ブルさん@元車ディーラブルさん@元車ディーラ

家は賃貸に住み続けるよりも購入した方がお得だと私は考えています。
持ち家を持つと、メンテナンス費用や固定資産税など維持するための費用もかかりますが、家を買ってしまえば不動産資産を形成できるため、長期的に見れば賃貸よりもお得になります。

賃貸は気軽に引っ越しができて、大きな設備の修理やメンテナンスは大家負担で行ってもらえるメリットもありますが、長い期間住み続けても資産は残りません。

しかし、状況によっては持ち家よりも賃貸の方が良いケースもありますので、賃貸に住み続けるメリットも含めて購入と賃貸のどっちがお得か検証しました。

家を買うメリット・デメリット


この先、特定のエリアに住み続ける意思が堅ければ、賃貸ではなく家を購入することをオススメします。購入する家にもよりますが、10年くらい住めば売却価格でローン残債や頭金、諸費用相当額を回収できます。

35年ローンを組んで家賃感覚でローン返済を続けて完済すれば、35年後に建物の価値がなくなっても土地としての資産価値が増えます。賃貸は何年住み続けても資産価値が残りません。

また、賃貸の家賃相場よりも35年ローンを組んだ月々の返済額の方が安いメリットもあります。私も将来のことを考えて結婚して2年弱賃貸住宅に住んだあとにマイホームを購入しました。

しかし、賃貸にもメリットはあるので、購入、賃貸それぞれのメリット・デメリットを認識して慎重に検討しましょう。

家を買うデメリット

不動産会社はローン返済のシュミレーションを提示して賃貸よりもお得だとアピールしていますが、家を持つには以下のデメリットがあります。

  • 諸費用が賃貸に比べて高い
  • 外壁塗装や水回りのリフォームをはじめ、メンテナンスにお金がかかる
  • 固定資産税や火災保険など維持費が高い
  • 近所付き合いのトラブルや住環境に不満があっても気軽に引越しできない
  • 離婚など家族構成に変化があるときに融通がきかない

家を買った場合、諸費用や建物の減価償却(使用による価値の下落)の問題があり、短期間で売却すると大きな損失を出します。

家を買って損する事例

  • 離婚してすぐに売却した
  • 生活費を圧迫するギリギリのローンを組んで、転職や仕事の業績悪化で収入が下がってローンを払えなくなった
  • 将来を見据えて大きな家を建てたけど子供ができなかった
  • 転勤や転職で引っ越すことになった
  • 二世帯住宅で家を買ったけど、嫁姑問題で二世帯を解消した
  • 予算重視で不便な場所に家を買って、結局すぐに売って引っ越すことにした
  • 状態の悪い中古住宅を買って、大規模修繕や早期建て替えが必要になった
  • 地震で致命的なダメージを受けた

家を買って失敗する事例で多いのが、離婚や嫁姑問題など家族間のトラブルです。家を買うときは同じ家に住み続けるだけではなく、将来的に円満な家庭を維持できる自信をつけてから買うことも大切です。

近年は夫婦共働き世帯が増えていますが、離婚や子育てで妻の収入がなくなってもローンを払えるような計画で家を買うことをオススメします。

購入してからどのくらい住めば元を取れる?

土地の価格は期間に応じて僅かに変動しますし、家の設備や使用状況、売却方法(買取or仲介)によって家の売却価格は変わります。またローンの組み方や金利によっても残債の減っていくペースが変わります。

一例として、私の購入した家の条件でシミュレーションしてみます。

売却価格で家の元を取るためのシミュレーション

購入価格:2,650万円
諸費用:約300万円(入居時引っ越し費用含む)
購入直後に行ったメンテナンス費用:100万円(外壁塗装)
購入価格合計:約3,050万円

ローン:フラット35S(中古住宅用、当初5年0.94%、6年目〜35年1.54%)
頭金:500万円+諸費用、外壁費用
ローン元金:2,150万円
月々の返済額:当初5年=約6万円、6年目以降=約6万3千円

利息はローン元金が減るについれて少なくなっていきます。年利1%以下でもローン残存期間が長いと、6万円のうち毎月1万円以上の利息になります。おおよその平均として、毎年約72万円ほどのローン返済をして元金は55万円減っていく計算になります。

私の場合は頭金を多めに出して、月々の返済額を少なくしたローンの組み方をしました。

単純計算すると、8年弱住んでやっと購入時の諸費用と外壁塗装費用を月々の返済で補う計算になります。超低金利時代と言われて過剰に期待しましたが、35年ローンにすると、思っていた以上に利息の負担が大きくなるものです。

