ブルさん@元車ディーラブルさん@元車ディーラ

家を買うときは、いくらまでローンを組めるのか気になるものです。
ローン可能金額は金融機関やローン商品によって変わりますが、年収に対してのおおよその目安があります。

特に固定金利の場合は年収とローンの明確な基準があるので、上限金額を電卓で簡単に算出することもできます。
全体的な傾向では、固定金利の方が変動金利よりも高額ローンの審査に通りやすいです。

ここでは、年収とローンの関係を分かりやすくまとめました。

年収とローン


年収と住宅ローンの関係は金利によっても変わります。2017年12月の金利を基準に考えると、年収に対してローンを組める金額の目安は次のとおりです。

■年収とローンの早見表
100万円:835万円
200万円:1,670万円
300万円:2,505万円
400万円:3,880万円
500万円:4,850万円
600万円:5,820万円
700万円:6,790万円
800万円:7,760万円
900万円:8,730万円
1,000万円:9,700万円

※1,000万円以上は100万円年収が上がるごとに借入上限970万円増加
※計算式は年収400万円未満→100万円につき835万円、年収400万円以上→100万円につき970万円

上記の試算表はフラット35の申込基準によって算出しています。以前は年収の7倍前後が借入可能額の目安にされていましたが、近年では年収に対して年間返済額が占めるパーセンテージで計算されるように変わっています。

■年収とローンの早見表の根拠
フラット35では、年収400万円未満は年間返済額30%以下、年収400万円以上は年間返済額35%以下の基準を設けています。年収400万円未満は100万円につき年間返済額30万円、年収400万円以上は100万円につき年間返済額35万円が上限になります。

2017年12月のフラット35、借入期間21年以上35年未満、融資率90%以下の金利は1.34%です。金利1.34%(元利均等)、返済期間35年、ボーナス払いなしで計算をすると、835万円の年間返済額は299,004円(月々24,917円)、970万円の年間返済額は347,340円(月々28,945円)です。

フラット35は35年全期間金利固定型で当初の予定額より返済額が増えることはありません。変動金利に比べてリスクの少ない商品のため、年収に対してもっとも高額な借入が可能です。

ただし、紹介した年収とローン早見表は基準に基づいた上限値です。基準値以下の希望借入金額でも審査によっては借入不可や減額提示をされる場合もあります。また、金利が高くなると、月々の返済額が高くなるため借入可能金額の目安も少なくなります。

ちなみに住宅ローンの金利プランは元利均等と元金均等の2種類があります。一般的なローンは元利均等で固定金利の場合、返済額を全て一定にします。

元金均等はローン残高に応じて利息を計算する方法で、ローン返済を進めると利息も減っていくので月々の返済額が安くなります。ただし元金均等にすると、当初の支払い額が元利均等払いより高額になるため、年収に対しての借入可能額は少なくなります。
(金利1.34%で年収100万円に対して700万円ほどが目安。)

基準値の上限で住宅ローンを組めるケースは少ない

年収に対して年間返済額30%/35%の目安は、住宅ローン以外の借入状況も考慮されます。自動車ローンや大学の奨学金などの返済がある場合は、ローン審査も不利になります。住宅ローン以外の返済は、単純に年間返済額に組み入れられるワケではなく、どう評価されるかは金融機関次第です。

また、月々の返済が必要な借入金はなくても、クレジットカードのキャッシング枠やカードローンなど、いつでもキャッシングを利用できるカードを持っていると融資可能額の全額を借入残高として扱われます。

住宅ローンの審査に落ちた場合は、複数枚保有しているクレジットカードの一部やカードローンを解約するなど、借入残高とキャッシング枠の精算を行うと住宅ローン審査に通りやすくなります。

年収とローンの早見表は基準に基づいた上限額の試算で、実際に上限値近くの借入希望額で審査に通るケースは少ないことを覚えておきましょう。

世帯収入が高いとローンも有利

住宅ローンは単独名義ではなく、配偶者を連帯債務者にする共同名義で組むことも可能です。連帯債務者を設定した場合は、収入や頭金を出す割合に応じて、家の持分比率を分けて登記上の名義人も共同名義にしないといけません。

たとえば夫は正社員で年収400万円、妻は不要の範囲内のパートで年収100万円だった場合、共同名義(連帯債務)にすれば年収500万円の扱いでローン審査を受けられます。近年は夫婦共働きの家庭が増えていて、夫婦共同名義で家を買うのは珍しいことではありません。

実際にみんないくらくらいで借入しているの?

フラット35であれば年収400万円で3,500万円以上の借入ができる計算ですが、生活費を圧迫するギリギリの生活を与儀なくされる水準です。あくまでも私の知人の傾向ですが、年収400万円前後の平均的な収入の場合、3,000万円以下の住宅ローンを組んでいる方が多いです。

私の友人で大企業勤務、30代前半、年収1,000万円の方が諸費用込6,000万円の家を、ローン元金5,000万円ほどで購入しました。ちなみに妻も家の購入時はフルタイムで働いていたので年収300万円〜400万円、世帯収入は1,300万円以上あったと考えられます。

しかしローンは単独で通らず夫婦共同名義にして、ローン契約も夫3,500万円、妻1,500万円で2つの独立した契約になったようです。家の相場は地域によって異なりますが、首都圏の新築建売の売れ筋価格帯は2,000万円〜4,000万円です。

平均的な年収であれば、平均的な家(3,000万円前後)がひとつの目安になります。ローン元金4,000万円以上で家を買うと周囲から高所得というイメージを持たれます。

ちなみに私は中古の一戸建てを2,150万円のローンで家を買いました。しかし一軒家だったのですが駐車場がなく、近くの月極駐車場を9,000円で借りています。実際には2,500万円くらいのローンを組んだつもりでローン返済と駐車場代の支払いをしています。

月々の返済額だけ見れば、3,000万円、4,000万円、5,000万円といった高いローンを組んでも生活は可能だと思う部分もありますが、ローン期間が長いからこそ、無理なく周囲の平均も意識した計画で住宅ローンを組むべきだと考えています。

まとめ

年収とローンは深い関係性があり、借入上限額の目安もあります。ただし、住宅ローンの審査は年収以外にも勤務先の信頼性や勤続年数、頭金の有無、住宅ローン以外の借入状況など幅広い項目で審査されます。住宅ローンの不安があれば、まずは一度ローン審査を受けてみるとよいでしょう。

すぐに家を買う予定がなくても、一度ローン審査を受けると、購入可能な家の予算を明確にできるので、家購入に向けた資金計画も立てやすいです。どのくらいの予算で家を買えるのか分かるとモチベーションもあがって貯金や仕事も頑張れるようになります。

概算のローン可能額を知りたい方は、年収と年間返済額を参考にしてみてください。私の個人的な見解ですが、年収に応じた適正なローンの目安は以下のとおりです。

年収300万円:ローン2,000万円
年収400万円:ローン3,000万円
年収600万円:ローン3,500万円
年収800万円:ローン4,000万円
年収1,000万円:ローン4,500万円

高年収になるほど住民税、所得税、健康保険料の負担割合が高くなりますし、高額なローンを組むのは将来的なリスクが高くなります。年収とローンの関係は、年収が2倍になればローンも2倍にできるとは考えず、年収が増えるにつれて適正なローン金額が増えるペースは遅くなります。