ブルさん@元車ディーラブルさん@元車ディーラ

マイホーム購入は人生で1回あるかないかの大きなイベントです。
最終的には予算やエリアなど希望条件を満たした中で、気に入った物件を買うことが大切ですが、割高な物件は買いたくないと思うものです。
家の相場を理解して、後悔しない物件選びをするコツを紹介します。

家を買うときに気になる購入相場の調べ方


家の相場は地域ごとに異なりますし、周辺環境を踏まえた細かい立地や建物の設備や構造(建築費用や老朽化の状態)によって大きく変わってきます。

建売住宅を専門に1,000棟以上の新築分譲住宅を販売しているパワービルダーと呼ばれる業者は、2,000万円〜4,000万円の新築を中心に扱っています。

年収300〜450万円の平均所得の方でも35年ローンを組めば、賃貸の家賃と同等程度の支払い(毎月の返済額)の負担で住める家が売れ筋です。

パワービルダーなど建売を専門にしている大手が手がける新築一戸建ての建物価格の平均は1,000万円ほどです。つまり、その地域の土地相場+1,000万円の予算があれば建売で新築購入が可能です。

家の相場を知る場合は、新築の販売価格はとても参考になります。中古住宅の購入を検討している方も、相場を知る意味で新築物件情報もチェックしておくとよいでしょう。

物件情報の動向をチェックする

購入希望エリアの家や土地、マンションの相場を知るには、物件情報を長期的にチェックするとよいでしょう。新築、中古を問わず、家の販売価格は当初は相場より高めに設定して、売れ残ると少しずつ値下げをしていく手法が定番です。

物件情報を見るだけではなく、その後売れるタイミング(広告掲載からなくなるまで)や販売価格の値下げの推移を見ていくと、おおよその相場が見えてきます。

希望エリア内の物件は、希望条件に合わなくて購入候補から外した場合も、値下げなどの動向を追いかけながら、各物件ですぐに売れるか売れ残って値下げをしていくか予想してみてください。

私は2年前に家を買って、その後も趣味のような形でエリア内の物件情報を定期的にチェックしています。だんだん目が超えてきて、すぐに売れるのか今の販売価格よりも値下げするのかの予想精度が高くなってきました。

売り物件に対して、すぐに売れるのか、売れ残って値下げするのかを理由も考えながら予想していくと、本当に良い物件情報が出た時に適切な行動を取れるようになります。

人気物件の条件

人気物件の大半は立地の良い家です。
1番重要なのは駅までの距離です。そのほかにも以下の条件は人気が高いです。

  • 市町村の財政(子育て支援の充実など)
  • 周辺施設(公園、商業施設など)
  • 騒音(線路沿いやトラックの通る通り沿いは安い)
  • 坂道の多さ
  • 日当たり
  • 治安や平均学力

まずは、あなたの求める希望物件の条件と、全体需要の高い人気物件の条件を区別して考えるようにしましょう。たとえば、子供のいる家庭やこれから予定がある若いファミリーの場合は、子育て支援の体制や治安、平均学力を重視するとよいでしょう。

市区町村の堺目では、利便性に大差はなくても、住所が子育て支援の充実している○○市と、治安や平均学力の評判が良くない△△市で家の相場は変わってきます。子供を考えていない方や、すでに子育てが終わった50代以上の方は、市町村の財政や治安、学力は重要なポイントにはなりません。

相場の安い立地でいいと考える場合でも、人気の低い条件であれば強気な価格交渉をすることができます。

売り物件の情報を見ていて、相場より高いと感じたのにすぐに売れる物件があれば、あなたには感じない人気物件の条件が揃っていた可能性が高いです。自分の希望する条件だけではなく、全体需要の高い物件の条件を見極めると、適正相場や相場より安い家を見つけやすくなります。

住む家を探す場合、人気物件の条件にこだわりすぎない

私は神奈川県在住で、ローカルラジオのFMヨコハマをよく聞きます。毎週木曜日の朝に、大手不動産コンサルティング会社の「CFネッツ」という会社の社長が「ここが知りたい不動産」というコーナーを持っていて、家選びのコツについて以下のように解説した話が印象に残っています。

「投資物件として運用する場合は相場を調べることが大切で、人気が高く将来的な売却益(キャピタルゲイン)なども考慮して取得する物件選びをするべきです。しかし、居住用としてこの先何十年も住む予定の家なら、人気の条件よりも自分の気に入った物件を買うことが大切です。

