
私は2015年9月にフラット35Sを利用して家を買いました。
私の周りでも、みんな35年ローンで家を買っています。
近年は変動金利の需要が高まっていますが、私の場合はローン審査の兼ね合いや将来的な不安もあって固定金利を選びました。
私が家を買う時に重視したローンのポイントを含めて、ローンの組み方や注意点を紹介します。
住宅ローンを組むときのポイント
住宅ローンを組む時のポイントは以下の通りです。
- ボーナス払いの有無
- ローン期間の選定
- 固定金利か変動金利か?(ローン商品の選定)
- 利用する金融機関の選定
- 夫婦で共同債務にするか(持分比率の選定)
若いファミリーの場合、ボーナス払い無しの35年ローンが人気です。公務員であればボーナス払いをつけてもいいですが、民間企業に勤務している場合は、将来的に安定してボーナスを支給されるとは限りませんし、何かしらの理由で転職する可能性もあります。
ボーナス払いを併用すれば月々の返済額を安く設定できますが、返済できなくなるリスクが高いためオススメできません。
最近の住宅ローンは、手数料無料で繰り上げ返済できる商品が増えているので、ゆとりを持った返済計画にして繰り上げ返済をしていく方法が人気です。
固定金利と変動金利はどっちがお得?
固定金利と変動金利を比べると、全体的に変動金利の方が安いですが、将来金利上昇によって返済負担が高まる可能性もあります。一般的には将来的に金利は上がっていくと言われていますが、将来のことは誰にも分かりません。
現在は大規模な金融緩和によって、歴史的に見て史上最大級の超低金利時代になっています。物価情報2%の目標を達成できず、大規模緩和が当初の想定より長引いていていて、今後は徐々に金利が上がっていくかもしれないですし、今の金融緩和が長く続くかもしれません。
私は2015年9月に住宅ローンを組んで家を買いました。当時は今の金利は過去の推移を見ても最低水準で、今後は金利が上がっていく見込みと言われていました。しかし、家を買ってすぐの2016年1月に日銀からマイナス金利政策の発表があり、住宅ローンの金利は全体的に大きく下がりました。
近年は低金利時代の長期化によって、変動金利を選ぶ方の比率が高まっています。以前は全体の7割は固定金利を選んでいるデータがありましたが、2015年9月に発表した住宅金融支援機構の発表によると、変動金利を選ぶ人は50%を超えました。
各金融機関によるデータや傾向を見ると、常時変動金利のシェアが50%を超えているとは断言できませんが、おおよそ40〜50%の方が変動金利を選んでいます。
変動金利のルール
すでに変動金利を利用している方でも、細かいルールを把握していない方が非常に多いです。変動金利には5年ルールと1.25倍ルールがあるので、債務者の負担はそれなりに守られています。
変動金利は半年ごとに金利の見直しをしていますが、債務者の支払い負担は5年ごとに見直しをされています。つまり、全期間変動金利を選んでいたとしても、ローンを組んでから5年の金利は固定されています。
また、5年ごとに見直される金利に応じた返済額は、前回までの返済額に対して1.25倍以上は増えない上限を設けています。たとえば月々の返済額10万円だった場合、金利の上昇でいきなり15万円に返済額が増えることはありません。
しかし、10年や20年など長期的に見れば、金利や返済額が大幅に上昇する可能性もあります。ただし、10年や20年経過すればローン元金が減っているので、金利上昇分に対して返済額が上がる幅は、これからローンを組む時に試算する金額よりも少なくなります。
■変動金利と返済額の一例(ボーナス払いなし)
・3,000万円を0.7%で35年ローン組んだ場合:80,556円/月
・3,000万円を2.2%で35年ローン組んだ場合:102,485円/月
・3,000万円を変動金利35年ローンで20年後に2.2%になった場合:90,450円/月
可能性は低いですが、短期的に大規模な金利上昇があると、10年後には当初の返済額の1.5倍になる可能性もあります。一部の評論家では将来的に金利は4%台まで上昇すると予想している声もあり、変動金利は相応のリスクがあります。
ただし、短期的に大幅に金利上昇すると、国内はパニック状態になって、ローン返済できない家庭も続出します。国はある程度は変動金利を組んでいる人を守るような政策を取ることが濃厚です。
変動金利は生命保険込、固定金利は団信別
住宅ローンは商品によって、金利に生命保険料が含まれている場合と、別途団信(団体信用生命保険)の加入を義務付けているケースがあります。変動金利は生命保険料込、固定金利(フラット35など)は生命保険は別負担で団信への加入を義務付けているケースが多いです。
団信の手数料相場は金利0.3%ほどです。生命保険料の負担を考慮すると、変動金利の方がお得感は高いです。なお、フラット35の場合、2017年9月より団信の保障内容がアップデートされています。
参考:http://www.flat35.com/topics/topics_201703_danshin.html
住宅ローンの生命保険は、万が一債務者が死亡や働くことが困難な重大な疾患にかかってしまった時に、ローン残債分を補償する保険です。掛け捨てになり、ローン元金が少なくなるほど保険金額も減っていく仕組みです。
生命保険の補償内容や負担額も含めて住宅ローンを組みましょう。
