自動車保険は、一括見積もりサービスで安い保険を探すことはできますが、金額があまり変わらない場合、最終的にどの保険を選べばいいか迷うこともあるでしょう。

私も実際にそうでした。そこで私は、このサイトを監修して下さっているプロ(元自動車保険の販売員)の方に相談してみました

プロがどういった見方で選ぶのか、ぜひ参考にして下さい。

管理人が自動車保険のプロに相談

トト@運営者トト@運営者

一括見積もりしてみたんですけど、どの自動車保険を選べばいいのか迷っているんです。

ブルさん@元車ディーラブルさん@元車ディーラ

自動車保険は見積りを取るまでは簡単ですが、最終的に契約する1社を絞り込むのは難しく、次のような相談をよくされます。

「似たりよったりの見積りで差額が数千円くらいであれば、どこを選んでいいか分かりません。どこの通販型自動車保険が良いのですか?」

自動車保険は各商品によって一長一短があり、状況によって重視するポイントが変わってきます。
ここでは管理人さんの状況をモデルに、プロ目線での自動車保険の選び方を紹介します。

トト@運営者トト@運営者

それでは解説お願いします。

相談者(当サイト管理人T)の詳細

申込者情報
等級 14等級
前年事故件数 0件
事故あり係数適用期間 0年
年齢 34歳
年齢条件 30歳以上
運転者限定 本人・配偶者限定
免許 ゴールド
使用目的 日常・レジャー
保険期間 平成28年9月1日から1年間
車種 日産デイズ
申込者情報
等級 14等級
前年事故件数 0件
事故あり係数適用期間 0年
年齢 34歳
年齢条件 30歳以上
運転者限定 本人・配偶者限定
免許 ゴールド
使用目的 日常・レジャー
保険期間 平成28年9月1日から1年間
車種 日産デイズ

現在は車購入時にディーラーで加入した損保ジャパン日本興亜に加入されています。
今回、自動車保険の更新の案内が届き、67,540円の保険料でした。これは高い!


そこで、同じ補償内容で通販型自動車保険の一括見積りを利用した所、以下の回答があったそうです。

損保会社 年間保険料 削減保険料
損保ジャパン日本興亜(ディーラー加入継続) ¥67,540
ソニー損保 ¥28,140 (¥39,400)
SBI損保 ¥25,980 (¥41,560)
三井ダイレクト損保 ¥33,470 (¥34,070)
アクサダイレクト ¥30,150 (¥37,390)
おとなの自動車保険 ¥33,970 (¥33,570)
イーデザイン損保 ¥26,440 (¥41,100)

このように、通販型にするとだいぶ安くなる事までは分かったのですが、保険料に大差はなくどこを選べば良いのかアドバイスを求められました

通販型自動車保険の選び方

自動車保険の選び方は次のものがあります。

  • 保険料の安さ
  • 補償の手厚さ
  • 免責負担の少なさ
  • 事故の際の対応力
  • ロードサービス

通販型自動車保険に切り替える最大のメリットは保険料の安さです。特に今回の相談者T様は34歳で14等級なので、事故が少ない優良ドライバーで、かつ最低でも運転歴7年以上の中堅ドライバーである事が考えられます。

そのため、事故を起こすリスクが少ない方と判断できるので、万が一の「事故対応」よりも、保険料を重視した方がよいでしょう
通販型自動車保険は母体自体は大きい信頼できる企業・保険会社なので、事故を起こした際の最低限のサポートと保険金の支払いは補償内容に応じてしっかりしています

さらに、ロードサービスに関しては、等級、車種、使用目的から日用品の買い物と、近距離〜中距離程度のレジャーでの使用が中心に考えられるので、そこまで重視する必要はありません

スキーやスノボー、キャンプなど悪路を走る方や、通勤や業務使用で利用頻度や走行距離が多い方、はじめて車に乗る方で初歩的な不具合の対処も不安を感じている方は、ロードサービスの充実度を重視するとよいでしょう。

日常的な使い方での不具合程度でしたら、どこの自動車保険でも最低限のロードサービスが自動付帯されます。
このように、T様の使用用途、等級、車種を考慮すると、保険料の安さ、免責負担の少なさ、補償の手厚さを重視するとよいと言えます。

