ブルさん@元車ディーラブルさん@元車ディーラ

私は家を買うときにマンションという選択をあまり考えていませんでした。
マンションは管理費と修繕積立金が取られるので、住むための費用が割高なイメージがあったからです。
しかし中古の木造住宅を買って2年住みましたが、今思えばマンションも悪くなかったかもしれないと思っています。
戸建てとマンションのメリット・デメリットはもちろん、私の価値観を中心にどっちがお得か検証してみました。

マンション?一戸建て?それぞれのメリット・デメリット


マンションと一戸建てのどっちがお得か比較する場合は、購入費用を含めた月々の支払い負担と、将来的な売却価値の2つのポイントがあります。

購入価格だけで見れば、マンションの方が駅前などの好立地でも安く購入できます。ただし、マンションは管理費と修繕積立金がかかるので月々の負担が大きいです。戸建ての場合は、修繕積立金がない代わりに、外壁塗装のメンテナンスを自分自身の計画で行う必要があります。

私の計算では一般的なマンションの修繕積立金よりも、自分で安くて信頼出来る塗装業者を見つけて塗り直した方がお得になります。

お得かどうかの観点では、将来売却する時の不動産価値がポイントになってきます。駅前の好立地マンションは買う時は高くても、数年後に購入価格より高く売れることもあるなど、リセールバリューが高いです。

また、マンションは主に鉄骨か鉄筋コンクリート造なので、建物の耐久性が高くて築年数が経過しても木造住宅より価値が下がりにくいです。ただし、マンションの場合は、立地や建てた時期が大きなポイントになり、中古の築年数が古いマンションは販売価格が安くてもオススメできません。

月々の支払いでどっちがお得か考える

マンションと一戸建ては管理体制が違います。35年ローンでの購入を検討している場合は、月々の支払い額でどちらがお得か計算してみると良いでしょう。

建坪30坪以下の木造住宅(駐車場付き)とマンションを比較する場合の例を紹介します。

■一戸建ての場合
ローン返済額 + 修繕積立金1万円

■マンション場合

ローン返済額 + 管理費 + 修繕積立金 + 駐車場代

木造住宅は一般的なシリコン塗料を使った場合、10年ごとに外壁、屋根の建て替えが必要です。外壁・屋根のリフォーム費用は、使う塗料や施工業者によってピンキリですが、相場は100万円~130万円ほどです。

10年ごとの塗り替えが必要とは言われていますが、多くの方は11~13年ごとの周期で塗り替えています。月々1万円を修繕積立金として考えておけば、大体のことは対処できるでしょう。

マンションの修繕積立金は、新築時が一番安くて築年数が増えるごとに少しずつ上がっていく特性があります。マンションの管理費は、管理人や共用スペースの維持費にあてられるので、一戸建ての場合は管理費負担がない分、マンションよりお得です。

マンションの場合は、限られた土地の中で階数が多くて総戸数の多い方が、修繕費用を総戸数で割り勘にできるため、お得な価格設定にしているところが多いです。また、中古のマンションを中心に管理体制が行き届いていなかったり、修繕積立金を有効活用できていないケースもあります。

管理費については、高ければ相応のサービスや共用設備が付いてくると思ってOKですが、修繕積立金が割高に感じるマンションや、メンテナンスが行き届いていないと感じる外観のマンションはオススメできません。

駐車場代については、首都圏の駅チカなど、好立地のマンションを買う場合や、子供が自立してセカンドライフとして住むマンションを買う場合を除いて、車を持っていなくても駐車場代を考慮しておくとよいでしょう。
特に若いファミリー層は購入時は車のない生活をしていても、子供ができると車の必要性が高くなります。

購入費用が多少高くても、総合的な月々の支払い額を見ると一戸建ての方がお得になるケースが多いです。

マンションは物件によって価値とお得感が変わる

マンションの耐久性は50年前後と言われていましたが、建築技術や素材の向上で、新しいマンションは100年ほどは持つと言われています。一部の大手ゼネコンでは、「300年や500年持つ」と高い耐用年数を売りにしているケースもあります。

少なくても築30年以上のマンションと新築マンションでは耐久性が大幅に違います。新築や築浅のマンションは、将来高く売れる可能性がありますが購入価格も高いです。

もし購入する予算の問題をクリアして、将来的な不動産価値を踏まえたお得感を重視したいのであれば、好立地の新築マンションを買うのが1番いいと思います。

古いマンションを買うと将来は価値がなくなる可能性も

マンションは鉄骨造や鉄筋コンクリートで骨格がしっかりしているので、古いマンションでも内装と水回りをリフォームすれば新築同様の綺麗な室内にできます。築年数の古いマンションをフルリノベーションしての販売も一定の需要があります。

私も古くてお買い得感のあるマンションの売り物件に興味を持って、長期間物件情報をマークした経験が数回あります。

最初はこれだけお得感のある物件であれば、すぐに売れるだろうと思っていたのですが、売れ残ってどんどん値引きしていくケースが多数ありました。
私がこれまで気になった築年数の古いマンションの売り物件動向を紹介します。

築34年のフルリノベーション物件

私の家と駅までの距離は変わらない土地の坪単価100万円ほどの立地で、築34年、2DK(48㎡)のフルリノベーション物件が当初1,890万円で売りに出されていました。エレベーター無しの4階建てで管理費5千円、修繕積立金は1万5千円なので、魅力的な価格設定に感じました。