私が楽天銀行フラット35Sを選んだ理由
私は自営業をしていて、年収はサラリーマンに比べて低いです。単独でのローン審査が難しかったため、妻と共同債務でローンを組んで、持分比率も妻の方が高いです。つまり、ローン名義人は妻で、私は共同債務者の立場です。
共同債務者でローンを組む場合、生命保険は名義人しか補償されません。金利や利息負担を考慮すると、変動金利の方が魅力的でしたが、変動金利だと私が死亡した時にローンの保険金が支払われない問題がありました。
フラット35の団信加入を検討しましたが、フラット35を利用して妻と私の2名で団信に加入すると、保険料負担も高額になります。
そこで、フラット35の中でも団信加入を義務付けていない楽天銀行を利用しました。楽天銀行を選んだ理由は団信に入らなくても良いことのほかに、初期手数料の安いメリットもありました。
私の場合は、2,650万円のセミ2世帯の中古住宅を購入し、ローン元金は2,150万円でした。
家を購入してから実家の親を呼んで、実家の売却も検討していました。実家は高値で売れる状態ではなかったですが、土地代として最低でも1,000万円は手元に残り、売却資金はローン返済に充てる約束をしていました。
私が死亡した時の必要な補償額は1,150万円だったため、団信には入らずに終身生命保険1,000万円で加入して、万一のリスクをカバーしたのが私の選んだ方法です。
終身生命保険は月々2万円ほどかかっていますが、60歳の満期を迎えると累計で支払った保険料の100%以上戻ってくるので、貯金のつもりで払っています。
ローン元金を生命保険で全額カバーできなくても、夫が死亡した時に妻は実家など帰る家があって、家を売却できるのであれば終身生命保険と売却益でローン残債を精算する計画もオススメできます。
住宅ローンの生命保険に比べて死亡時の補償は薄くなりますが、死亡しなければ終身生命保険は満期金を受け取れる分、お得だと私は考えています。もちろん、変動金利を組む方や団信に加入する場合でも、併用して終身生命保険に加入しておくと安心です。
私の場合、結果を見ると変動金利を利用して私は終身生命保険に加入する方法でも良かったのですが、私がフラット35Sを組んだ時は当初5年(中古の場合)の優遇金利は0.5%と大きかったこともあり、変動金利の審査に不安もあってフラット35Sを利用しました。
ネットバンクはサービスが悪い
全体的にネットバンクは、店舗窓口で手続きできる銀行よりも金利や手数料は安いですが対応も悪いです。
私は楽天銀行のフラット35Sを利用しました。楽天銀行を選んだ理由としては、上述で紹介した通り団信加入不要だったことのほかに、事務手数料が安いメリットも決め手でした。
一般的なフラット35(S)の事務手数料は借入額の2%ですが、楽天銀行は事務手数料1%になります。私は2,150万円のローン元金だったので、楽天銀行を選んだことで他の銀行よりも21万5千円事務手数料が安くなりました。
しかし、ネットバンクなので手続きは全て電話と郵送になり、コールセンターの担当スタッフは態度が悪くて、電話しても担当者不在のことも多く折り返しの連絡が遅れることも頻繁にありました。
もし、手数料優遇などのメリットがなければ、途中でもういいと見切りをつけて、メガバンクや地銀など窓口のある銀行を利用していたと思います。
楽天銀行の対応には不満もありましたが、20万円以上手数料が安くなるのは私の中では大きく、不満を感じても20万円節約するための我慢と思って耐えることができました。
楽天銀行だけではなく、基本的に金利や手数料の安いネットバンク住宅ローン窓口は対応の悪いことが多いです。銀行の信用力や手厚い対応を求めるなら、多少は条件が悪くてもメガバンクや地銀の利用をオススメします。
住宅ローンを利用する金融機関に何を求めるかはひとそれぞれ異なります。私は楽天銀行を利用して不満もいろいろありましたが、結果的に手数料が安かったので利用して良かったと思っています。
まとめ
私は住宅ローンを組んでみて、35年にすると利息の負担が想像以上に大きいと感じました。私は2,150万円を当初5年間0.94%の金利で住宅ローンを組みました。金利1%を切っていても、ローン期間を長くして月々の返済額を少なくすれば、利息の割合が高くなることに驚きました。
私の場合は当初5年の月々の返済額は約6万円ですが、2,150万円の0.94%だと年間利息はおよそ20万円かかります。月々の返済6万円のうち、1万6千円以上は利息で占めているので、利息負担は支払い額の25%以上です。
私は少ないローン元金を35年ローンにしたので、利息の占める割合が高くなりました。ローンの組み方によって利息の占める割合は変わり、ローン期間を短くして月々の支払い額を増やせば利息の占める割合は少なくなります。
しかし、将来的なことを考えれば利息負担は大きくても、月々の返済額を少なくしておいて正解だったと思っています。
ローンの組み方はいろいろありますし、利息を払うことの捉え方は人それぞれです。無理なく確実に返済していけるローンの組み方を最優先して、繰り上げ返済を併用するプランをオススメします。
変動か固定などの主要なポイントだけではなく、生命保険や事務手数料、銀行の信頼性なども考慮してローンの組み方を検討してみてください。
ローンを組む時は頭金をどうするかも重要です。頭金についての考え方や注意点はコチラのページをご覧ください。