
私は2014年9月に中古住宅を購入しました。
内覧しに行った物件は50軒以上あり、自分自身でのネット検索を中心にこだわって物件を探しました。
ここでは、私の経験を中心に中古住宅の探し方と買い方をまとめました。
非公開物件はオマケ程度に考える
中古住宅は、大きく分けてネットの物件情報サイトなどに登録している「公開物件」と、不動産会社から直接紹介される「非公開物件」の2種類があります。また、公開物件・非公開物件それぞれに居住中と空家の2種類の現況があり、瑕疵担保責任の有無があります。
私の経験上、非公開物件は公開物件に比べて全体的に条件は良くないです。ネットで物件情報を探す時は、アットホームやスーモなど特定のアプリのツールに依存するのではなく、幅広い物件情報サイトを利用しましょう。私のオススメはレインズと連動性の高い不動産ジャパンです。
家を買う流れについては、入居時期をチェックしましょう。
公開物件と非公開物件
「非公開物件」と聞くと、特別な掘り出し物の物件情報があるのではないかと期待するものです。しかし、非公開物件のほとんどは公開できない理由があり、居住中や価格が割高など何かしらの問題を持っていることが多いです。
私が家を買うときに行っていた行動は、私自身がネットを中心に物件情報を検索して、気になる物件情報を見つけたらサポートしてくれていた不動産会社に手配をしてもらいました。
1日に数件の内覧を行い、私が見つけた物件のほかに不動産会社が周辺でピックアップした物件も一緒に回りました。しかし、数十件の公開物件と非公開物件を見た結論としては、非公開物件で購入を前向きに考えようと感じた物件情報はありませんでした。
非公開物件とはネットや折込チラシへの広告を出さず、不動産会社に相談しているユーザーのみに物件情報を紹介したり、不動産会社のWEBサービスに会員登録した人のみ閲覧できる家の売却手段です。
非公開物件で売り出す主な理由は次のとおりです。
- 居住中の物件
- 早期売却を考えていない
- 大規模修繕や告知事項あり(事故物件)など問題のある物件
一部で非公開物件でも条件の良い物件はありますが、全体的に公開物件よりも価格設定は割高に感じました。また、非公開物件は居住中の比率が高いです。
家を売ろうとしている人の立場で考えれば、本気で売ろうとしている家は公開物件にする理由が見えてくるでしょう。非公開物件を紹介してもらうことも大切ですが、基本は公開物件中心に探す心構えをもって、非公開物件は参考程度のオマケくらいに考えておきましょう。
空家と居住中
中古の一戸建てを探すときは、物件情報の現況が空家なのか居住中なのか必ず確認しましょう。居住中の場合は、受け渡し時期の明記も確認します。中古の一戸建ては建物の状態が重要なので、空家の方が安心して購入できます。
鉄筋コンクリート造のマンションであれば、建物の骨格そのものに欠陥のあるリスクは少なく、フローリングや壁紙の張替え、水回りのリフォームをすれば綺麗で安心して住める家にできます。木造住宅の中古一戸建ての場合は、雨漏れや家の傾きをはじめ構造上の重大な欠陥リスクがあります。
居住中だと内覧しても瑕疵に気づきにくいケースもあり、居住者も家に発生している問題に気付いていない可能性があります。できれば空家で第三者機関の検査を受けている物件をオススメできます。
家を売ろうとしている人の立場で見ると、空家にした方が売れやすいことは認識していても、仮住まいの用意と引っ越し費用をかけられないことを理由に居住中で売り出しているケースがあります。空家に比べて割安な価格設定にしているのであれば検討する余地があります。
ちなみに私の経験上、非公開物件は居住中にも関わらず、空家の中古物件相場に比べても割高な価格設定をしているケースが多かったです。居住中物件を買うときは、瑕疵担保責任(引渡し後に住宅の欠陥が見つかったときの売主側による保証)の条件をしっかり確認しておきましょう。
オススメの物件検索ツール
中古住宅に関わらず、不動産物件情報は様々な不動産会社の物件情報を閲覧できる物件情報サイトの利用がオススメです。アットホーム、SUUMO、HOME’Sなどが有名で、ほかにもYAHOO不動産やGoo不動産など、幅広いツールを活用することをオススメします。
私のオススメツールは以下の2つです。
■@nifty不動産アプリ
http://myhome.nifty.com/apps/
アットホーム、SUUMO、HOME’Sをはじめ、多数の不動産情報サイトの物件をまとめて閲覧できるスマホアプリです。ひとつのアプリで多くの情報を閲覧できますし、同じ物件でも不動産物件情報によって公開している情報や写真が違うこともあります。
複数の不動産情報サイトに登録している物件は、それぞれの情報も閲覧できるので使いやすいです。
たとえば、アットホームに広告を出しているA社の物件情報は室内の写真や番地の明記はないけど、SUUMOに広告を出したB社の物件情報は室内の写真が充実していて物件の明確な番地まで記載しているなどのケースがあります。
物件ごとに広告を出している不動産会社ごとの情報を比較できるので、求めている情報を得られやすくてオススメできます。
■不動産ジャパン
http://www.fudousan.or.jp/
全国9割の不動産会社が加盟している、不動産4団体から提供される物件情報を探せるツールです。アットホームやSUUMOなど大手の民間不動産情報サイトよりも掲載物件が多く、一部では非公開で売り出している物件の詳細をチェックできるケースもあります。
実は私が家を買ったときは不動産ジャパンの存在を知らずに、@nifty不動産アプリ、Goo不動産、大手不動産会社のホームページを中心に探していました。
その後、不動産ジャパンのサイトを知って、民間の不動産情報サイトの内容と不動産ジャパンの内容を見比べた結果、情報量が豊富でアットホームやSUUMMO、HOME’Sなどの大手不動産情報サイトよりも利用価値が高いと感じました。