ちなみに通りを挟んだ向かいに新築マンション(総戸数30ほどの4階建てで規模的にも同等)ができて、55平米で新築当初の販売価格は4,650万円でした。

気になった中古マンションの外観はベランダの手すりが錆びている所があり見栄えは悪いですが、内装はキッチン、お風呂、トイレ、玄関、洗面所をリフォームして、床と壁紙も新しいのでとても綺麗なフルリノベーション物件でした。

半年ほどすると一気に1,490万円まで値下げして、その後も売れ残り、最初に売り出してから2年ほどして最終的には1,290万円まで値下げして売れたようです(実際にそこから値引きされたかは不明)。

リノベーション販売を得意にしている業者が販売する物件でしたが、一体いくらで買取したのだろうかと気になりました。立地や間取りを考慮すると破格の条件ではありますが、今から買って20年後、30年後にはほぼ資産価値がなくなる可能性があります。

築48年の現状販売のマンション

次の物件は、私の住んでいる地域の最寄り駅から徒歩20分ほどで、坂の上にあるので土地の坪単価は65万円前後の立地です。近くの新築建売の場合、土地面積25坪ほどでも3,000万円以上で売りに出ています。

気になった売り物件は1棟のみの建物で名称にも「マンション」と付いていますが、造りはよくある団地のような、各ホールで2部屋の玄関がある複数の外階段がある造りです。3LDK(62平米)ほどのファミリータイプのマンションで、2年以上前から980万円で売りに出ています。

段階的に値下げして、直近半年以上前の段階で販売価格680万円になっていますが、今も売れ残っています。管理費と修繕積立金はともに約1万5千円ほどで合計3万円です。ずっと空家で売りに出しているので、オーナーは毎年36万円ほどを払っていることになります。

システムキッチンの用意はなく、お風呂も古い造りですが、壁紙のみ新しくしていて、買うならリフォームしたいけど、賃貸だったら現状で入居できる状況です。空家にした状態を維持して売りに出して大幅値下げしているのですが、少なくても2年以上は売り残っています。

仮に今すぐに売れても、これまで販売期間に払った管理費と修繕積立金の負担と、その他手数料を差し引いて600万円しか残らない計算です。

最初は立地もよくて割安なファミリー向けマンションなので気になりましたが、これだけ売れ残っていることを見ると、私は500万円でも買いたくないなと思います。

このようにマンションは古くなっていくと、どれだけ値下げしても売れ残ってしまい、管理費と修繕積立金の負担が重くのしかかるケースもあります。

好条件のマンションは高くてもすぐに売れる

駅から徒歩圏内の好立地で築年数の浅いマンションは、販売価格を見て割高に感じることがあっても、大体すぐに売れています。個人でも見れるレインズ情報など、取引価格の動向を調べても、高値で売れやすい傾向を確認できました。

中古マンションの販売価格や販売期間を見ると格差が大きく、最低でも土地の価格で底打ちする戸建てに比べて、マンションは高く売れるか安く買い叩かれるかの両極端な傾向がありました。

全体的に見ると、戸建ての方が売る時の価格はある程度想定できて、その地域の土地相場が崩れなければ適正価格で手堅く売れます。マンションの場合は人気の出ない条件が揃っていると、相当安くしないと売れません。

マンションは古くなると修繕積立金が増額になるので、空家にして売りに出すリスクも高くなります。つまり、将来的に売ることを考えると一戸建ては安定感がありマンションはギャンブル性が高いと表現できます。

マンションの特性

マンションは建築価格は高いですが、限られた土地の中で総戸数をたくさん分譲できるメリットがあります。駅チカなどの好立地で総戸数の多いマンションほど、土地単価が高くても、土地に対する負担額が少ないため、お得感が出やすくなります。

ただし、古くなって建て替えが必要な状況になっても、各部屋の保有者全員の同意がないと建て替えができません。つまり、マンションはどれだけ立地が良くて坪単価が高い地域でも、古くなっていくと価値が大幅に下落してしまいます。

マンションは一戸建て以上に耐久性が重要で、この先何年ほどで建て替えが必要な状態まで老朽化が進むのか考慮しないといけません。

まとめ

一戸建てとマンションは、月々の支払い額と将来的な売却価値の双方で、それぞれに一長一短があります。新築・中古でも状況が大きく変わってきます。
特に、土地の相場が安い不便な場所(一都建て・マンション)や築年数の古いマンション、総戸数の少ないマンションを買う場合は注意点が多いです。

私は新築マンションを購入する予算もなかったので、最初に購入した物件としては今の中古住宅を選んで正解だったと思います。月々の支払い負担額も少ないですし、土地としての価値も残るので将来的な不動産資産も確保できる見込みです。

ただ、実際に家を買った経験や、勉強や物件情報の長期的なリサーチをしてみて、マンションでもお得感のある物件はたくさんあると感じています。将来、今の二世帯を解消して新しく家を探す時は、マンションも積極的に検討してみたいと思っています。

このほかにも一戸建てには隣の家と壁一枚で繋がっているわけではないので、開放的で騒音が気にならないメリットがあり、マンションは鉄骨や鉄筋コンクリートなので木造住宅より断熱性が高いメリットなどがあります。

まずは値段や将来の売却時のことは置いておいて、それぞれの価値観の中で、一戸建てとマンションのどちらに興味を感じるかも踏まえて検討しましょう。