
家を買うときにかかる費用は、概算で物件取得価格のおよそ1割と言われています。
私は2015年9月に2,650万円で中古住宅を購入しましたが、家を購入する諸費用は購入者や物件によって掛かる費用と不要な費用があります。
また、諸費用は節約できるものもあり、実際には物件購入価格の1割よりも安くまとめることも可能です。
私は住宅ローンを利用して、各種証明書発行をするなど、家を買った時の諸費用項目は多かったですが、色々と工夫して安くまとめました。
私の体験談(当時の明細書)を見ながら、家を買う時にかかる費用を紹介します。
諸費用を私の明細書を見ながら解説
上記の画像は、私が家を買って引渡し前に不動産業者の営業マンが発行した資料です。ちなみに、物件価格2,650万円に対して頭金を500万円+諸費用で2,150万円の住宅ローンを組んで購入しました。
すでに仲介手数料の50%や手付金など、支払い済みの費用もあります。一部で金額の誤っているものや、その後価格交渉等で金額の変わったものもあります。ここからは、実際に私が家を買った時の諸経費の項目と各費用をまとめました。
私の購入した家にかかった費用
物件購入価格:2,650万円
画像は2,500万円と印字されていますが2,650万円で購入して契約時に手付金で100万円払っていました。(50万円の差額は業者のミスです)
固定資産税:24,839円
家を買う時の固定資産税は、本年の支払い実績もしくは昨年の支払い実績や予測値に応じて日割りで計算されます。
私の場合は9月引渡し日だったので年額のおよそ3分ノ1弱を負担しました。固定資産税は交渉次第で売主負担は100%買い主負担になることもありますが、一般的なルールは日割り計算です。
契約印紙:10,000円
不動産売買における契約印紙は、1,000万円以上5,000万円未満で1万円です。契約印紙は契約する際に必要で現金で支払いました。通常は購入者、売却者それぞれに契約印紙を貼り、売主側の契約書の印紙代は売主が負担します。
私が実家を売却したときは、契約書に印紙を貼るのは売主・買い主合わせて1部にして、片方は契約書のコピーを受け取り1万円の印紙代を折半にしました。
仲介手数料:923,400円
一般的な仲介手数料は、法律によって定められた物件価格の3%+6万円です。さらに、仲介手数料には消費税がかかりますので、私が購入した物件は2,650万円の物件価格に3%+6万円に消費税8%を加えて923,400円でした。契約時に50%を支払い、引渡し日に残りの50%を支払いました。
仲介手数料は値引きすることも可能ですが、契約前から値引き要望を全面的に出すと、不動産会社は満足のいく対応をしてくれません。
私も価格交渉時に仲介手数料を値引きする話になりましたが、最終的には不動産会社が当初無理といっていた値引き条件を売主に納得させてもらい、仲介手数料は正規の価格で支払う条件に応じました。
登記費用:約34万円
登記費用は、印紙代などの手続き費用のほかに、司法書士への手続き代も含まれています。登記費用はその後、値引き対応をしてもらい、支払ったのはおよそ34万円ほどです。
銀行印紙:20,000円
住宅ローンを組むときに必要な費用です。ローン元金(契約価格)によって印紙代は変わります。不動産売買の契約印紙は軽減税率が適用されていますが、住宅ローンの契約印紙は軽減税率対象外です。
つまり、不動産売買契約書の2倍が銀行印紙の目安になり、ローン元金が少なくなれば銀行印紙費用は変わる場合もあります。(主に1,000万円、5,000万円が印紙代の変わるポイント)
銀行手数料:215,000円
銀行手数料は住宅ローンを組んだ場合にかかる初期費用で、利用する銀行や金融商品によって変わります。
私は楽天銀行のフラット35Sを利用しました。明細書には不動産会社のミスで、印紙代を含めた費用で記載しています。通常のフラット35は契約価格の2%が事務手数料の目安ですが、楽天銀行は1%だったので利用することにしました。
家を買う諸費用の中でも、銀行手数料は大きいので、ネットバンクなど事務手数料の安い銀行を探してみるとよいでしょう。
振り込み手数料:1,728円
受け渡し日は売主、買い主が顔を合わせて行いますが、基本的には大きなお金なので、現金ではなく銀行振込で送金履歴の残した取引をします。
火災保険:約150,000円
私は不動産会社の用意した火災保険ではなく、一括見積サービスを利用して最安値だったセコム損保と10年15万円の契約を行いました。火災保険の契約始期は引渡し日ですが、支払うタイミングは契約後日になります。
以前の火災保険は35年の長期契約も可能でしたが、2015年10月の改訂で最長で10年契約までしかできなくなりました。私が家を買ったときは35年契約も可能でしたが、銀行から最低で10年分の火災保険に加入しておくルールがあったため、10年で火災保険に加入しました。
住宅ローンを利用する場合は、基本的に10年契約を求められます。火災保険料は契約期間、建物の構造、補償内容によって保険料は大きく変わってきます。
フラット35適合証明書:54,000円
フラット35を利用するには適合証明書が必要です。私は新耐震基準(昭和58年4月1日以降、築2年超え)の中古住宅を購入し、フラット35Sに適合できる物件でした。フラット35Sを利用するには、その他の項目で紹介しているフラット35S用の耐震基準適合証明書も必要でした。
耐震基準適合証明書:100,000円