もし、また家を買う機会があれば不動産ジャパンをメインツールにしたいと思っています。
大手物件情報サイトには掲載していない物件もある
私が中古住宅の購入を決めた物件は、@nifty不動産アプリを含めて、様々な不動産情報サイトをチェックしても掲載していない物件でした。
大手不動産会社のホームページで見つけた専任物件で、担当者になんでアットホームとかに載せていなかったのか?聞いたところ、次のように回答がありました。
「いや、いくつか載せていますよ。たとえばYAHOO!不動産のPC版とか・・・」
私はYAHOO!不動産をチェックしていませんでしたが、そもそも物件情報サイトの掲載内容に、PC版とスマホ版で違いのあることを知りませんでした。
また知名度の高い大手不動産会社が、私の中で三大不動産物件情報サイトだと思っていた、アットホーム、SUUMO、HOME’Sは利用せずに、ほかの物件情報サイトのみを利用するケースもあることに驚きました。
専任物件なので広告費を抑えていた可能性も考えられます。ただ専任物件の場合は、レインズ(業者専用の不動産ポータルサイト)に登録しないといけない決まりになっています。不動産ジャパンはレインズと全く同じではないですが連動性の高いツールです。
もし、最初から不動産ジャパンを使っていれば、購入を決めた物件情報をもっと早く見つけることができたのではないかと思っています。
スマホから大手物件情報サイトを閲覧する以外の方法を取ると、広告費を削減している物件情報を中心に良い物件が見つかるかもしれません。不動産ジャパンをはじめ、スマホ・PCから幅広いツール活用して物件情報を探していきましょう。
中古住宅を購入する流れ
中古の一戸建て物件はほとんどが仲介です。
マンションであれば業者が買取してリノベーションを行い売主直売物件にしているケースもありますが、一戸建ては圧倒的に仲介の比率が高いです。
仲介物件の場合、媒介契約(売主から仲介の依頼を受ける契約)を結んでいる不動産会社以外でも販売することができます。
私の場合は、最初に話をした不動産会社の営業マンが熱心だったので、気になる物件を見つけたら同じ不動産会社の人に物件情報を伝えて、さまざまな不動産会社が媒介契約している物件を1日に何件か内覧で回るように手配してもらいました。
まずはネットを中心に気になる物件情報をいくつかピックアップして、不動産会社に相談するときは他社の仲介物件を含めて候補になっている物件情報を伝えてみると、まとめて内覧の手配をしてもらえるので便利です。
購入する物件が決まったときに行う手順は以下の通りです。
- 価格交渉
- 購入申込書の提出
- 住宅ローンの審査(仮審査)
- 売買契約
上記の4つの項目の中では、売買契約のみ一番最後に行うことが決まっています。価格交渉、購入申込書の提出、住宅ローンの審査は、どの順番で行うか決まっていません。
私の場合、一度購入申込書を出したけど、周囲からの反対もありキャンセルをした経験があります。そのときは、不動産会社の営業マンから「新着物件なので約束はできないけど、値引きするように交渉してみる」と言われて、売り出し価格よりも100万円安い価格で購入申込書を提出しました。
購入申込書を出してから住宅ローンの仮審査を行いました。ローン審査は通ったのですが、キャンセルの連絡をすると先方にはローンが通らなかったと言い訳すると説明されました。
最終的に購入を決めた家は、不動産仲介会社と電話のやり取りを中心に価格交渉を繰り返して、価格の折り合いが付いてから購入申込書を提出しました。購入した家は若干予算オーバーだったため、安くしてくれないなら購入を見送ってほかの物件を検討する、というスタイルで交渉しました。
私は家を買った直後に実家の売却も経験しましたが、実家を売りに出したときは、購入希望者が独自に決めた希望価格で購入申込書を提出される案件が2件ありました。
価格交渉、購入申込書、住宅ローンの審査を受ける順番に明確な決まりはありません。
すでにローンが通っている状況であれば、価格交渉に応じてもらいやすいメリットもあります。時間のあるときはローン審査を先に済ませておくことをオススメしますが、購入を決めてもいいと思う物件があれば、先に購入申込書を出すと物件を仮押さえできます。
売り出し中の物件を買う権利は購入申込書を出した順番になります。すぐに売れてしまいそうな物件を見つけたら、なるべく早く購入申込書を出すようにしましょう。
このほか、家を購入する流れは中古、新築を問わず共通していることが多いです。こちらのページで家を買う全体の流れを詳しく紹介しています。
おわりに
中古の一戸建て購入を成功させるには行動力が大切です。不動産会社に相談して希望条件にあった物件をピックアップしてもらうだけではなく、自分自身でもネットで物件情報のリサーチを行いましょう。
私は不動産会社から自分で見つけられなかった物件を多数紹介してもらいましたが、購入候補の上位に残った物件のほとんどは自分で見つけた物件でした。
また、気になる物件をみつけたら積極的に内覧をしましょう。物件情報に掲載されている写真や間取り図だけでは分からないこともたくさんあります。
私が購入を決めた中古住宅も物件情報ではロフトの記載はありませんでしたが、内覧しに行ったら大型ロフトが付いていたことも購入する決め手のひとつになりました。アピールポイントを記載していない物件情報も意外なほどたくさんあるものです。
また、内覧で色々な中古物件を見ていくと、だんだん目が肥えて良い物件の見分け方や、本当に重視したいポイントが明確になっていきます。
私は家を買おうと思ってから購入物件を決めるまで3ヶ月以上の時間を費やしましたが、結果的に時間をかけたことで知識も増えて納得できる家を見つけられたと思っています。物件探しから購入まで最短距離を進もうとせず、多少は遠回りをしていくことも家探しでは大切です。