供に引き継がせる
同居している子供が車を買った場合は、親の自動車保険の等級を引き継がせる事ができます(別居の場合は不可)。
年齢条件を低く設定しなければいけない子供は保険料が高く、特に新規等級だと割増率が高くなります。この場合、親の車の等級を子供に引き継がせて、親が新規で保険に加入した方が家族トータルの保険料が安くなるケースがあります。
参考程度に一つの例を紹介します。
ケース①:親の等級はそのままで、子供が新規加入
- 親=20等級、年齢条件35歳以上、車種:トヨタクラウン=年間保険料:5万円
- 子供=7等級新規(セカンドカー割引適用)、年齢条件:全年齢、車種:ホンダフィット=年間保険料:20万円
ケース②:親の等級を子供が引き継いで、親が新規加入
- 親=7等級新規(セカンドカー割引適用)、年齢条件35歳以上、車種:トヨタクラウン=年間保険料:7万円
- 子供=20等級、年齢条件:全年齢、車種:ホンダフィット=年間保険料:8万円
これはあくまでも例で、補償内容によっても変わってきますが、ケース①は2台合計で25万円の保険料なのに対して、②の場合15万円と約10万円も保険料が安くする事ができます。
このように親の等級を子供に引き継がせた方が保険料は安くなることが多いです。
等級を引き継ぐ場合の注意点
子供が新しく車を買う場合、親の保険の期間を気にせずに購入するケースが多いです。
この場合の親から子供へ引き継ぐ保険の期間と、新規で加入する保険の期間について紹介します。
親から子供へ引き継ぐ自動車保険の保険期間
親が既存で加入している保険を等級継承する為に子供が引き継いだ場合でも、保険期間は変わりません。
例えば残りの期間が3ヶ月だった場合、子供に引き継がせても、保険会社を引き継いだ場合は、残りの契約期間3ヶ月のままで引き継ぐ事が可能です。
この場合契約期間の内訳としては、親が9ヶ月間使用して、子供が3ヶ月間使用するといった計算で、保険料に差額が発生した場合は別途徴収・返金が行われます。
等級については、親と子供が合算して1年の保険契約期間中に保険を使用する事故を起こさなければ、更新時に等級が1つ進むことになります。
ただし、子供に等級を引き継ぐのと同時に違う保険会社に乗り換えてしまうと、それまでの契約期間がリセットされ、新たに1年の契約期間が設定されます。
この場合、等級は新たに1年の契約期間を無事故で過ごさないと等級は上がりません。引き継ぐ保険の契約期間中に等級ダウン事故で保険を使っていたら、事故により等級が下がった後の等級が引き継がれます。
契約期間が残っている保険を引き継ぐ場合は、まずは同じ保険会社で保険満期まで継続利用して、契約期間満了による更新時に違う保険会社への切り替えを検討すると良いでしょう。
この場合、親は新規に自動車保険に契約しなければいけません(11等級以上の契約があればセカンドカー割引適用の7等級新規)。新規契約した親の保険は、契約日から1年間無事故で過ごさないと、等級は進みません。