私は築22年の中古住宅を購入しました。本来は木造住宅の築20年超えは住宅ローン控除の適用外ですが、耐震基準適合証明書を取得できたので、住宅ローン控除を利用できました。
フラット35Sと住宅ローン控除の耐震基準適合証明書は別のものになり、フラット35Sを利用できる中古住宅でも、住宅ローン控除を利用できない場合もあるので注意しましょう。
木造住宅は築20年を超えると、住宅ローン控除を利用できないか初期費用が高くなるデメリットがあります。
その他(フラット35S用耐震基準適合証明書):50,000円
中古住宅でフラット35Sを利用する場合は、以下のいずれかを証明する書類を提出する必要があります。
- 断熱等性能等級4の住宅
- 一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
- 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
- 免震建築物
- 高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
- 劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同住宅等については、一定の更新対策が必要)
私は3番の耐震等級を証明するフラット35S用の耐震証明書を取得しました。
明細書以外の必要費用
明細書のほかに、家を購入して引っ越しをするには以下の費用がかかります。
私の場合に必要だった費用を含めて紹介します。
引っ越し費用:0円(自分で引っ越しをしたため)
引っ越し業者を利用すると、利用業者や荷物の多さによって費用がかかります。私は知人から軽トラックを借りて、重たい荷物を運ぶために友人にも手伝ってもらい自分でやりました。
新築の場合は、素人が引っ越しをすると家を傷つけるリスクもあるため、ほとんどの方がプロの引っ越し業者を利用しています。
家具、家電購入費用:30万円
賃貸から持ち家に引っ越しをすると、家具、家電を新調したくなるものです。私は冷蔵庫(15万円)を新品購入し、あとは細かいものを買うくらいで大半の家具は前に住んでいた家のものを運びました。人によっては100万円以上かけて、家の中の設備を整える方もいます。
私の購入した家はエアコンが3台残してくれたままだったので、新規にエアコン購入する必要はありませんでした。新築・中古ともにエアコンの付いていない(外されている)家もあるので、購入時にチェックしておきましょう。
リフォーム費用:約100万円
主に中古住宅購入時に家の状態に応じて必要になります。私の購入した中古住宅は外壁塗装の塗り替え時期だったため、購入後外壁塗装工事をすることを想定して購入しました。家を買って1年後に外壁塗装工事を行っています。
古い中古住宅を購入する方の中には、お風呂やキッチンなど大規模リフォームを前提に考えて購入する場合もあります。
私が家を買う時に実際にかかった費用
■総額
住宅購入価格:2,650万円
固定資産税:24,839円
仲介手数料:923,400円
契約印紙:10,000円
登記費用:約340,000円
銀行印紙:20,000円
銀行手数料:215,000円
振り込み手数料:1,728円
火災保険:約150,000円
フラット35適合証明書:54,000円
耐震基準適合証明書:100,000円
フラット35S用耐震基準適合証明書:50,000円
家具・家電購入費用:約300,000円
リフォーム費用:約1,000,000円
合計約29,688,967円
内訳
住宅購入価格:2,650万円
諸費用合計:1,888,967円
入居費用合計:1,300,000円
■家の引き渡し日よりも前に払った費用
手付金:100万円
仲介手数料50%:461,700円
契約印紙:10,000円
銀行印紙:20,000円
合計:1,491,700円
■引き渡し日に払った費用
頭金残額:400万円
仲介手数料50%:461,700円
銀行手数料:215,000円
振り込み手数料:1,728円
フラット35適合証明書:54,000円
耐震基準適合証明書:100,000円
フラット35S用耐震基準適合証明書:50,000円
■入居後に支払いをした費用
火災保険:約15万円(契約日は入居日、後日引き落としのため)
家具・家電購入費用:約30万円(一部入居日前に購入した商品もあり)
リフォーム費用:約100万円(家を購入した翌年に外壁塗装工事着工)
合計:約145万円
おわりに
私は2,650万円の家を購入したので、物件価格1割の265万円ほどの諸費用を見込んでいました。しかし、実際にかかった諸費用は200万円を切って嬉しい誤算でした。諸費用の安くなった要因は、住宅ローン事務手数料の安いネットバンクを利用したことと、火災保険料を安い保険会社で最低限の補償内容に抑えたことです。
築20年超えの中古住宅だったので、各種証明書の取得費用は高く付きました。諸費用は火災保険や銀行手数料など節約できるものもありますし、各種証明書などお金をかけておいた方が、家を買った後の金利や住宅ローン控除が優遇されて有利になるものもあります。
家を買うときの諸費用は、安くすれば物件価格の6〜7%くらいにまとめることも可能ですが、条件次第では1割ほどかかります。1割の基準はあくまでも高く見積した場合の目安になりますが、家を購入する段階では、1割の諸費用はかかるものと想定しておいた方がいいでしょう。