今回のポイントをまとめ直すと、次のようになります。

  • 保険料の安さ
  • 補償の手厚さ
  • 免責負担の少なさ

理想は、安くて補償がしっかりしていて、免責負担も少ない保険会社を見つける事です
相談者T様の場合は、せっかく一括見積りを取って概算保険料の結果が手元にあるので、保険料が3万円を超える三井ダイレクト、アクサダイレクト、おとなの自動車保険は、この時点で候補から除外しておきましょう。

年間5千円の差額でも、3万円前後の保険料では2〜3割の違いになるので、これからも払い続けることを考えると大きいものです。
念のため、ここで除外された3社も補欠候補として覚えておきます。

通販型自動車保険は「代理店型の大手損保と比べて事故対応が悪い」と不安を持っている方も多いですが、現在は通販型自動車保険のサービス品質も上がり、サポートから保険金の支払いまで、どこの保険会社を選んでも最低限の仕事をしてくれます

→通販型自動車保険の一括見積りはこちら

詳しい補償内容を決めて個別見積りを取る

一括見積りの結果から、現時点で次の3社に候補が絞られました。

  • ソニー損保
  • SBI損保
  • イーデザイン損保

2〜3社に絞り込みができたら、再度一括見積りではなく、個別に条件を同じように設定して見積り比較をしてみましょう。

そこで重要になるのが、細かい設定方法です。Tさんの状況に合わせて、付けた方がいい特約や補償内容の選び方について、実際にオンライン見積りを取りながら解説します。

ソニー損保の詳細見積り

ソニー損保のオンライン見積りサービスを利用して、具体的な条件の確認と申込内容を詰めてみました。

・対人賠償:無制限

これは必要不可欠な最低限の賠償保険なので、イジる必要はありません。

・対物賠償:無制限

ソニー損保は1,000万円〜9,000万円の上限付き契約と、無制限の設定ができます。対物賠償も事故の状況や相手によっては、1億円を超える賠償責任を負う場合もあります。

・対物超過:あり

対物超過は、主に車を相手に事故を起こした際に先方の車の修理代と、その車の時価評価額が合わない時に差額を補填する特約です。対物超過がないと車同士の事故を起こした際に示談交渉がまとまらない場合があります。

一昔前は通販型自動車保険は対物超過の設定が無い所が多かったですが、それを理由に代理店型大手損保を利用する方が多かったため、現在は通販型自動車保険も対物超過の設定ありがスタンダートになりました。ソニー損保では、現在対物超過が自動付帯になります

・人身傷害:5,000万円(車内のみ補償型)

人身傷害は運転者や同乗者が交通事故で死亡や後遺症、怪我をした時の補償をします
自動車保険の契約車両の車内にいる時に起きた事故に限定した「車内のみ補償型」と、他人の車を借りた時や歩行中、自転車に乗っている時の交通事故も補償する「車内+車外保証型」があります。

一括見積りサービスで出ている保険料は原則「車内のみ補償型」です。高校生以下のお子さんがいる場合は、「車内・車外補償型」にしておくと安心ですが、30代の大人のみが乗る状況であれば車内のみ補償型で充分でしょう。

・搭乗者傷害:1,000万円(傷害一時金あり)

搭乗者傷害は、人身傷害と同様、契約車両に乗っている方が事故で死亡、補償、怪我をした場合の補償をします。
人身傷害との違いは、搭乗者傷害の方が保険金を払うスピードが早く、示談交渉が成立する前でも、医師の診断結果が出た時点で保険金が支払われる点です。

入院や死亡、後遺症の際はお金がかかり、示談交渉がまとまるまで、数ヶ月〜数年かかる場合もあります。ここは、これまで損保ジャパン日本興亜でも加入していた条件と同じ金額の1,000万円に設定します。

通常の搭乗者傷害は、原則死亡か重度後遺症の場合のみ支払われます。傷害一時金とは、骨折なら一律10万円など怪我の症状に応じて保険金が支払われます。傷害一時金もありに設定しておくと安心です。

一括見積りサービスの補償プランでは、搭乗者傷害なしに設定されてる場合もあるので注意しましょう。

・車両保険:エコノミー150万円

エコノミーは「車対車+A」を意味します。金額設定は150万円、免責は0-10万円に設定しました。
14等級は3等級ダウンの事故を起こしても11等級までしか下がらないので、飛び石や軽い損傷でも、手軽に車両保険を使える環境があると安心です。そのためにも免責は0-10設定にしておくとよいでしょう。

