自動車保険は保険会社を変えると保険料が安くなる場合があります。

ただし契約が残っている保険契約の場合は、中途解約して他社に乗り換えてしまうと、年間保険料が安くなっても損をしてしまうケースが多いです。

自動車保険の中途解約の返戻金

自動車保険の契約期間の途中で他社に切り替える、車を売却するなどの理由で解約をすると、残存期間に応じて返戻金が発生します。ただし、この返戻金の計算方法は日割りや月割ではありません。中途解約の返戻金は「短期率」という計算方式が採用されています。

解約返戻金の計算式は、「年間保険料×(1-既経過期間に対応する短期料率)」となります。

●自動車保険解約時の短期率一覧

自動車保険解約時の短期率
〜7日 〜15日 〜1ヶ月 〜2ヶ月 〜3ヶ月 〜4ヶ月 〜5ヶ月
10% 15% 25% 35% 45% 55% 65%
〜6ヶ月 〜7ヶ月 〜8ヶ月 〜9ヶ月 〜10ヶ月 〜11ヶ月 12ヶ月
70% 75% 80% 85% 90% 95% 100%
解約返戻金の計算例

年間保険料10万円の場合を考えてみます。

●契約開始から2ヶ月半経過(残存期間9ヶ月超え)の場合

 解約返戻金=100,000 ×(1ー0.45)=55,000円となります。

●契約開始から5ヶ月超え6ヶ月以内(残存期間6ヶ月)の場合

 解約返戻金=100,000 ×(1ー0.7)=30,000円となります。

月払い(分割払い)の場合

年払いで契約している場合は解約返戻金が戻ってきますが、月払いで分割して保険料を払っている場合は、中途解約する事によって分割によって支払い済みの保険料と、短期率によって計算された保険料の差額を追加で支払わなければいけない場合もあります。

結果的には、年払いでも月払いでも中途解約をした場合は、保険料で損をする率は同等になっています

長期分割契約の場合は短期率が適用されないケースも

代理店方自動車保険が扱っている、長期分割契約(3年間などの長期契約)の場合は、中途解約時に短期率が適用されずに、月割計算となるケースが多いです。月割計算であれば中途解約のデメリットも少なくなります。

詳しくは申し込み時や、解約希望時に各保険会社の代理店に確認をしてみましょう。

自動車保険を切り替える時は満期で切り替える

自動車保険を他社に切り替える時は、今の契約の契約満了日まで待って更新のタイミングで切り替える事が最もリスクのない方法です。中途解約をすると、短期率によって返金分が少なくなります。

更に、自動車保険は等級によって保険料が決まってきます。通常は1年ごとの契約更新時に等級の設定が事故の状況で見直されますが、保険会社を替えて契約を切り替えてしまうと、等級を計算する期間がリセットされてしまいます

既存の契約が11ヶ月契約して翌月が更新月だった場合、既存契約を解約して他社に入れ替えると、本来1ヶ月後の既存契約満了日まで待てば等級が1つ上がって割引率が高くなる所が、他社に入れ替えをしてしまった事で、入れ替え日からまた1年無事故で経過しないと等級が上がらない状態になってしまいます。

保険料で見れば1ヶ月分の損かもしれませんが、等級を上げる為の無事故期間で見れば、11ヶ月分の損をしている事になります

このように保険料と、等級の期間の双方の面で、契約期間中の他社への入れ替えはオススメできません。