自動車保険を失効した場合の、その後の契約等級について紹介します。
自動車保険の等級引き継ぎはとても重要
自動車保険の等級は非常に重要となっています。新規の6等級の場合、年齢条件によって割引率が変わってきますが、26歳以上の場合で6等級新規の相場は9%の割引率となっています。最大の20等級の場合は約60%の割引率になるので、等級を引き継いでいく事はとても重要です。
正規の解約の場合は中断証明書を発行する
自動車保険は一度車を乗らなくなり解約をしたけど、今後また車に乗る可能性がある人の為に、中断証明書を発行する事で、次回契約時に中断した等級を引き継げる制度があります。
中断証明書の発行方法
任意解約、もしくは保険満了日での未更新の場合に、被保険者から保険会社に連絡を入れて、中断証明書の申し込み用紙を発行します。
氏名・住所、中断時の保険契約内容などの必要事項と、中断理由(それまで乗っていた車を買取業者に売却した等)や契約車両の売却先の情報を記載し保険会社に郵送で提出。その後、中断証明書が発行されます。
中断証明書の有効期限
発行から10年間が有効です。発行者本人でなくても、同居の親族であれば、中断証明書を利用して等級引き継ぎをする事が可能です。
中断証明書の申し込み期限
解約日もしくは契約満了日から13ヶ月以内
中断証明書を発行しない場合
中断証明書がなければ、新しく自動車保険を契約する時は6等級(セカンドカー割引適用で7等級)からの契約となってしまいます。
自動車保険が失効・無効になる場合
自動車保険は被保険者側の意向で行う任意解約や、更新をしない。などの正規の解約方法以外に、被保険者側の落ち度によって、保険会社側から一方的に、失効や無効扱いにさせられるケースがあります。
●失効となるケースの一例
被保険者が保険料を、度重なる催促があったにも関わらず支払いをしなかった場合
●無効となるケースの一例
- 故意に事故を起こして、保険金を受け取ろうという詐欺行為があった場合
- 怪我をよそおい、通院を繰り返して不正に保険金を受け取ろうとした場合
- 車が損傷していないのに、修理業者とグルになり不正に保険金を受け取ろうとした場合
- 申し込み時に、意図的に保険料を安くさせる為に有利な情報を保険会社に伝えていた場合
- 保険会社やその代理店を脅迫して契約した場合
失効や無効となる場合は、一度支払った保険料は、保険契約が無効になっても、返金されない事が多いです。
失効・無効になった場合は等級継承できない
失効や無効は、被保険者側にも落ち度があって起こります。この場合は例え20等級など割引率が高い等級だったとしても、その等級を含めて全て無効になってしまいます。
失効・無効になった場合は他の保険会社で再度契約をしようとしても等級を引き継ぐ事はできず、6等級もしくは7等級(セカンドカー割引適用)の新規等級扱いとなります。各保険会社は事故情報や、失効や無効・不正請求などの情報を共有していますので、悪質な内容だった場合、他の保険会社に契約をしようとしても引き受け拒否となる場合もあります。
保険料の未払でしたら、再度契約する際に保険料を支払う事ができれば、よほど常習犯でない限り、引き受けをしてもらえます。もちろん、失効、無効で保険を解約した場合は中断証明書の発行もできません。
6等級以下の契約だった場合
正規の手順の任意解約や、失効・無効などのケースでも共通しますが、既存の保険契約が6等級以下の場合は状況が変わってきます。5等級や4等級またはそれ以下になった場合は、6等級の新規で契約するよりも、割増料率となります。
例えば1等級の契約を、わざと解約や失効させて、その後すぐに他の保険会社に申し込みをして6等級新規で加入できると、5等級以下の等級制度の意味が薄れてしまいます。
こうした6等級以下の割増等級を簡単に、意図的にリセットできないように、解約や、失効・無効などで契約を失った場合でも6等級以下の契約は自動的に引き継がれる仕組みになっています。
割増等級が引き継がれるのは1年間
割増等級の保険を解約等をしてから、等級が引き継がれるのは解約日から1年間です。例えば1等級になってしまった場合、例え車を所有していても1年間、どこの保険会社にも任意保険を加入せずに過ごせれば、等級は6等級などの新規等級にリセットされます。
ただし割増等級になる人はそれだけ事故のリスクが大きいという事ですので、任意保険未加入で車に乗るのはリスクが大きいです。できれば一年間は車の乗るのを休む期間を作って等級をリセットさせるようにしましょう。