一括見積りの回答は5-10万円など、1回目の事故から免責ありの設定になっている事がほとんどです。利用目的が日常レジャーなので、レンタカー費用特約はなし、身の回り品特約は10万円にセットしました。

・その他特約

・弁護士費用特約:あり
・おりても特約:5口
・ファミリーバイク特約:なし
・他社運転特約あり

弁護士費用特約は示談交渉がまとまらず、裁判に発生した場合に必要な弁護士費用を補償してくれます。

おりても特約はソニー損保独自の特約で、レジャーで出かけた際に、車から降りて観光やレジャーを楽しんでいる際に、カメラを壊したり、スポーツで自分自身が怪我したり、相手を怪我させた場合の補償をします。利用目的が日常レジャーなのと、付帯しても保険料が安い特約なのでセットしました。

ファミリーバイク特約は125cc以下のオートバイをお持ちの方にオススメです。他社運転特約は他人の車を運転して事故を起こした際に自分の自動車保険を使える特約です。

保険料:39,870円

車両保険免責金額の変更や、搭乗者傷害の追加、車両保険の掛金を150万円に設定した事が、保険料が高くなった主な要因です。車両保険の設定金額は、購入価格や市場価値を判断して、適切な金額に設定するようにしましょう。

このソニー損保の保険料をベースに、他の自動車保険も見ていきましょう。

SBI損保の詳細見積り

SBI損保の公式オンライン見積りを利用して、細かく補償内容を設定して見積りを取りました。
基本的にはソニー損保の補償内容と同じ条件に合わせるように設定しました。

・対人賠償:無制限

・対物賠償:無制限

SBI損保は、500万円、1,000万円、2,000万円、3,000万円、1億円、無制限の5つのプランがあります。迷わず無制限を選ぶようにしましょう。

・対物超過:あり

SBI損保では「対物差額修理費用特約」という名称です。特約を外す事もできますが、必ず付帯しておくようにしましょう。

・人身傷害:5,000万円(契約車両搭乗中のみ補償)

・搭乗者傷害:1,000万円

SBI損保は搭乗者傷害を付けると医療保険金(定額払い)が自動付帯されます)

・車両保険:車対車+限定A 150万円

車対車+限定Aは、エコノミータイプや車対車+Aと全く同じ意味です。SBI損保の車対車限定Aで問題になるのが、免責設定が5(車対車免ゼロ)-10万円の設定が一番優遇が大きいプランで、純粋な車両保険の1回目利用免責ゼロ特約の設定がない点です。

この場合、車対車の事故は保険期間中1回目の事故に限り免責ゼロになり、限定Aに該当する飛び石や災害による修理費用は、保険期間中1回目の修理は免責金額5万円が必要です。

相談者T様の愛車デイズのガラス交換費用は7〜8万円ほどなので、飛び石被害を受けた場合でも免責5万円の負担があると、自動車保険を利用しづらくなります。車両保険の免責金額がSBI損保の最大のデメリットになります。

・その他特約

・自宅・車庫等修理費用補償特約:なし
・全損時諸費用保険金特約:あり
・レンタカー費用特約:なし
・ファミリーバイク特約:なし
・自転車事故補償特約:なし
・弁護士費用等補償特約:あり
・社内外身の回り品補償特約:あり

SBI損保は特約の種類が豊富です。全損時諸費用保険金特約は、車両保険を付けているのであれば付帯したおくと安心です。
その他はソニー損保と同等条件になるように特約設定しました。

保険料:31,110円

一括見積りで最安値を提示した自動車保険だけあって、人身傷害など補償内容を充実させても保険料は安くまとまりました。
ネックは、車両保険の免責ゼロ特約が車対車に限定される事です。

イーデザイン損保の詳細見積り

詳細見積りを取る3社の中では唯一大手損保会社が運営母体にいる自動車保険です。
ソニー損保、SBI損保の詳細見積りの条件も考慮して条件設定をしました。

・対人賠償:無制限

・対物賠償:無制限

イーデザイン損保は、500万円、1,000万円、2,000万円、3,000万円、5,000万円、1億円、無制限の5つのプランがあります。迷わず無制限を選ぶようにしましょう。

・対物超過:あり

イーデザイン損保は対物超過は相手自動車1台につき50万円までと保険金支払い基準を明記してます。対物超過を外す事もできますが、必ず付帯させておくようにしましょう。

・人身傷害:5,000万円(搭乗中のみ)