月々の返済で元金を減らしていき、購入時にかかった費用を含めて売却価格と相殺しようと考えれば20年弱必要になります。購入した家は中古住宅で、2,000万円以上は土地としての価値を期待できます。20年間ローン返済を続ければ、元金が1,100万円以上減る計算です。

私が購入した家の場合は、私が購入する前まで家賃12万円で賃貸に出していたそうです。家が古くなったことを考慮して家賃を10万円で計算しても月々のローン返済額より負担は少ないです。

賃貸であれば5年で600万円の賃料を払って何も財産が残らないことを考慮すれば、7〜8年住んでローン残債を減らした分と家賃よりもお得な分を考慮して、家を2,300万円くらいで売れば元が取れる計算になります。

■家を購入した場合
家を買う特に払った初期費用:800万円
7年住んで減る分の元金:385万円(55万円×7年)
賃貸の家賃よりも軽減される分:336万円(48万円×7年)
7年後の想定売却価格:2,300万円
売却時の仲介手数料:75万円(2,300万円×3%+6万円)
7年後に家を売って手元に残るお金:796万円(売却価格I(2,300万円)-ローン残債(1,765万円)+賃貸の家賃より軽減された分(336万円)-仲介手数料(75万円)

■賃貸に住み続けた場合
当初の貯金:800万円
退去時に還元される費用:0円(敷金と退去時の清掃・修繕費用を相殺)
手元に残るお金:800万円

家を購入→売却した際のお金と賃貸に住み続けた場合にかかる費用は、おおよその計算です。もう少し細かな点を含めると、おおよそ7〜8年住めば元は取れる見込みとなります。また、ほとんどのケースで10年ほど住み続ければ家を売っても大体元を取れる計算になります。

簡単な計算式ではないですが、数年後に売却したときの費用が賃貸に比べてどれだけお得なのか計算すると、割安感のある物件を見極められるようになります。

売却して元を取れる損益分岐点を過ぎれば、その後はローン返済を進めるに連れて資産が増えていきます。しかし7年未満で家を売却すると、賃貸に住んでいたよりも損をしたことになります。

途中で売却せずに35年住み続ければ、賃貸よりも年間48万円の安い負担額で一軒家に住めて、ローン完済すると土地として2,000万円の資産を手に入れることになります。長く同じ家や地域に住み続けるほど、早いタイミングで家を買った方がお得になる計算で、最終的には数千万円の差が出ます。

長く住めば、外壁塗装やお風呂やキッチンのリフォームで数百万円のメンテナンス費用が発生することもありますが、家を住むためのメンテナンス費用を含めても長く住めば賃貸より買った方がお得だと断言できます。

独身でも家(マンション)を買う人が増加中

生涯未婚率の増加もあって、都心を中心に独身の方をターゲットに、シングル向けのマンション販売を専門に扱う不動産会社が増えています。シングル向けといっても、ワンルームではなく1LDK以上の間取りが中心です。

結婚して子供ができても、1LDKあれば子供が小さいうちは家族3人で生活していけます。

子供が小学生以上になってからマンションを売って、一戸建てやファミリー向けマンションに引っ越す計画まで見据えておけば、将来的に結婚をするしないに関わらず賃貸に住むよりお得に資産形成できます。

将来は都心部と郊外で土地価格の格差が増える

総務省の出した予測によると、2010年には1億2,805万人いた人口が2048年には1億人を割り込む見込みです。
(参考URL:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc112120.html)

都心部では一定の人口密度を確保できる見込みですが、郊外の過疎化は時代とともに進んでいくことが懸念され、地域によっては将来的に土地の価格が大幅に下落する可能性があります。

20年後、30年後を見据えると、郊外で家を買うと土地の価格が下落して建物価値も老朽化で下落するので、家を所有しても資産形成できない可能性もあります。ただし、郊外の場合は現時点でも土地の価格は割安な水準まで下がっているので、家を買う場合でも取得費用は安いです。

賃貸で住み続ける場合の30年分の家賃と、家を購入して使いながら減価償却していく費用を考えれば、長く住むことを前提にどこの地域でも買った方がお得です。将来の人口推移を考慮すれば、購入費用は高額でも郊外より都心部の方が家を購入するお得度が高いです。

おわりに

私は家を購入して2年ほどなので、今売ったら大きな損失が出ますが、将来のことを考えると家を買って良かったと思います。賃貸の場合は今は良くても老後の不安があります。

私も35年ローンを組んだので先は長いですが、老後にはローン返済が終わって月々の費用なしに住む場所を確保できる安心感があります。また、20年後、30年後を考えれば、今の家を売って新しい家に買い換える選択もできます。

賃貸は突発的な出費が少なく、状況や気分に合わせて気軽に引っ越せるメリットがありますが、お得かどうかで考えれば長期間住むことを前提に、賃貸より買った方が断然お得だと思います。