人気の低い利便性の悪いエリアでも、自然が豊富で静かで住みやすいメリットもありますし、必ずしも人気条件を兼ね備えた家が、あなたにとって住みやすい家とは限りません」

この話を聞いて私も正論だと感じました。しかし、購入する物件を絞り込むまでは人気条件にこだわりを持つ必要はなくても、実際に購入を決めたり価格交渉をするときは相場や人気条件の有無を把握しておくべきです。

たとえば、人気の条件は少ないなかで相場より高い価格設定で売りに出ていれば、すぐに売れる可能性は低いのでゆっくり検討できますし、強気な値引き交渉に応じてもらえる可能性があります。
人気条件を兼ね備えていると、すぐに売れてしまう可能性が高く、値引き交渉に応じてもらえないことも増えてきます。

つまり、家を買う手順は以下の流れが理想です。

  1. まずは自分の住みたいと思う物件情報やエリアを絞り込む
  2. 気になった物件やエリアの人気条件の有無を踏まえて適正相場を見極めて購入時期や価格交渉を行う

「土地の相場×土地面積+建物価値」で適正価格を算出する

私の経験上、家の相場を知る一番確実な方法は、時間をかけて購入検討エリアの物件情報の動向を追いかけることです。リサーチ時間を費やすほど、その地域の相場を理解できて、人気の条件やすぐに売れる家と売れ残る家の見極めができるようになってきます。

しかし、家を買おうとしている人の中には、思い立ってからすぐに買いたいと思っているケースもあるでしょう。今の賃貸住宅の更新時期や、子供の進学するタイミング、仕事の都合など理由はさまざまですが、必要な時期にスピーディーな行動を取ることも大切です。

時間をかけて売り物件情報の動向を追いかける時間のない場合は、以下の方法で家の適正相場を調べましょう。

  1. 土地や建売の販売情報や取引事例、近隣や不動産会社への聞き込みをして、土地の坪単価の相場を調べる
  2. 気になる物件の土地面積(坪数)と坪単価の相場によって、土地としての概算価値を計算する
  3. 売り出し価格 - 土地の概算価値 の計算式で建物の価格設定の概算値を算出する
  4. 建物の概算価値と築年数や設備、施工会社などを考慮して家が適正相場なのか判断する

新築建売物件の場合は、売れ筋のコストパフォーマンスを重視して建てた家の場合、建坪20坪〜30坪の家でおよそ1,000万円です。デザイナーズ住宅やブランド力のある大手ハウスメーカー施工、天然無垢などの高級素材を使って建てた家は、相場より高くなります。

中古の場合は、不動産会社に相談して建築当初にどれくらいお金のかかっていそうな家なのか聞いてみてもよいでしょう。そこから築年数による減価償却分、現在の建物の状態や今後のリフォームの必要性を考慮して、建物にいくらくらいの価値を感じられるのか見極めましょう。

中古住宅の場合、土地の価値よりも建物の価値を見極めることが難しく、売主の意向で価値の低い家を相場より高い価格で売り出していることも多いです。

中古住宅を買うときは、希望エリア以外の売り物件も土地と建物の価格内訳のおおよそを計算して、さまざまな中古住宅の建物価値の概算値を知ると適正相場を理解できるようになります。

また、仲介を行っている不動産会社の担当スタッフに「この家は土地としての価値はいくらくらいですか?」などとストレートに聞いてみてもよいでしょう。
土地相場を含めた根拠のある回答をしてくれない場合や、自社の販売する物件を売る時は誇示表現した家の価値を説明してくる不動産会社は信用できません。

相場を見極めるためのサポートで信頼できなければ、購入相談する不動産会社を変えてみてもよいでしょう。

おわりに

家の相場は物件やエリアごとに適正値がありますが、完璧に見極めようとすれば相応の知識や経験も必要です。
家は立地や状態など物件ごとに相場が違うので、周囲の友人、知人に「家はいくらで買った?」などと聞き込みをして得た情報は、年収に対していくら位の家を買うのが妥当か判断する材料にはなりますが、家の相場とは関係のない情報です。

すでに出ている売り物件の情報や取引事例、不動産会社への聞き込みを行って、土地と建物のそれぞれの相場の在り方を調べるようにしましょう。

私の経験上、時間をかけて物件情報の動向を追いかけたり予想するほど、相場を見極めるスキルは高まります。なるべく家の購入時期よりも早い段階で売り物件情報のチェックをはじめるとよいでしょう。

オススメはスマホアプリの活用です。不動産物件情報サービスのスマホアプリを利用すれば、エリアや価格帯、新築、中古など希望条件を保存できて、アプリを開くだけでリサーチしたいエリアの物件情報の一覧が表示されます。

スマホアプリを入れて時間のある時に眺める習慣をつけると、手間をかけずに物件情報の動向を追いかけられます。