イーデザイン損保は人身傷害に「女性のお顔手術費用特約」、「育英費用特約」、「入院時諸費用特約」と細かい特約設定を3種類用意してます。今回は全てなしに設定しました。

・搭乗者傷害:1,000万円
一時金払いの明記はありませんが、SBI損保や東京海上日動と同様に、搭乗者傷害を付けると一時金払いが付いてきます。

・車両保険:エコノミー150万円

車両保険の免責金額は通販型自動車保険としては珍しく0-0円設定(1年の契約期間中に2回事故を起こしても免責0円)の設定が可能です。ソニー損保と同様に、免責は0-10万円設定にしました。

車両保険には以下の特約設定があります。

・車両新価特約:なし
・身の回り品補償特約:あり(30万円まで・免責5千円)
・車両全損時諸費用特約:あり
・レンタカー特約:なし

イーデザイン損保のメリットは「車両新価特約」の設定がある事です。「車両新価特約」とは新車から3年以内の車限定の特約で、修理見積もりが新車代金の50%を超えた場合、無条件で新車の買い替え費用を補償してくれます。

この特約が付いていないと150万円で新車を買って100万円の修理が必要な大事故でも代替えではなく、原則修理対応(差額を自己負担すれば買い替えも可能)になります。
100万円かけて修理しても、大規模な事故修復車になり車両価値が落ちてボディー剛性に支障が出るリスクがあります。

車両新価特約は、従来大手代理店型自動車保険のみ扱いがあった、代理店の営業スタッフが新車購入者に通販型より代理店型を勧める口説き文句の定番にしていた特約です。
イーデザイン損保は運営母体が東京海上日動という事もあり、例外的に車両新価特約を扱っている通販型自動車保険です。

・その他特約

・弁護士費用特約:あり(300万円)
・他車運転危険補償特約:あり
・ファミリーバイク特約:なし

イーデザイン損保は車両保険や傷害保険で細かい特約の設定があるので、その他の特約は上記3つのみです。弁護士費用特約と他車運転危険補償特約は自動付帯になります。

保険料:32,150円

一括見積りに比べ保険料は5千円ほど高くなりましたが、車両保険免責ゼロ(0-10万円)を設定したり、傷害など補償内容もしっかり付けた条件なので保険料は安いと評価できます。

もし新車、もしくは新車から2年落ち以内の車の場合は、多少保険料が高くてもイーデザイン損保を選んで、車両新価特約を選ぶとよいでしょう。

相談者T様にはイーデザイン損保が最適

一括見積りから厳選した3社で詳細見積りを取った所、次の結果が出ました。

  • ソニー損保:39,870円
  • SBI損保:31,110円
  • イーデザイン損保:32,150円

まずこの見積りから、金額の大きなソニー損保は除外します。一括見積りでは保険料の差額が2千円程度でしたが、詳細見積りを取ると約8千円ほどの差が出ました。

2割以上の保険料の差があり、年間8千円とはいえ、事故リスクが少ない相談者T様の等級や免許の色を考慮すると、差額を払う価値は少ないと評価します

SBI損保とイーデザイン損保では差額が約1,000円です。SBI損保が最安値ですが、車両保険の免責ゼロが車対車に限定されてしまう事を考えると、プラス1,000円払って純粋な免責ゼロ(0-10万円)設定できた方がメリットが大きいです

14等級の契約で1等級ダウンの限定A(飛び石等)の免責がゼロだと、安心感が大きくなります。その他、イーデザイン損保は補償や設定の面でネガティブなポイントがなかった点も、選ぶ決め手になります。

もし、厳選した保険会社で詳細見積りを取って全ての保険会社に何かしらのネックがあれば、補欠候補に残しておいた保険も詳細見積りを取るようにしましょう。

まとめ

34歳、14等級、日産デイズにお乗りの方から、損保ジャパンから通販型自動車保険に乗り換えたいけど、一括見積りをした後、どこを選べばいいか分からないと相談がありました。

一括見積りの結果から安い順にソニー損保、SBI損保、イーデザイン損保に絞り込み、各社詳細見積りを取りました。その結果、SBI損保が最安値、イーデザイン損保が千円保険料が高い見積りが出ました。

SBI損保は車両保険の免責ゼロ設定が車対車に限定され、限定A(飛び石)で保険を使う場合は免責5万円を払う必要があります。このデメリットを考慮して、オススメはイーデザイン損保です

→通販型自動車保険の一括見積りはこちら